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Shout it Outは鳴り止まない

私がずっと大好きなロックバンド

「大阪・堺からShout it Out」
ライブの前に言うぶっきらぼうな挨拶も大好きだった。
後ろから横から、人の押す力を感じながら私はぼうっと「ああ、この挨拶を聞くのも最後だな」と思った。

Shout it Outというバンドがいる、正確には’いた’という表現が正しいのかもしれない。2018年8月10日にShout it Outは解散した。
だが、何故だろう。まだ私はShout it Outが息を止めていないような気がするのだ。どこかで彼らは今日も歌っているのではないかという気がしてならない。

思い出せばいつも私の傍にはShout it Outの音楽があった。どうしようもなくギター&ボーカル・山内彰馬の書く歌と、ドラム&コーラス・細川千弘が叩くドラムの音が好きだった。何故そこまでShout it Outの音楽に魅力を感じたのか、自分でもよくわからない。
Shout it Outの音楽はよく「青春」だとか「若者」だとか、そんな言葉で語られる。でも私は、音楽に関しては素人で、ライターでもない私は、そんなたった2文字でShout it Outの音楽を語れるとは思えないのだ。
私の青春はShout it Outの音楽の歌詞に出てくるような、輝かしい、甘酸っぱい青春からは程遠いものだった。
「二人で乗った自転車も」なんて、自転車を異性と2人乗りすらやった事ないし、そもそも好きな異性なんていなかった。毎日勉強と部活に明け暮れて、スカートも校則通りの膝下で、ボロボロのスニーカーを履いて登校していた。
きっとShout it Outの音楽の主人公は、帰宅部で、肌も焼けてない真っ白で、短いスカートに整えられた爪、ピカピカのローファー、そして好きな人もちゃんと居るような女の子だ。
だから私はShout it Outに「共感」出来なかった。自分とは程遠いのだから仕方ない。
けれどなぜか、私のそのボロボロの青春にもShout it Outがいた。歌われているような青春を送っていない私にとって、恐らく、Shout it Outが歌う青春は「光」だった。素直に「羨ましい」と思えるものだった。「理想」であり「憧れ」だった。私の「憧れ」を歌うShout it Outを私はとても綺麗だと思った。
上手く説明できているかは分からないが、私がShout it Outに惹かれる理由は多分こういうことなんだろう。

Shout it Outはどこまでも綺麗だった。
例えライブで、山内彰馬がギターを投げてフロアに飛び込んでも、細川千弘が汗だらけで叫んでも、私からみるShout it Outは綺麗だった。泥臭くても、客が全くいなくても、私の心臓に直接響くような、そんな音楽だった。

私にとっての「光」はいつしか、Shout it Outのつくりだす音楽はもちろん、Shout it Outの2人そのものになっていた。

8月10日のライブが終わり、アンコールが終わった時、私の中の「光」が消えてしまうような感覚になった。私の中のShout it Outが消えてしまいそうで、涙は止まらず、しゃくりあげながら何度も叫んだ。「終わるな」、「出てきて」。
その時、どこからともなく聴こえてきたのは、「鳴り止まない」というShout it Outの楽曲の合唱だった。800人のオーディエンスによる、Shout it Outへ向けた大合唱。
「それでも僕らのロックンロールが 鳴り止むことはない」
その歌詞はまさに今の私へ向けられているようで、私も大きな声で歌った。Shout it Outへ少しでも届けという願いを込めて、何度も、何度も、涙で声が出なくても叫んだ。
私の「光」は消えない。私が忘れてしまわない限り、Shout it Outのロックンロールは鳴り止まないのだから。その合唱を聴いてそう思えた。

長くなってしまったが、これが私がShout it Outというバンドがまだ生きていると思う理由だ。
もう2人でステージに立つことは無いとしても、これからも私の心の中にはShout it Outの楽曲があり、いつでも光をくれる。辛い時も嬉しい時も、私はShout it Outを聴くんだろう。
2人が奏でたロックンロールは鳴り止まない。
今までありがとう、そして、これからもよろしく、Shout it Out。

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