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翻訳の重要性

ボブ・ディラン Forever Young

翻訳の重要性

ボブ・ディラン Forever Young
 

1974年生まれの私にとっては、ボブ・ディランはそれほど身近な存在ではない。
しかしその存在は知っている。
どの程度かというと、最近ではノーベル文学賞を受賞したということ。
今年のFuji Rock Festivalに来ることで話題になっていること。
フォークの神的存在であること。
風に吹かれてという有名な曲を知っている程度。
言わば人名辞典に乗っている有名人という認識だ。

私は中学から洋楽に夢中になり、渋谷陽一氏のロック教本を読み漁り、CDを買った。
その中に当然ボブ・ディランもあり追憶のハイウェイ61を買って聴いた。
私はThe Bandが大好きで、その方面からもボブ・ディランは知っていた。
しかし歌唱面からもサウンド面からもやはりThe Bandが好きであった。

そんな私がボブ・ディランに感銘を受けたのは1冊の絵本からである。
子どもになにか良い本を…と立ち寄った本屋でForever Young〜はじまりの日〜という絵本を見つけたのである。
その絵本はForever Youngの歌詞が素晴らしいイラストともに一つの物語になっていた。
訳詞をしたのはアーサー・ビナードという方ですが、本当に素晴らしい訳詞だった。

Forever Youngはボブ・ディランが自分の息子に向けて作った曲だそうで
原文のままでもニュアンスは伝わりやすい歌詞かも知れない。
しかしこの本ではForever Youngを”はじまりの日”と訳している。
普通に訳せばいつまでも若くとなるが
はじまりの日と訳すことで、子どもたちにもわかりやすく希望を持てるような内容になっている。
若い子たちに、ましてや小学生にいつまでも若くって言っても説得力がないのである。

以下、1番の歌詞の原文と訳詞である。

Forever Young
はじまりの日
May God bless and keep youalways,
きみが 手をのばせば しあわせに とどきますように
May your wishes all come true,
きみのゆめが いつか ほんとうに なりますように
May you always do for others
まわりの人々と
And let others do for you.
たすけあって いけますように

May you build a ladder to the stars
星空へ のぼる
And climb on every rung,
はしごを 見つけますように
May you stay forever young,
毎日が きみの はじまりの日
Forever young, forever young,
きょうも あしたも
May you stay forever young.
あたらしい きみの はじまりの日
 

私はこの絵本を読んで、ボブ・ディランをもっと知りたくなってしまった。
一番感銘を受けたのは次の歌詞だ。

May you have a strong foundation when the winds of change shift.
流されることなく 流れをつくりますように

風向きが変わったときでも揺るがない
自分のしっかりした基盤を作りなさい
自分の信念を持ちなさい
という事を言っていると思うのだが、
それをこのように訳す言葉のセンスが素晴らしいと思った。
それにボブ・ディランがこの歌詞を書いた当時を反映しているようにも感じた。

私は英語がそんなに得意ではなく、ましてや歌詞となると文法とかけ離れたところで展開することもあり
CDを購入するときも訳詞付の日本盤を購入し、訳詞と原文を見比べてニュアンスを捉えるしかないのだ。
なので、訳詞はとても重要なのだ。
訳詞一つで作り手の意図が捻じ曲げられてしまう可能性だってあるのではないかと思う。

洋楽というと音が格好いいとか、歌が上手いとか、サウンド面に意識が行ってしまうが、
ボブ・ディランをきっかけに、洋楽の歌詞をきちんと読んでみようと思った。
きっと新しい発見があるに違いない。
そう、私たちはForever Youngなのだから。
 
 
 
 
 
 
 

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