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no THE YELLOW MONKEY no life.

昔の私と、今の私。妻で、母で、嫁で、THE YELLOW MONKEYが好きで。

2004年7月7日、その日は彼らにとっての解散記念日だ。記念日だなんて、再集結した今だから言えるけれど、当時の私は臨月のお腹を抱えて絶句した。

2001年の活動休止から、約3年半の間に私は、社会人となり妻となり、そしてもうすぐ母となろうとしていた。

THE YELLOW MONKEYがいなくなった世界で、私は妻、母、嫁をがむしゃらに頑張っていた。夫は優しい人だし、子どもは愛しい、義理の母もとてもよくしてくれる。充実した日々。私の生活は、どんどん音楽から離れていった。
たまに口ずさむ曲といえば、子ども向け番組から流れてくるものや、アニメのテーマソングくらいだ。
昔私の心に寄り添って、心を満たしてくれた音楽が、今は子供をあやす道具になっていた。それでよかった。それがいいのだと思っていた。結婚したのだから。母になったのだから。もう音楽(THE YELLOW MONKEY)がいなくても、平気だと思っていた。

それから約12年、私は4人の子どもの母になっていた。いい妻でいること、優しい母でいること、気のきく嫁でいることが、私の唯一のアイデンティティになっていた。それしかなかったのだ。朝早くお弁当を作り、家族を見送り、パートへ行き、急いで帰ってきて子どもの帰りを待つ、炊事、洗濯、掃除をする。ご近所付き合いに学校行事、、、。必死になって頑張っていた。
だけど、それを誰かから評価されることはなかった。仕事のように昇進、昇格する訳ではない。いっそのこと、毎晩審査員が我が家に来て、夕飯〇点、掃除〇点、子育て〇点と点数を付けてくれた方が楽なんじゃないかとすら思った。

限界が近づいていたんだと思う。ある日、夫が放った言葉に私は怒った。きっと夫は、そんなつもりじゃなかったんだと思う。でも私には、結婚生活において、私が頑張ってきたもの全てを否定されたように感じた。そして、それは私の唯一のアイデンティティをも否定されたように感じていた。

そんな日々に飛び込んできたのは、THE YELLOW MONKEY再集結のニュース。率直に1番初めに感じたのは、嬉しいよりも、懐かしいバンドだなだった。それくらい彼らの音楽から離れていたんだろう。
その次に感じたのは、妻でも母でも嫁でもなかった、あの頃の感情だ。テレビに釘付けになり、雑誌を買い漁り、カラオケで熱唱したあの頃。

そこからはTHE YELLOW MONKEYから目が離せなくなっていた。

昔を取り戻すかのように過去の曲を聞き、もちろん新曲も繰り返し聴いた。ライブDVDを買い、ファンクラブにも入会した。
約15年振りに見彼らは、やっぱり格好良かった。
ロビンの刹那的で艶やかな声。エマのドラマチックで涙を誘うギター。ヒーセの温かくてやんちゃなベース。アニーの唄うような恋焦がれるようなスネアの音。全部、全部大好きだ。

ただ、ただ、、、。
どうしても、ライブに行きたいとは言い出せなかった。子どもたちをおいて、家を空けるという選択は私にはできなかった。
ライブDVDの中の、SUCK OF LIFEは子ども達が寝静まった後で見た。ロビンとエマの絡みが、子どもにはよくないかなと思ったから。笑
やっぱり、私のアイデンティティはそこなのだ。

15年振りに彼らにはまっても、昔の私に戻った訳じゃない。妻で、母で、嫁である私は、今の私なりの楽しみ方を模索している。

「何よりもここでこうしてることが奇跡と思うんだ」-ALRIGHT-
結婚して、子どもを産んで、誰にも評価されないけど、ただがむしゃらに頑張ってきた。それしかなかったから。でも頑張っていたら、再び4人の音楽に会えた。

「外からなんて何もわからないさ 大丈夫僕ら君の味方だよ そうさいつも君の味方だよ」-Horizon-
どれだけ頑張ったって、誰も褒めてくれない。ママ友って何だよ。毎日の献立考えるの面倒だし。家政婦じゃない。パート先のお局様の嫌味。心の中の悪態を消化してくれる4人の歌に会えた。

それだけで今は充分だ。

明日も頑張ろう。
 

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