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フレデリックというジャンル

彼らはなぜオンリーワンなんだ?

先日関西へ旅行に出かけた。旅行先ではその土地の空気を感じるために、必ずラジオをBGMにしている。ラジオDJの話し方、選曲、ニュース等普段は触れないものに触れることができるからだ。そして僕のまだ知らない地元のアーティストに出会って、それを日常に取り入れることができるのだから世界は広い。毎週どこかで夏フェスが開催されるシーズンになってきたが、その時ラジオから流れてきたのがフレデリックの新曲“飄々とエモーション“だった。

「ユーモアに富んだ歌詞と中毒性の高い楽曲が話題」、「どのシーンにも属さない「オンリーワン」の楽曲とそのスタンスに注目が高まっている」
(フレデリックホームページより一部抜粋)
フレデリックを語る上で必ず出てくるワードといえば“中毒性“である。中毒性と聞くと一般的にはいい印象を持たないが、音楽に関しての中毒性はそれと異なるだろう。誰もが一度は頭から離れない、頭の中でループし続けた曲があるはずだ。僕がそういう経験をしたことがある曲がフレデリックの“オンリーワンダー“である。これが彼らのメジャー1stシングルとしてリリースされたのが2016年と今から2年前に遡るのに、未だに頭の中から離れなくなるのだから、恐ろしい中毒性だ。
人として最初の印象が大切なように、初めて聴く音楽もその歌詞、事細かく言えば最初の一音で印象が決まると言っても過言ではない。僕がその中毒性にやられている“オンリーワンダー“はそのイントロでかき鳴らされるギターが耳から興味をそそらせる。僕は音楽が好きだが、何かの楽器を習うなど演奏した経験はほぼない。ただ、ライブに行くようになってからは少しずつその知識も増えて、イントロや曲の盛り上がる場面で繰り返し使われるギターのフレーズをギターリフと呼ぶことを知った。“オンリーワンダー“の冒頭で使われているギターリフは音色なのにも関わらず「タカタッカタッカタン、タッタタンタン」と思わず口ずさみたくなってしまう。ライブではこの音に合わせて全員が同じタイミングで手を上げる。初対面の掴みとしては十分過ぎるインパクトである。次に“オンリーワンダー“の歌詞の一部を見ていきたい。

《何言ってんだ みんな違ってんだ バカにしてんな シャットアウト》(オンリーワンダー)

《だからワンダーテンダー歌ってんだ 歌ってんだずっとずっと》(オンリーワンダー)

あくまでも一部だが、演奏にのせてリズミカルに韻を踏んで歌っているように感じる。ただ伊達に僕もその中毒性にやられて何度もリピートして聴いているわけではない。この曲の歌詞の文末の大部分は「あ」若しくは「お」の母音で終わるように構成されているのだ。これに加えて同じフレーズ、語句の最初の一音を何度か繰り返してそれを軽快なメロディーにのせて歌い上げている。フレデリックの中毒性は緻密に計算された繰り返しで作られていると言っても良いだろう。音楽に限らず自分の好きな物は何度もそれを欲するようになる。美味しいと自分の口に合う料理やお酒があればそのお店に定期的に通うようになり、その頻度は増え、食べることだけでなくそこにいる人とも交流して好きになる物の範囲が広がっていく。彼らに“リリリピート“という曲があるように繰り返し、また繰り返すことによってその人や物の本質に迫ることができると考えている。“オンリーワンダー“は「どのジャンルにも属さないオンリーワン」を掲げる彼らの本質を知るための曲といっていい。

「どのジャンルにも属さないオンリーワン」と言葉にするとひと際映えるし、かっこいい。ただ、どのジャンルにも属さないって不安ではないだろうか。普段意識することはないが、社会、学校、職場、家族…と大概は複数人いる組織に所属している。それに属さないということは何かあっても、何かなくても全ては自分の責任になる。そしてオンリーワンは他の誰か、何かがあるから特別なのだ。こうして細分化していくとフレデリックの掲げているものって相当負荷が大きく感じる。

《顔色変えろ十人十色 色メガネでみるなよ だからいつでもナンバーなんか気にしてんな みんなちがってみんな優勝 どうなったってさ 何度でも 君は君でいろ》(オンリーワンダー)

先ほど属さないって不安といったが、それには少し語弊があるかもしれない。楽しいと思う時がある分、誰かとの関わりが面倒で、億劫になる時がある。だから本当は一人でいたいけど、何か属していたいという気持ちがあるのではないだろうか。この社会、様々な環境にいれば必然と成績などの数字で順位、優劣がついて競うことにも繋がってしまう。無意識にそう感じてストレスが溜まって、疲れている現状があるのかもしれない。だから無意識を意識しよう。いろんな人がいるけど、自分は自分。その特徴、個性を出せば自分が自分にとっての支え、オンリーワンになれる気がするのだ。
僕はフレデリックがオンリーワンな理由はこだわりだと考える。歌詞、文章、それを構成する言葉、その一音、それをのせるメロディーの一音までをとことん追求し、こだわり抜いているからこそフレデリックという唯一無二のジャンルに属している。数字や周りの目を気にしがちだが、それはみんな一緒なのだ。周りに流される時があってもいい、ただ自分は一人しかいないから、そのためにも自分を磨いて個性を高めることができればその周りの環境を高めることにも繋がっていくのではないか。
どうしても気怠く感じる梅雨が終わったと思えば、うだるような暑さの夏が始まった。暑いが口癖になり、休みは家でダラダラ過ごすのが目に見えているが、そうはしていられない。どうやら今年は平成最後の夏になるらしい。僕が生まれた平成という元号が終わる。その時代に作られた“オンリーワンダー“は僕にとっての唯一無二の応援歌。僕も何か一つでもこだわりを持ってそれを追求していこう。それが自分、誰かのためになるかな。そうして感じ、考え、一歩踏み出して扉を開くのは他の誰でもない、僕なんだ。

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