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新しい扉を開ける鍵

ASIAN KUNG-FU GENERATION TOUR 2018 「BONES & YAMS」

「音楽との出会いはいつどこに転がっているかわからない」

前回初めてこの”音楽文”に投稿した時の出だしの一文だ。
その時はBUMP OF CHICKENとの出会いによって人生を変えられ生きるチカラを得たというあれこれを綴った。

そしてまた今回も同じ言葉でこの文を綴り始めようと思う。

そう、音楽との出会いはいつどこに転がっているか分からない。
 

ある日、BUMPリスナー同士として繋がって仲良くしてもらっている友人から、「アジカンのツアーのチケット、まだ買えるみたいなんやけど、行ってみいひん?」と連絡が来た。
同じく交流のある関西のBUMPリスナーの何人かが大阪でのASIAN KUNG-FU GENERATIONのツアー“BONES & YAMS”のライヴに参加したということを知り、興味を覚えた上でのお誘いだった。

BUMPのライヴにも一緒に行ってくれる次男がずっとアジカンが好きでアルバムも殆ど持っているということは知っていたし、ゴッチが発行しているTHE FUTURE TIMESという新聞を手に入れるため何度か次男に代わって書店やCDショップに足を運んだりしたこともあったのだが、彼らの音楽を自分では聴こうとは思わなかった。

誘ってくれた友人も特にリスナーであった訳ではなく、2人して全くのアジカンビギナーとしていきなりライヴに参加しようというのだ。入学して速攻実力テストを受けるようなものだ。無謀にも程がある。
 

次男にかくかくしかじかでライヴに参加することになったからと急遽持っているCDを貸してくれるよう頼み、iTunesにひたすらインポート。14枚のアルバムを最初から順に聴き始めた。
 

「あれ、なんか、良いな。好きな音だ」
 

知っている曲も何曲かあったが、それらもそして初めて聴く曲たちもなんか良い!好き!
毎日聴き込んでいくうちにどんどん好きの度合いが増していった。

わたしは曲の好みはどちらかと言うと歌詞よりもメロディーや音、リズムで決まることが多い。そしてASIAN KUNG-FU GENERATIONの曲たちはそのイントロや間奏がめちゃくちゃカッコよくて大好きだということが、聴き込むほどに分かり、好きの気持ちがどんどん膨らんでいった。
日を追うごとにライヴに参加できるのがとんでもなく楽しみになっていった。
 

今回のツアーのファイナル2daysの初日。仕事を終えて大急ぎで会場に向かい友人と合流。2人ともライヴハウス形式の公演は初めてだったものだから、勝手がわからないねとか、若くないんだし後ろの方でいいよねとか言いながら整理番号順に呼ばれて中へ入ると、幸運にも後方だが段差が2段あって少し高くなっているところの一番前に立つことが出来た。
ステージもお客さんもよく見渡せて、初見でノリが分からなくて戸惑うかと思ってびくびくしていたのがうそのように、始まったらみんなと合わせて拳を振り上げていた。

固定のセトリにプラス会場ごとに流動的に選曲された数曲が演奏され、オープニングアクトにも登場したNick MoonとのRadioheadの‘High and Dry’のカバーと合わせてアンコールまで全24曲、どれも本当にカッコよくて聴いていて楽しくて、あっという間に時間が過ぎていった。

今回のツアーは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとしては第2弾となるベストアルバムと、Official Bootleg“HONE”&“IMO”の発売を受けてのもので、幸運にもアジカンの歴史を網羅する楽曲が選ばれたセトリでありかつ、ライヴで聴けることが割と珍しいとされる曲もあったとの情報も見受けられ、ビギナーにはとても贅沢なライヴであったようだ。
 

実は友人が誘ってくれた時、正直なところ躊躇する気持ちが少なからずあった。これまでちゃんと聴いたことのないバンドのライヴに行ってもいいのだろうか、まるっきりのニワカというやつなんとちゃう?という後ろめたさがあったのだ。

しかしわたしはここ数年、5年10年経った時、いや、死に直面する時に、あの時あれをやっておけば良かった、これをしたかったと後悔したくないから、やりたいと思ったことは人の目など気にせず今やっておけ!と年を追うごとに強烈に考えるようになってきていて、折角誘ってもらったのだからこれは行っておくべきだ、と直ぐに思い直し参加することにしたのだった。
そして行くと決めて本当に良かった。

人生は長いようで短い。出会いがあるならそれを掴んで離すな、楽しんだもん勝ちだ、と本気で思っている。友人が誘ってくれたからこそのアジカンとの出会いだった。
 

新しい世界への扉を開ける鍵はある日突然手の中に転がり込んでくる。
生き方や価値観を180度変えてくれる音楽やバンド、アーティストとの出会いもある。それで人生を救われることもある。生きるチカラを得ることもある。‘わたしにはこれがある’と言える音楽との出会いがあるとすればそれはとても幸運なことであるし、ひとつのバンド、ひとりのアーティストの音楽があればもうそれだけでいい、と思えることもそれはそれで幸せなことだろうと思う。でも、出会いはひとつではないかもしれない。人生を彩り輝かせてくれる音楽は他にも沢山ある。
聴いたことのないバンドの音を聴く。そこからまた新しい世界が広がる。
 

近年では新曲のリリースも配信が主流で、どこに居ても指一本で一瞬で音楽が手に入る時代だ。それはそれで誰もが手軽に音楽に触れることのできる素晴らしいものと言える。
しかし、だからこそ、その音楽を鳴らす人たちに会いに行こうじゃないか。行けるのなら是非ともライヴに行こう。目の前で生身の人間が奏でてくれる音は、歌ってくれる唄は、CDや配信で聴けるデータとしてのものとは全くと言っていいほど意味が違う。自分の周りの空気が振動し伝わってくる音たちなのだ。
自分がその音楽にどれ程救われたか、チカラを得たか、楽しませてもらっているか、そういった気持ちや感謝をその音や唄を届けてくれる人たちに伝えられる機会でもある。
 

一度きりの人生、楽しいと思えることが多いほうが良いではないか。
新しく出会う音楽が人生を彩り、支えになってくれる。
そしてそんな音楽との出会いはいつどこに転がっているかわからない。

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