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アオハルを支えてくれた音楽

BUMP OF CHICKENと高校生の私が出会った話

 高校では部活を続けるつもりがなかったのになんだかんだで部活を続けていた。朝は早起きして始発に乗って朝練へ向かい、授業後にはまた同じメンバーで顔を合わせ夜遅くまで午後練をしていた毎日。そんな毎日の中で音楽を聴く時間というものは始業前と登下校の電車しかなかった。
 私は嵐が大好きでずっと聴いていた。でも邦ロックの世界にも足を踏み入れていて好きなアーティストは何組かいた。そんな中でクラスの男子が友達とこんな会話をしていた。
「俺さぁ、昨日BUMPのライブ行ってきたんだよね!」
と。私は心の中で「あぁ…あれか…BUMPって…天体観測の人か……」と思っていた。この時までの私の中のBUMP OF CHICKENは「天体観測のバンド」という印象でしかなかったのだ。その日の帰りの電車は心の中がもやもやしていた。「BUMP OF CHICKEN」というワードが引っかかっていたのだ。気づいたらiPodのアーティスト欄を覗いていた。BUMP OF CHICKENのCDなんて借りたことなかったよな…なんて考えながら。ある…あった!BUMP OF CHICKENのアルバムが入っている…!!BUMP OF CHICKENの楽曲をiPodに入れた記憶はなかったが、Butterfliesの文字を見つけたのだ。サラッとアルバムの中の曲名を見てその中から気になった曲を聴いてみた。
〈ひとりじゃないとか 思えない日もある
 やっぱり大きな 寂しさがあるから
 応えがなくても 名前を呼ぶよ
 空気を撫でたよ 君の形に〉 ー宝石になった日
衝撃的だった。キラキラとしたメロディーラインに乗せられた歌詞。私はBUMP OF CHICKENの楽曲の歌詞に心を奪われたリスナーの1人である。
 それから私はクラスの子にオススメの曲を聞いたり、CDやDVDを貸してもらったりとどんどん彼らの魅力に惹かれていた。これが高2の私とBUMP OF CHICKENの出会いである。
 それから月日は流れ、高校3年生になった。受験生だ。私は将来の目標をハッキリと持っていたために、志望校を決めるのにはあまり時間はかからなかった。ただ、志望校に合格するための学力が追いついていなかった。勉強していると自分の中で思っていても成績は伸びないし、周りに置いてけぼりにされているような気分にもなったし悔しくて泣いた日もあった。それでもBUMP OF CHICKENは離れなかった。
〈ここに居場所は無い という涙で濡れた土の上で
 倒れそうな旗をいつまでも 支え続けてる人がいる〉
  ーfire sign
近い将来に不安を覚え、どうしたらいいのかも分からずにとりあえずやることだけをこなしていた日々にこの曲も心に響いていた。グラグラとする私を両親や、担任、塾の先生は見捨てずに近くても遠くても支えてくれていた。決して責められることもなく。今思えば、とても恵まれた環境で受験期を過ごせていたのだと思う。本当に感謝している。
はっきりとしない毎日に色をつけてくれるお知らせがあった。それはアリーナツアーPATHFINDERだ。しかし受験生が行ってもいいものか?このライブに行っている時間は周りは何しているんだ?など行くか行かないか迷った。しかも私が行ける公演は、第一志望校の入試の1ヶ月前だった。でも私は「高校でBUMP OF CHICKENと出会った。嬉しい時もつらい時も支えになったのはBUMPだ。今ここでお礼をしないでどうするんだ」と思った。なにかしらの形で感謝を伝えたかった。それからチケットを応募した。落選の文字が続いて諦めようとしたが、クラスの男子が当選していて同行させてもらえることになった。本当に嬉しかった。
 そして迎えたライブ当日。ワクワクとドキドキが混ざって幸せな気持ちだった。その男子と会場に向かうまでライブだけでなく進路のことも話したりした。「お互いに1番行きたいとこに行けるといいね、頑張ろうね」と今でも覚えている。物販に並んだり、フォトブースやツアートラックで写真を撮ったり開演までの時間を楽しく有意義に過ごした。いよいよ開演。BUMPと出会って1年とちょっと。こんなに早く会ってもいいものかと思ったりもした。それでももう目の前に彼らが来る、やっと会えると嬉しさが込み上げていた。pathfinderが会場全体に響き渡る。キラキラとしたサウンドに乗せてメンバーが登場しGOで開幕した。あっという間だった。もう終わってしまうのかと寂しさもあったが、感謝を伝えられたことは私にとって1番の満足感を与えていた。会場を離れて帰路につくと、またこれからのことで不安に襲われた自分がいた。でも、もう大丈夫。今日、BUMP OF CHICKENからパワーをもらったんだ。絶対にやり遂げてみせる。と、前向きにコツコツやっていこうと心に決めた。
 ライブが終わってからは受験勉強に集中した。また音楽を聴く時間は減った。夜遅くまで学校に残った日の帰り道に聴くBUMP OF CHICKENは「明日もお前頑張れよ」と背中を優しく押してくれていた。
 受験日当日も私はBUMP OF CHICKENで1日をスタートさせた。移動の車の中でシャッフルで聴いていた。
〈お訪ねします この辺りでついさっき
 涙の落ちる音が 聴こえた気がして
 駆けつけたんだけど 誰の涙かな
 そういや君は ずいぶん赤い目をしてるね〉ープレゼント
この曲に何度泣かされただろう。受験日当日に聴いてしまった、また泣いてしまった。今までの思いが全て思い出された。頑張ったこと、できなかったこと、悔しかったこと。できるようになったこともある、粘ればできることもある、諦めないでやってみる。1年を通して学んできたことだ。とにかくこの大学じゃないと4年間勉強したくないと思っていた。BUMPに背中を押され会場へ。緊張する私の制服のスカートのポケットには、ツアーグッズのツイストバンドを2本仕込ませておいた。面接の直前にポケットに手を入れて、ツイストバンドを触って安心していたのはここだけの秘密。
        落ちたな、これ。
受験を終えての感想だった。正解のわからない小論文や面接。もう全てを投げ出したくなった。このままでは先がないので普段通り勉強は続けた。
年末。合格発表の日が来た。ネットでの発表だった。受験番号を探す。後半、番号が近くなる。番号があった。合格していた。職員室で号泣して、先生方に驚かれたのは今でも良い思い出であるが、BUMPの力は偉大だなぁと感じた瞬間でもあった。
 なにが受験生だ!自分の好きなものには時間をかけたっていい。その時間はきっと無駄にはならないから。記念撮影のメロディーの裏で時計の針が進むように、時間を大切にしながらもその中で大切なことを見つけたいと感じた。
今、私は合格した第一志望の大学で夢に向かって勉強に励んでいる。もちろんBUMP OF CHICKENと一緒に。
そしてクラスの男子も志望していた学部に合格し、頑張っていることと思う。元気にしているかな。
 
 
 

さぁ、次はどの曲と前に進もうか。

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