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関ジャニ∞6人の門出によせて

ツアー初日、覚悟と生き様をのせた歌を全身に浴びた夜のこと

7月15日、札幌ドーム。
渋谷すばるの事務所退所が発表されてから、ちょうど3ヶ月。7人最後のテレビ出演から、僅か1週間後のこの日。
関ジャニ∞が6人体制になって、初めてのツアーが幕を開けた。

どんなライブになるのか想像がつかなかった。わたしは、どんな場面でも誠実にエンターテインメントに徹する彼らを信頼している。だからきっと、6人でもやり遂げるだろうという確信はあった。

それでも、会場で渋谷すばるのメンバーカラーを見かけると涙ぐんでしまう程にわたしの情緒は不安定で、いつものように楽しみだとはとても言えない状態だった。
 
 

開演10分前。
会場の雰囲気はいつになく緊張していた。開演間際に「エイト!エイト!」と彼らを呼ぶ声がこれまでになく大きくて、胸が苦しかった。
ステージ上に組まれたバンドセットのマイクの数が1本少ない。機材もコンパクトにまとまっていて、すごく遠く見えた。
 

オープニング映像でモニターに並んだ顔は6つだった。そうか、6人なんだなあ。偶数で割り切れるすっきりした画面のバランスに「あれ?」という違和感があった。
引っかかるものを抱えたまま、開演時間に近づいていく。始まってしまう。
 

暗転して、ペンライトの光がザワザワ揺れるのを見ると、海に放り込まれたような頼りない気持ちになる。5万分の1の小さな光の粒に自分の存在すべてを託し、遠くの彼らに見えるように振る。ペンライトが、光に気持ちを託すためのツールだと、こんなに実感した夜はなかった。
 
 

1曲目。まだ暗いステージから静かなアルペジオが聴こえて、ハッとする間もなく力強いコーラスに呑まれる。彼らの声は、こんなに大きかっただろうか?

見慣れない6人の距離感。センターに立つ錦戸亮が渋谷すばるのパートを歌う。記憶の中のすばるの声が上書きされていく。悲しむより先に、目の前にある声を聴き逃さないように涙を堪えた。
 

3曲目。曲の核といえる渋谷パートが近づくと、客席がにわかに動揺した。
すばるがいなくて、成り立つのか…?
息が詰まる空気を切り裂くように、渾身の声をビリビリと響かせたのは、やはり錦戸亮だった。客席の戸惑いや不安をすべて蹴散らすようなドスの効いた歌声。

渋谷すばるのパートを代わりに歌う、というものでは全くなかった。ほかのメンバー5人も、渋谷すばるも、グループ全員を俺が背負う、という気迫と覚悟。それをワンフレーズで伝えてみせたあの瞬間に、「6人の関ジャニ∞」が本当に始まったのだと思う。

怖いくらいの切迫感に歓声を上げることもできず、5万人が息を呑んで圧倒されていた。1週間前までの関ジャニ∞とはもう別物だった。

すごいものを見た…という感触に全身を舐められて、こわばった気持ちを強制的に剥ぎ取られてしまった。見られてよかった、と素直に思えた。
新しい姿を、度肝を抜かれる迫力で見せてくれたことがうれしかった。塗り替えられていく寂しさも確かにあったけれど、やっぱりうれしかった。
 
 

続くバラード曲も弾き語りも、何度も聴いているはずなのに、どれも初めて聴くみたいに新鮮だった。彼らは明るいだけの歌を歌わない。いつも満たされずにもがいて、報われない日でも立ち上がってまた前へ。今の彼らが歌うことで、言葉のひとつひとつがはっきりとした輪郭を持って飛び込んでくる。
どの曲も、彼らにびっくりするほどピタッとはまっていて、全部がテーマソングみたいだった。
 

6人の歌を聴きながら「美しさは、切実さの中に宿る」という言葉を何度も思い出していた。
自分たちの歌を、魂を込めて丁寧に歌う彼らの声は、これまで感じたことがない位大きく、はっきりと、近くで聞こえた。
生き様を乗せた歌。この世に、こんなに信じられる歌声があるだろうか。
ここにある確かさと、ここにしかない、切なさ。その両方を強烈に浴びた。
 

渋谷すばるの魂を受け継ぐように、完全に同じ節回しで歌う安田章大の声は、すばると過ごした日々をぎゅっと大事に抱きしめているようで、人一倍熱かった。
 
 

最後に披露された新曲。
安田章大の抜けのいいハイトーンに引っ張られるように、全員の頼もしい歌声が続く。耳馴染みのいいメロディは一回聴いただけで覚えた。彼らの新しいテーマソングは、青さをブンブン振り回しながらここにいる!と高らかに宣言する歌だった。あたらしい希望の歌。
 

終演後、わたしは誇らしい気持ちでいっぱいだった。
今の関ジャニ∞が歌う、今の関ジャニ∞にしか歌えない歌は、わたしがここにいる意味を照らしてくれた。生まれて、生きて、ここにいることを選択した自分を、まるごと誇れるような夜を、圧倒的な存在感で見せてくれてありがとう。
いつだって、今目の前にいるあなたたちが一番かっこいいと思わせてくれてありがとう。
 
 

関ジャニ∞6人の門出に鳴りやまない大きな拍手を。
大阪公演までの休養を。

怪我をおしてツアーに参加し、「はよ会いたかった」と心の底から絞り出すような声で歌った安田章大のからだが、一日も早く回復しますように。

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