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米津玄師プロデュース「パプリカ」を聞いて

曲が持つ大きな力に圧倒され衝動的に書いた感想文

パプリカを聞いた。毎回のことながら米津玄師の発表する曲の新しい方向性に驚かされる。そして今回のパプリカは私の想像を超えた位置にあった。その理由は子供と曲の親和、歌詞の完成度がある。まず、子供と曲の親和であるが、これはまったく意外なものであった。私の持っているこれまでの米津玄師の曲のイメージとして、子供が歌って馴染むのか?という疑問を抱いた。しかし、パプリカを聞きその疑問は払拭された。子供の元気に溢れる声は米津玄師が紡ぐ歌詞、メロディとまったく調和していた。
次に歌詞の完成度であるが、パプリカの歌詞は多くが和語で構成されている。和語は漢語に比べて、親しみと優しさを感じるものである。私は「晴れた空に種を蒔こう」の歌詞に惹かれる。種を蒔くという行為の意味はこれから芽吹く、つまり未来を表している。「曲りくねり はしゃいだ道」「会いに行くよ 並木を抜けて」など道を表した歌詞が多い、これは前述の「種を蒔こう」と同じように未来に通じるイメージがある。
前作のLemonで感じたことであるが、Lemonの歌詞に叙情詩的な傾向が見られた。 大切な人がいなくなって悲しいという内面的な思いを「苦いレモンの匂い」「暗闇であなたの背をなぞった」の歌詞で嗅覚、触覚に訴え多くの人に共感させるものとなっている。では今回のパプリカはどうか。パプリカの歌詞には前回感じた叙情詩的な雰囲気はなく代わりに「曲りくねり はしゃいだ道」「遊びまわり 日差しの街」「パプリカ 花が咲いたら」「ハレルヤ 夢を描いたなら」などの韻を踏んだ歌詞が多い。韻を踏んだ言葉は聴いて楽しく、歌って楽しいものである。パプリカは多くの人に親しまれるであろう。なぜならパプリカは応援ソングとして成立しており、さらには応援ソングという形を超え美しく、未来へ向かわせる大きな力を持つ曲だからである。
これは毎回のことであるが、新曲を聞くたびに新しい場所にたどり着く米津玄師の曲作りの姿勢に尊敬を覚える。
最後に一人のファンとして米津玄師が〈NHK〉2020応援ソングをプロデュースしたことを嬉しく思う。

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