1326 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

音楽は時空を超える

星野源「アイデア」レビュー

人類はその長い歴史の中で未だタイムスリップの術を覚えていない。しかし音楽は簡単に時空を越えることができた。星野源のアイデアはまさにタイムマシンのような作品だ。「一曲で3曲聴くことができる。」、これがこの作品の謳い文句だ。
一体どういうことなのか、この作品を詳しく説明すると全く違うジャンルの3つの音楽が1曲に落とし込まれている。1番は今星野源が奏でているイエローミュージック(筆者はドラムのスネアの音をフォーカスし、8ビートのビート感を前面に押し出したブラックミュージックに長岡亮介のカントリー調のギターをミックスさせたものがイエローミュージックではないかと考えている。)、2番は打ち込みメインのエレクトロなダンスミュージック、そして大サビ前のCメロはギター一本だけの弾き語り、以上3つのジャンルの音楽でこの曲は構成されている。曲の構成を客観的に説明するとこのようになるのだが、その裏には星野源の新しい試み、”アイデア”が溢れていると思っている。
ではどのようなアイデアなのか、それはこの曲が星野源の音楽の歴史のそのものなのではないかと思う。筆者はこの曲の構成をこう置き換えた。現代→未来→過去→現代である。現代は言わずもがな現在星野源が奏でているイエローミュージックそのものだ。ここにはもう聴くものとして王道を行ってくれている安心感すら感じている。ところが2番になると一変してダンスミュージックになる。ひとえにこれはこれから星野源が目指す新たな音楽へのアプローチなのではないかと考える。その点で2番はまさに星野源の未来に向いている。そして大サビ前のCメロで彼の原点でもあるギターの弾き語り、つまり過去の星野源に一気にタイムスリップする。そして我々は未来と過去を満喫した後現代へと戻ってくる。つまりこの曲自体がまさに星野源の新たなアイデアであり、今鳴らすべき音楽と、これから取り入れるべき未来の音楽、そしてベースとして忘れてはならない過去の音楽という彼の音楽へのアプローチの仕方の意思が詰まっている。
サカナクションの山口一郎はよく「ミュージシャンは未来の音楽を考えなければならない。」と言っている。星野源もまたミュージャンとして楽曲で未来の音楽を示そうとしている、そんな気概をこの一曲から感じ取ることができた。音楽はたった一曲で我々が未だに不可能な時空を越えることができる、そんなロマンと未来の音楽への期待をこのアイデアという曲からからしっかり受け取ることができた。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい