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歓びの明日に

SUPER BEAVERがくれた「ことば」たち

私がSUPER BEAVERと出会ったのは一昨年の大型フェスだった。
友人に連れられ、なんとなく彼らのステージを見ることになった。
初めて見たときの私の気持ちは

“ボーカルの人、MCの時間長くとるなあ”
“お客さんで涙を流している人がいるのはなぜだろう”

など、今になってみるとかなり失礼なことを思っていた。
この時は、ステージを途中から見始めたし、お目当てのアーティストを見るために途中で抜けたということもあり、しっかりと彼らのステージを見ることはなかった。
しかし、私の中に「SUPER BEAVER」というバンドの存在がしっかりと残った。

私の趣味はラジオを聴くこと。
一人暮らしをしている私にとって、一人の時間はこの上なく寂しい
一人で家事をするときや作業をするとき、私はラジオのスイッチを入れる。
ラジオから流れる声は温かく、生放送の番組が多いため、テレビの音声よりも身近に感じる。
ラジオは一人暮らしの私にとって、かけがえのないパートナーだ。

たくさんあるラジオ番組の中で、私はニッポン放送の「オールナイトニッポン」をいつも楽しみにしている。
お笑い芸人、アイドル、役者などのパーソナリティのトークとリスナーからのユニークなメールは私を毎回楽しませてくれる。

去年の春、私はネットの記事を読んで驚いた

「SUPER BEAVERのボーカル渋谷龍太
『オールナイトニッポン0(ZERO)』の新パーソナリティに決定」

あ、年末フェスで見たバンドの人だ。この人がオールナイトニッポンやるのか。
私にとってオールナイトニッポンのパーソナリティはカリスマ的存在。
一体この人のラジオはどんな感じなのだろうか。
ワクワクした気持ちを抱いて、初回の放送を聴き始めた。

彼らはまっすぐ私たちに向き合っている。
ラジオの回数を重ねるごとに、私はなぜSUPER BEAVERのMCが長いのか、涙を流す観客がいるのか少しずつ分かってきたような気がした。
ラジオでは彼らのライブでの裏話、世間の話題についての話に加えて、リスナーからの悩みに答えるコーナーがあった。
毎回質問のジャンルは異なるが、どんな質問に対しても渋谷龍太は言葉と音楽でまっすぐリスナーと向き合っていた。
それはきっとライブでもそうだったに違いない、だからMCの時間を大切に使っていたのだなと理解することができた。
ラジオの放送では彼らの曲もたくさん流れた。
そして私は、ラジオを通してSUPER BEAVERのことが好きになった。

それからの私は毎日のようにSUPER BEAVERの曲を聴くようになった。
時にはライブのチケットを入手して参加をし、フェスに行った時には必ず彼らのステージを見に行き、渋谷龍太がパーソナリティとしての顔で参加をするオールナイトニッポンのイベントにも参加をした。
見る場所、時間、環境が違っても変わらないこと
それは、MCの時間を大切に使って、曲に乗せて
まっすぐな「ことば」を私たち一人一人と向き合い届けてくれる。
その思いを受け取ることで、私はいつも前を向くことができた。

渋谷龍太のオールナイトニッポン0は今年の3月で終了してしまった。
そしてラジオの終了に合わせて、私の就職活動が本格化し始めた。
毎日慣れないリクルートスタイルに身を包み、スケジュール帳は説明会や面接の予定でパンパンになっていた。
自分は就職活動を楽観視していたので、こんな日が毎日続くのかと嫌気がさすことも多々あった。

ある日、私は電車の中で面接の結果を見てかなり落ち込んだ。
なかなか自分の思い通りの結果にならず、同じような文章の連絡が続き、自分に自信を持てなくなってしまった。
しかし、就職活動を投げ出すことはできなかった。
やっぱりこの業界は私には向いてない、私のやりたいことはこれじゃない
いろんな理由をつけて自分を正当化することで、何とか立ち直ろうとしていた。
そんな時、電車の中でランダム再生していたSUPER BEAVERのアルバムの中からある曲が流れてきた。

“自分に期待しないなんて 自分を信じないなんて 虚しくてつまらない
きっと 失くせない大切があるから 笑えるんだろう 日々は輝くのだろう”

これは「ひなた」という曲。
渋谷龍太のオールナイトニッポン0の初回の放送で出会った曲だ。
自信を失い、自分のやりたいことから遠ざかろうとしている時に、この曲が私を引き留めてくれた。
自分が持っている、目指している「大切」を無くさないためにも、前を向かなきゃ駄目だと気づき、気持ちを切り替えて就職活動を続けることにした。

それからというもの、私は面接の前には決まって「ひなた」を聴いていた。
会場に向かう電車の中で目を閉じ、この曲の世界観に入り込む
すると自然と前向きな気持ちになることができ、リラックスすることができた。

私は「ひなた」と合わせてもう一曲、就職活動中に聞いていた曲がある。
「素晴らしい世界」という曲だ。

“心配しないで 大人は楽しいよ 大切が増えていくんだ”

就職活動中に、SUPER BEAVERは初の武道館公演を行った。
私はその日たまたま予定が空いており、チケットも入手することができたため参加をすることができた。
その日のアンコールで歌ってくれたこの歌詞に私は励まされ、社会人になることへの不安に対して、彼らが私の背中をその場で押してくれたように感じた。
その後、彼らから元気をもらった私は、何とか自分の中にある「大切」を無くすことなく就職活動を終えることができた。

彼らの楽曲の中には「歓び」という言葉がよく出てくる。
「よろこび」という読み方をする漢字はいくつかあるが、なぜこの字を使うのか気になって調べたことがある。
「歓」という字はその字のごとく歓声を上げて喜ぶことや、願いが叶って嬉しいというような意味があるそうだ。
雑誌などのメディアのインタビューで、彼らがメジャーから落っこちてしまって諦めようとしたが、再びインディーズでもう一度音楽をはじめ、自分たちのやりたい、伝えたい音楽を続けているという話を目にしたことがある。
彼らにとっては音楽を続けられたことが「歓び」なのかもしれない
そしてその「歓び」を、音楽を通して共有した私たちは、自分にとっての「歓び」を掴むためのエネルギーに変えているのではないかと思う。

SUPER BEAVERは私にとってヒーローのような存在である。
これからも辛い時、悲しい時、元気が出ない時、挫けそうな時
彼らのまっすぐな「ことば」に背中を押してもらって
「歓ぶ」ことができるように、前を向いて走っていきたい。

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