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“All We Do Is Win”

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018で観たSKY-HIの話

8月5日、午後2時。
ROCK IN JAPAN FESTIVALのPARK STAGE、ジリジリと照り付ける日差しが痛い。思えば昨年も同じだった。もっと言えばロッキン2度目の出演の2016年から3年連続、SKY-HIは午後2時、晴天のPARK STAGEという条件下でのライブアクトだ。
開催の1週間前に週間天気予報が発表された日から毎日、ひたちなかの天気を気にしながら過ごしていた。やはり晴れて欲しい。予報は曇り時々晴れ、最高気温31度。過ごしやすくて最高じゃないか、数日前までそう思っていたはずなのに、予想される気温はどんどん上がり、終わってみれば最高気温は36度を超えていたらしい。嬉しいような、少し暑過ぎたような。平成最後だとかそういうことは一々言いたくないのだが、平成最後の夏は特に手強い。
「SKY-HI」、「日高光啓」。太陽の申し子のような名前のアーティストが夏の真っ昼間にライブをするとやはりそれは致し方ないのかと妙に納得してしまう。
そんなことを思いながらPARK STAGEの中央付近、今年は少し後ろからライブを観てみようと思っていた。SUPER FLYERSのバンドメンバーのサウンドチェックが終わり、SKY-HI本人が登場して自らがサウンドチェックとして歌ったのは『Seaside Bound』。毎年さながら本番のような全力のサウンドチェックは、それを観ているオーディエンスだってテンションは同じだ。まだ10分前だとゆっくり歩いてステージに向かっていた人達が小走りになるこの瞬間、こちら側から見ても堪らない。

5分後に再度登場したSKY-HI & THE SUPER FLYERSが1曲目に演奏したのは『逆転ファンファーレ』。2016年からロッキンでの1曲目はずっとこの曲だった。ギラギラ照り付ける太陽と、贅沢極まりないフルバンドのサウンド、“ひっくり返しに来た”と、この曲から始まるこの瞬間、ロック・イン・ジャパンに来ているというその最高の現実を実感する。
そこから音が止まることなく続く『愛ブルーム』『Ms.Liberty』。左右に揺れるオーディエンスを後ろから観る至福だ。汗はとめどなく流れるけれど、時々吹く風が肌に心地良い。
“日焼け跡は1週間くらいで消えるかもしれない、でも一生消えない夏の思い出を君と作ろうと思ってる”
そんなSKY-HIの言葉に、ニヤリとわたしの口角は上がりっぱなしだ。

『Tyrant Island』『Walking on Water』『何様』『RAPSTA』『F-3』と続く圧巻のラップに沸く会場、フルバンドの厚みのあるサウンド。8/5のライブアクトの中ではソロラッパーは恐らく1人だけだったロッキンに、これぞSKY-HI、ありきたりな言葉だけど最高に格好良かった。

他のステージも観に行きたいと、途中で抜けようかと一瞬でも思った自分を殴ってやりたい。最後までSKY-HIを観て本当に良かった。ファンだからという贔屓目ではない。日差しにやられそうになって掛けていたサングラスを途中で外してライブを観ていたが慌てて掛け直し、その下で少しだけ泣いた。

続く『Diver’s High』では、SKY-HIが高校時代にドラムを担当して組んでいたバンドを、対バン相手としてライブに呼んでくれたという、同じ高校の他バンドでギターを弾いていた1つ上の先輩、UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介氏が登場した。

ロッキンに出るために、ロッキング・オン編集部へ自ら手紙を書き、曲を作り、「出演させてくれ」と直談判をして出演したという初登場の2013年、DJ BOOTH。当時のことを私は知らないけれど、本人はその結果を、敢えて「惨敗」だったと表現していた。
3年後、満を辞してバンドとダンサー「THE SUPER FLYERS」を引き連れて出演し、しかし当時は喉の手術から4ヶ月、万全とは言えなかったであろうSKY-HIのコンディションを窺うこちらの不安を「水の上を歩くように簡単さ」とでも言わんばかりにひっくり返してくれた、笑ってしまうくらいドラマチックな展開の2016年、PARK STAGE。あのライブの『ナナイロホリデー』で観た光景を、今も鮮明に覚えている。
3度目の登場、前年よりも規模が広がったPARK STAGE、オーディエンスの前で心の底から楽しそうにパフォーマンスをしてくれた2017年。“ロッキンにリスペクトを込めた戦闘服だから”と、特注のスーツで登場し、汗だくになってもジャケットは脱がないという話をしていたことがとても印象に残っている。
そして4度目の出演となった2018年。もうそれ以上の漫画の主人公のような展開はないのではないかと思っていたのに、本人曰く“俺の人生に本当に起きた信じられないことの中の一つ”、高校時代に小さなライブハウスで一緒にライブをした先輩と一緒に、出会って10年以上経って一緒にこの曲を作り、今こんな大きなステージで一緒にライブができること、本当に幸せだ、と。そんなニュアンスの言葉を話してくれた。SKY-HIというミュージシャンは、どこまでもずっと、やっぱりそんな少年漫画の主人公のような人間なのかもしれない。し、そんなSKY-HIの音楽だから好きなのだと思った。

ロック・イン・ジャパンというフェスの空間は、どの瞬間を切り取ってもやはり私には特別なもので、そんなフェスで観る大好きなアーティストのライブはどれも特別に思えて仕方ない。
気付けばロッキンに来るのは今年で5回目だ。いつか絶対に行きたいと憧れていた日本最大のロックフェスを初めて訪れ、その自由でどこへ行っても音楽で溢れる空間に魅了されてから毎年この期間だけはと、なんとか友人たちと予定を合わせて集まる。お金に少しだけ余裕は出来たけれど、明日の仕事の時間を気にするようになった。馬鹿みたいにお酒を飲んで寝落ちして、二日酔い気味に朝を迎えることは無くなったけれど、いつまで経ってもくだらない話は止まらないし朝は毎回、前日決意した予定通りの時間に会場へ向けて出発ができない。確実に年齢は重ねているけれど結局なにも変わっていないのだ。変わらなければいけないこともあるけれど、こんなにも楽しい夏の思い出の1ページなのだから、変わらなくていいこともきっとあるはずだと思った。
でも来年は、いつも結局1人で観ることになるSKY-HIのライブアクトを、何がなんでもその友人たちを連れて観るのだ。

“こんなイケてるチームなんざ他にない” / 『Snatchaway』
ライブも終わりに近づく中『Snatchaway』を聴きながら、ああ、SKY-HIは、このバンドは、“All We Do Is Win”なのだと心から思った。

来年は出来ればもう少しだけ涼しい時間帯に。そう思ったのも束の間。いや、やっぱりロッキンで観るSKY-HIは太陽が高く昇る午後2時が良い。そんな気がした。

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