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S (31歳)
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知らずに20年間も素通りしてしまった良質な曲と圧巻の演奏

音楽とライブ好きの人間が衝撃を受けたTRICERATOPSというバンド

私は、他から見れば音楽好きなのだろう。自覚はないが。

末っ子で姉兄と年が少し離れているせいか、流行りの音楽を好きになったのは早かったようだ。
テレビっ子だったこともあり流行りの音楽には敏感で、これでもかと様々な曲を聴いていたと我ながら思う。

大学進学で田舎町から都会に住むようになり、念願のライブも行きやすくなった。初めてライブへ行った時の感動は今でも鮮明に覚えていて、席もどの辺りだったかが会場へ行けば思い出す。

社会人になってからも、好きなアーティストが近くに来ればライブへは必ず行くようにしていて、たくさんのエネルギーをもらって帰っていた。

昨年の夏、私がライブへ行くと小耳に挟んだという仕事でお会いする方がTRICERATOPSのライブ「20TH ANNIVERSARY TOUR “ROAR×20”」へ誘ってくださり、参加することになった。
デビュー20周年を迎えていたバンドの存在は知っていても曲は全然知らず、それでも参加することにした。

私がライブへ行く時は事前の予習を欠かさないが、TRICERATOPSの曲を覚えるのは大変だった。どれがデビュー曲で、どれが代表曲なのかも分からない。とにかく頭に詰め込んで、少しでも曲を覚えてからライブへ参加した。

これまでの参加したライブの多くは、小さくても数千人のホールや大きいとドーム公演という、サポートメンバーを率いてスクリーンも使う演出がほとんど。たくさんの楽器から奏でられる心地良くて幅のある音楽に酔いしれていた。

しかし、TRICERATOPSは3人ですべて演奏する。それも会場はライブハウスでオールスタンディング。
何もかもが初めての経験で一抹の不安もあった。
その不安は1曲目からなくなった。どんどん引き込まれていった。
3人でロックからバラード、3つの楽器だけで奏でられる幅広い表現と心地良い音にひたすら酔いしれていた。
簡単そうに演奏していても、絶対に難しいと初心者ながらに思う。
そして、距離感の近さがさらに私を興奮させていた。

当時の私の日記には、下記のようなことが興奮さながらに書かれている。

和田唱さんが自分自身のギターに酔いしれる表情。
林幸治さんの確実に弾きこなす低音のベース。
吉田佳史さんの力強いドラム。
 

正直なところ、3ピースバンドは騒音のように聞こえるという偏見を持っていた。しかし、彼らの演奏はすべてを裏切ってくれたと思う。
自分たちですべての演奏と演出をするという、私にとっては新しいライブを見させてもらった。

すっかり虜になった私は、数ヶ月後に行われた夏フェスへも足を運び、気持ち良い自然と彼らの音楽をさらに満喫して、次にいつ行われるか分からないライブを心待ちにしていた。

その間、ほとんどのアルバムを聴いて曲を覚え、YouTubeでライブ映像を貪るように観ていた。

そして今年3月から「MIRACLE GLITTER TOUR」が始まり、もともと参加する予定の公演まで我慢できず、当日券を買って初日のマイナビBLITZ赤坂まで行ってしまった。
約半年くらいウズウズしていたこの気持ちを、彼らの音楽はすべて払拭してくれた気がする。
ほとんどの曲を覚えての初めてのワンマンライブ。
どの曲を演奏してくれても、嬉しくてたまらなかった。

その後、予定していたライブへ行き、さらに我慢できなくて追加公演も参加した。

同じツアーで3公演も行くのは、自分自身でも初めてだった。今までどこかで気持ちを抑えていたが、行きたい気持ちは大切にしたいと思って参加した。

追加公演は本当に楽しく、3人の最高な演奏を見せつけられて幸せな気分にしてもらった。

まだ出会って1年。
とても悩んでいた時期でもあった。先が見えず、自分自身の人生に迷いそうになることもたくさんあった。そんな時、彼らの曲が私に元気を与えてくれたのは事実。そして、私の夢を叶えるきっかけにもなった。
特に、「Fly Away」と「トランスフォーマー」はいつも勇気付けてくれた。

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未来はこの手の中に今もある
定められた道なんてどこにもない
僕は焦ってばかりで 身動きさえとれずにいたけど
Someday I’ll Fly Away 空をはばたいていくのさ(Fly Away)
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本当に自分のことのような歌詞だった。考えすぎてどうしていいのか分からなくて、この気持ちをぶつける場所もなかった。でも、納得できる未来へ向かえるように、今この時を頑張ろうと思えた曲でもある。
そして、これを作った唱さんの当時の苦悩も少しだけ垣間見えた気もする。

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前にひたすら進んでいこう
つまづいたって立ち上がろう
自分を変える事でしか 周りは変えらんない
そう思った(トランスフォーマー)
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本当にその通り。頭では分かっていても、なかなか上手くいかないことばかり。
そんな時に、一度原点へ帰らしてくれる。

一方で、生で聴けていない曲のほうがたくさんある。
これが本人達に届いてほしいなという気持ちを込めて、次のツアーで歌ってほしい曲を書きたいと思う。

「ROCK MUSIC」
15TH ANNIVERSARY TOURのライブ映像で初めて聴いた。洋楽のカバーが何曲か途中から歌われて、この曲自体は洋楽の日本語歌詞バージョンだと思っていた。
しかし、この曲がオリジナルとしてきちんとリリースされていることに、後から気付く。
衝撃だった。
洋楽だと言ってもおかしくない。
誰か海外アーティストが英語で歌ってくれたらカッコイイだろうな。

「Jewel」

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テーブル挟んで カプチーノなんて
ロックンロールじゃないよな
なんて思うけど
この瞬間が 僕はたまらなく大好きなんだな
分かってるだろう?(Jewel)
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この曲の主人公である男性からお相手のJewelに対する想いが
甘酸っぱいというか、可愛らしいというか、
上手く言葉にできないのがもどかしいほどの
大好きな歌詞。
こんなふうに思ってほしい女性がほとんどじゃないかと、いつも思う。

今現在、次のライブの予定は発表されていない。
その間は日テレプラスで放送された「MIRACLE GLITTER TOUR」のライブ映像を観て元気をもらっている。

そして彼らは、7月21日にデビュー21周年を迎える。
私が出会ったのは20周年の時。たった1年しか知らないが、このタイミングで出会ったのが人生なのかなと思う。

唱さんがインタビューで語っていたこと。
「流行りの音楽に逆行するように曲を作っていた」と。
確かに、彼らがデビューしたての頃の私は、テレビで流れる流行りの音楽ばかり聴いていて、それ以外は耳にしていなかった。
その後、いろんな音楽を聴いて過ごし、たまたま出会った方のお誘いで彼らのライブへ行くことになった。
TRICERATOPSというバンドがいることは知っていたが、私には合わない音楽をしてるだろうってずっと思ってきた。しかし、そんなことを思ってきた時間を惜しんだくらいの衝撃的なライブと曲たちだった。
今の仕事をしていなければ、誘ってくださった方とお会いできていなければ、これまでの楽しいライブへは一生行けなかったと思う。

彼らがバンドとして続けていく限り、これまで生で聴けていない曲も聴けるようになるだろう。それまでは、彼らを通して出会うことのできた新たなミュージシャンのライブへ足を運びながら、私自身の音楽の幅を広げていきたい。

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