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駆け抜けて光を追い越して

関ジャニ∞と最後の1時間

自分がアイドルを好きになることなんて、一生無いと思っていた。
それはもちろんアイドルというものを貶しているわけでは全くなく、
自分みたいなものが聴いて好きになっていいようなものにどうしても思えなかったから。
キラキラと眩しく輝く姿に、いつどんな時も目映い笑顔に
ダンスに歌にと光をまとったような姿にそんな印象を勝手にいつからか抱いていたのだと思うけれど。

そんな被害妄想200%の心底根暗な私が、最近心から救われている音楽がある。

関ジャニ∞である。

きっかけは友人のeighterに誘われて参加した関ジャニのコピーバンドだった。
テレビやラジオ、雑誌だけでは知り得なかった7人の音楽というものがあまりにも衝撃で、
聴く程演る程に彼らが畏れていたはずのアイドルであることを忘れてしまうくらいに熱中していた。

それからはあっという間だった。
彼らの楽曲や音楽性はもちろん、メディアで窺い知る人間性にぐいぐいと惹きこまれていって
楽曲たちはもちろんのこと、過去のバラエティや ライブ映像 更にその特典映像まで
気づけばeighterと呼ばれる彼らのファンの仲間入りを目指すようになっていた。

そんな彼らは去る7月8日、7人で迎える最後の日を迎えた。

4月に渋谷さんという 音楽的にもグループ的にも常にセンターに立っているひとの脱退が発表となり、会見が執り行われた。
怪我の影響で参加できなかった安田さんを除いた6人がその場で語る言葉一つ一つは
それぞれのそのままをどこまでもまっすぐに偽りなく体現していて、胸が詰まった。
誰も整理なんてものは出来ていないし、それはきっとeighterのひとたちもそうだということは私でもわかった。

そうしたことが起きた中で過ぎていく毎日はナチュラルに彼らを映していた。
バラエティ、ラジオ、ドラマ、映画、舞台。活躍の場が多いからこそ 世の中に触れることは常であって、
そこで時に屈託なく笑い・時に演じ・時に冗談を言い合う誰よりも悩み苦しみんでいるはずの彼らの姿は
間もなく訪れるその時がまるで来ないかのように eighterを守ってくれていたように思う。

それでも、一生やってこない日はない。
残酷にも思えるほどの時の速さで その日は私たちの前に立ちはだかった。

初の生放送で行われた『関ジャム 完全燃SHOW』では、
過去のセッションを振り返りつつのトークが終始穏やかに、
少しだけ終わりの影をちらつかせながらも、いつもどおりに放送された。

続く東京スカパラダイスオーケストラとの、責任感しかない<無責任ヒーロー>のセッションも
互いに肩をたたき讃え合うかのようなパフォーマンスに胸が躍った。

“メンバーが選んだ2曲を披露”。
しかしその言葉が画面に大きく写し出された時、始まった と思った。
最後の時間がついに始まってしまった。

1曲目に披露されたのは<大阪ロマネスク>。
5月にリリースされたベストアルバム『GR8EST』に葉加瀬太郎さんとのコラボレーションで新たに生まれ変わった1曲。
テレビで披露されたことがかつてあったようには思えない上に
言葉にするまでもないほどにメンバーそしてeighterからの思いが詰まっている楽曲である気がしていて、
とっておきの彼らからのプレゼントのように思えた。

バンドセットによる本当に最後の曲は、
予想していた、というよりもそうであってほしいと願っていた<LIFE~目の前の向こうへ~>だった。

彼ら自身がそう語るように順風満帆ではなかったこれまでの14年間。
見つけたひとつのかたちであるバンドという音楽を、初めて形にして世の中に認めさせたのはこの楽曲だったんじゃないだろうか。
そうして8年も前に彼らをさらに一歩先へ押し上げた楽曲が、
時を越えて またしても彼らをまた先へ連れて行こうとしている気がした。

あの会見の日から第一声を歌うまで決して涙を見せず強い意志を見せてくれようとした錦戸さん、
自身の状況もなにもかも含めて、それでもeighterと関ジャニとメンバーを笑顔で見守る安田さん、
門出の場で関ジャニという大きな器を揺らがせないようにしっかりと掴んでいた村上さん、
寂しさも辛さもちゃんと見せてくれて、それでも前を向く姿を教えてくれた横山さん、
大好きな渋谷さんへの愛を、そしてeighterへの愛を身を以て表現してくれた丸山さん、
誰よりも笑顔で力強く送り出し、その姿勢で前へとeighterを導こうとしてくれている大倉さん。
色んな形で浮かんだ想いがぐさぐさと刺さってきて 気づけばひとりで口ずさみながら泣いていた。

そして最後に渋谷さんが叫んだ一声を 私は忘れられないと思う。
 

アイドルには“偶像”という訳し方がある。
手をのばしてはいけない、届くはずもない憧れの対象を そう呼ぶと解釈している。

なぜ私が関ジャニを好きになったのかの理由はきっとここにあるのだと思う。

恋も愛も歌うけれど 何より人の心を歌う、表す、伝える、そして励ます楽曲に溢れていること。
その音楽を届ける為にバンドという誰もが歩み続けることが出来る道ではない道を、へそ曲がりでも泥だらけでもアイドルグループとして誇りをもって進んでいること。
私なんかが想像できないほどの壁も山も乗り越えてきたであろう彼らからは
天の上にいる“偶像”を想起させるものより、
遥か前を歩いて背中を見せて、道を指し示してくれているような
そんなイメージを抱いたからこそ好きになったのだ。
だからこそ、好きになって良かったと こんなに泣いても思うのだ。

底抜けに明るいだけの歌はそんなに得意ではないけれど、
彼らの楽曲から窺い知るそれは、確かに毎日私を勇気づけてくれている。
終わりだという意味の言葉を最後まで誰一人として使わなかった7人の前を見据えた姿勢も、
最後の1曲を演り終えた彼らの姿がいまもきっちりとまぶたの裏には残っている。

間もなく6人になって初めてのツアーが始まる。
私自身も、ライブで関ジャニを観る初めてのツアーになる。
自分たちの状況に関係なく そのときの最善を届けてくれようとする彼らに
eighterの一員として声が枯れる程の声援を心から贈りたい。

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