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君がいなくなって、世界は少し暗くなった。

Chester Benningtonに愛を込めて。

2017年7月20日、目を覚ましたわたしは世界中が真っ暗になったような気がした。
そして、何故わたしは目を覚ましてしまったんだろう?何故彼のいないこの世界にわたしはまだいるんだろう?と自分自身を責めることしかできなかった。

わたしがこの事実を知ったのは父親からのメールだった。
わたしは中学生の頃からLINKIN PARKが大好きで、ライブにも2度足を運んだ。家族はみんなわたしがLINKIN PARKの大ファンであることを知っていて、出勤途中にネットのニュースでこのことを知った父がわたしにメールをくれていた。

「LINKIN PARKのボーカル死んだで。」
「自殺やって。」

メールを読んだ途端に自分の周囲が重たくなった。体が重くて動かない。星が降ってきたみたいに変な重力で押しつぶされそうだった。
わたしはこのメールに返信をすることができなかった。返事をしたら、その事実を受け止めたことになる。返事をしなければ、この事実が悪夢のままで終わる気がしてたのかもしれない。

その日は何もすることができず、一日中テレビの中とネットの中にチェスターの姿を探した。
一晩中LINKIN PARKのPVを見続け、「Numb」から「Faint」の流れで何度も泣いた。

それから数日間はずっとチェスターのことばかり考えていて、発売されたばかりの「One More Light」を聴きながら、Twitterに流れてくるチェスターに向けられたみんなのメッセージを読んでいた。そこで、自分がいかに恵まれているのかに気づいた。流れてくるメッセージの中に、「チェスターの歌声を一度でいいから生で聴きたかった」という言葉がたくさんあったからだ。海外のアーティストのライブを国内で目にするチャンスはそれほど多いものではない。2度もライブに足を運べたわたしはなんて幸運なんだろう。

LINKIN PARKはわたしにとって本当に大切なバンドだ。
出会ったきっかけは別のバンドだった。私が当時夢中になっていたそのバンドのギタリストがLINKIN PARKの「METEORA」をある雑誌で紹介していた。影響を受けた5枚のアルバムの中の一枚で、他のアルバムは名盤と呼ばれるハードロックばかりだったのに「METEORA」はまだ発売されて間もなかった。一気に興味を惹かれ、CDショップで聴きもせず購入した。「Numb」、「Somewhere I Belong」、「Breaking The Habit」など影のあるような楽曲が多かったが、わたしは「Nobody’s Listening」がとにかく好きだった。尺八の音から始まってマイクのラップ、サビではチェスターの絞り出すようなヴォーカル。マイクのバックグラウンドもあって、日本を意識したようなこの楽曲が特に好きだったのかも知れない。

初めてLINKIN PARKのライブを観たのは20歳の時だった。2009年のSUMMER SONICで、わたしにとっては初めての夏フェスでもあった。
ずっと大好きだったバンドが目の前にいることに興奮していたが、周りのファンたちの盛り上がりに戸惑ってもいた。でもいざライブが始まると体が勝手に動き出していて、目の前のモッシュピットに向かって走り出していた。初めて会った人たちと体をぶつけ合い、踊り狂っていた。ライブの楽しさを教えてくれたのは間違いなくLINKIN PARKで、あの夜のことは本当に一生忘れない。ポケットに入っていたはずの自宅の鍵とケータイが無くなっていたし、翌日あばらにヒビが入っていたが、あんなにも興奮したのは初めてだった。

もう2度とチェスターの歌声でああやって踊ることができないのだと考えると今でも辛くて仕方がない。でも、ずっと遠くから見つめ続けていた彼が色々なトラウマと戦っていたことも知っていた。その問題と向き合って生きている彼を尊敬していたし、憧れていた。

今、わたしは彼がこの世界に存在しないことをもう十分過ぎるほど知っている。
彼の選択に対して人それぞれ思うことは違うと思う。
でもわたしは「あなたが後悔していないなら、それでいい。」それだけでわたしは前を向いて生きていける。後悔はしていないのだと信じたい。

あの日からちょうど1年が経った。今でもあの朝のことを思い出すとやっぱり辛くて堪らない。

彼の死から3ヶ月後に仲間が開いた追悼ライブ。
わたしはスマートフォンの中の誰もいないステージを見つめ、映像の中に集まっている彼を愛した人々と共に、今も「Numb」を歌うことがある。やっぱり涙が止まらないけど、最後に仲間が用意してくれた最高のステージだったと思う。
彼の命日の日には私と同じように、あの映像を見て歌う人がいるのだろう。みんな、チェスターのことを愛してる。みんな、チェスターのことを忘れない。まるで確かめるように、そして彼を思って泣くのだろう。
だって彼は大きな空に輝くちっぽけな星なんかじゃなかった。たしかに空に星はたくさんあるけど、それは消えた途端に空が暗くなるほど十分すぎる光を放っていた。

私はチェスター・ベニントンを一生忘れない。
13歳の初めて出会ったあの瞬間から、彼は永遠に私のヒーローだ。

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