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GLIM SPANKY

~ロック、再燃~

ただ毎日をボンヤリと生きている私の目と耳に入るくらい売れているのだから、もう、このバンドの
魅力について今更どうこう言うべきでも無いのかも知れない。
ただ語らずにはいられなかった。そして、私は偶然にもそれにふさわしい場所を知っていたので
この駄文を書いている。まだ彼らを知らない人達に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しい。
ちなみに、決して媚びる訳ではないが、私は第1回からのこの企画のファンだ。

私がGLIM SPANKYを知ったのはつい最近のことだった。
きっかけはYou○ubeでのフジロック中継だ。

誰が出演しているのかもよく知らなかったが、適当にだらだらといつものネットサーフィンの
延長のつもりで中継映像を眺めていた。本当に便利になったものだ、フジロックがYo○Tubeで
ほぼリアルタイムで見られるなんて、でも会場で体感する音楽は全然違うのだろうな、
行ってはみたいけれどそんな時間は無いし、腹減ったな、料理めんどくせえ、などと考えながら。

そこでふと思った。いつから、私は音楽に対する嗅覚が鈍ったのだろう、と。

もうじき三十路を迎える。学生の頃、あちこちを嗅ぎ回って気持ちよくなる音楽を漁っていたあの情熱は
一体どこに行ったのだろう。学生という気楽な身分でなくなって早数年が経ち、私は考えてしまう。
きっと「音楽は生きるのに必須なものではない」のだろうと。あるいは、「確実に」そうではないのだろうと。
“No Music,No Life”な時期が私にもあった気がするがしかし、私は音楽に選ばれた人間ではなかった。

そんな私が、PCの画面越しに音でぶん殴られたような気になったのだった。
音でぶん殴られた時、私は全身に鳥肌が立つ。
昔から好きなバンドの曲でも未だに鳥肌が立つことがあるが、これは少し種類が違った。
濃度が違うとでもいうか、とにかく身体の中心から一気に吹き出してくる感じで、
こんな気持ちになったのはArctic Monkeysの1stを初めて聴いた時以来かも知れない。
いくら鈍感になった私でも、このバンドが天才的なのはわかる。

本当に好きになるものというのは(対人関係でも同じで)第一印象でばっちりとはまる何かがあるものだ。
それがGLIM SPANKYだった。彼らを初めて知った翌日、私は彼らの発売済みフルアルバムを3枚まとめて購入した。

未だにどれが代表曲なのか、どれが人気があるのか全く知らない。
(そんな事柄に価値が無いことは、このサイトを覗くような人たちは重々承知だと思うけれど)
しかしどのアルバムを聴いても腹が立つほどカッコイイのである。
気になる人は、Y○uTubeで検索したときに一番上に出てくる「愚か者たち」を聴いてみるといい。
この曲はまだアルバムには収録されていないが、GLIM SPANKYらしさが詰まった曲だと思う。

Vo/Gの松尾レミが、影響を受けたアルバムとしてWhite Stripesの”Elephant”を挙げていて納得した。
Jack Whiteの曲を初めて聴いた時も「天才だ!」と思ったことを思い出したのだけれど、あの雰囲気が
このバンドにはあるのだ。速い曲は多くない。それでも全身を揺らしたくなるような曲ばかりで、
ウイスキー片手にふわふわとした感覚で聴くととてつもなく心地が良い。少しばかり大袈裟な言い方を
させてもらえば、こんなバンドが同じ国にいて、彼らの歌詞や思考を母国語で解釈できるということが
嬉しい。

私は彼らに「選ばれた」のだと思っている。
好きな音楽、また文学や映画や絵画などでもそうだけれども、芸術というのは答えが無い。
だからこそ、人それぞれの価値基準があって然るべきであり、そこを覆すというのはよほどの
出来事が無い限り難しい。例えば、ロックで育った私がロックを嫌いになるということは考えにくいが、
ロックというカテゴリであれば何でもいいという訳でもない。
だからこそ、自身の価値基準で判断をするしかないのだ。しかも音楽というのは形が無いので、
最も感覚に訴えかける類の芸術だと私は思っている。そして、彼らの音楽は私に突き刺さったのだ。
まるで「お前ならわかるだろう?」とでも言われているみたいに、私は彼らに選ばれたのだと思っている。
良い音楽かどうかなんて、これくらい傲慢な選別でいいのだと思う。必需品じゃないのだから。
 

こんな気分にさせてくれるバンドに久しく出会わなかった。あるいは、出会おうとしなかった。
しかし偶然にも出会ってしまった。これは幸運以外の何物でもない。
今となっては、GLIM SPANKY無しのドライブなど考えられない。

『矛盾を盾にした大人たちに
 なると分かってても抵抗出来ないんだ

 苦しい今に慣れた僕らは
 真実はどこにもあるって事を知ってる』(焦燥)
 

今となっては、私は「矛盾を盾にした大人」なのか、
「苦しい今に慣れた僕ら」なのかわからない。
だけれども、私にとって彼らの音楽は真実だった。

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