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あの日からここまで永遠に繋がってる

BUMP OF CHICKEN PATHFINDER映像作品に触れて

BUMP OF CHICKEN 22歳の誕生日。
そして半年に渡るツアーのファイナルを飾る日。
加えて藤原基央がインフルエンザに罹患して復帰した直後の日。
ファンにとってメモリアルな2018.2.11という日が余すことなく収録された映像作品集が8月8日に発売された。
発売から一週間、DVD&BDともに初登場1位を記録したこの作品は活動23年目のBUMP OF CHICKENの進化とリスナーとの絆が濃密に収録されている。

この日のライブに参加していた私にとっては待ちに待った映像作品の発売だった。
発売前日に所謂”フラゲ”で手に入れた私はすぐさまライブで購入したタオルを握り締めながら視聴し、2時間ほどして見終わった後には案の定、言いようのない感動で胸がいっぱいになってしまった。
参加していたからこその思い出補正があるかもしれないが、参加した方は勿論、全てのBUMPファン、音楽ファンに見てほしい。
心からそう思った。
 

近未来的で幻想的な雰囲気のオープニングテーマ「pathfinder」から、一気にBUMPワールドに引き込まれていく。
今回のツアーの全公演のスターターを担った「pathfinder」は、歌詞のない曲ながらその存在感は圧倒的だ。
黒と白、静と動、闇と光。
そんなキーワードを連想させるこの曲からは、言葉を超えたエネルギーが伝わってくる。
 

続くGOでは華やかなコンフェッティの噴射と共に、藤原基央の張りのある唄声と三人のアグレッシブな音が一気にBUMP OF CHICKEN のライブの世界へと手を引いて走りださせてくれる。
続いて彼らの代表作「天体観測」、キラーチューン「ray」へと繋がる序盤からの走り抜けるような勢い、銀テープや紙吹雪やレーザーやPIXMOBを使った演出の華やかさは圧巻だ。
そしてそれに呼応する観客の興奮も含めてあの日の熱量がそのままパッケージングされていて、早々に目頭が熱くなる。

さらに、rayでは「生きるのは最高だ」(ray)
というフレーズを観客に歌わせてくれたり、「虹を待つ人」や「fire sign」では観客とのコーラスがあったりと楽しませ方も多彩だ。
今回のツアーはただ演奏するだけではなくこういった参加型の仕掛けが多々仕組まれており、音楽と人との触れ合いを至る所で感じさせる。

しかしながら、あくまでも音楽から伝わるメッセージは22年前からずっとそのままで、変わることがない。
硬質で、純粋で、痛みや悲しみや弱さにそっと寄り添い続けているいつものBUMP OF CHICKENだ、とちゃんと感じられるのである。
千葉県出身の幼馴染の四人の男性が生み出す──言ってしまえばごく素朴で自然体で気取らない雰囲気もしっかりとステージの上に溢れているのだ。
彼らの音楽を身近なものに感じるのは、彼らの変わらぬ関係性とか性格とかそういったものも大きく影響しているのだろうなあと、演奏する姿やMCの言葉を見聞きして思う。
 

そして、今回のツアーの目玉のひとつとして「出島(通称でっぱり)」の存在がある。
この演出も、昔のBUMPからは決して考えられなかったある種の色気のあるものだが、作った理由は単純で藤原基央曰く「リスナーのそばに行きたいから」だけなのである。
この辺りも彼らの変わらぬ親しみやすさを物語っている。
 

記念撮影、fire sign、リボン、ガラスのブルース、流星群など重厚感のある曲も多々展開されていく。
終わりが近づくにつれ、どこかしんみりとせつなくなる。

「君は知っていた 僕も気付いていた 終わる魔法の中にいた事」
「君は笑っていた 僕だってそうだった 終わる魔法の外に向けて」
(記念撮影)

記念撮影で歌われていたこのフレーズは、まるでライブの中にいる事と終わることを予言するかのように胸に響く。
終わってほしくない、と思ってしまう。
この映像作品集はそのくらい、圧倒的にリアル感があるのだ。
ライブ中の熱気、観客の興奮、藤原基央の音楽を届けたいという気持ち、その音楽を支えたいという三人の演奏、その四人組の放つエネルギーと(自分を含む)受け取り手とが育む一対一の物語。
そんなものが画面から溢れて光とともに届けられるのだ。
だからそのリアル感を受け取れればライブさながらの感動に包まれるし、終わってほしくないという気持ちにさせてくれる。

そして見終わった後の感動、生きてて良かったと思わせてくれるほどの多幸感もライブのそれと共通している。
参加した人はその日に帰ったような、参加しなかった人はあの日のライブに参加できたような気持ちになれることだろう。
見る、というよりは「体感する」という言葉が相応しい。
 

最後に。
今ツアー全公演で演奏された「記念撮影」にこんな一節がある。

「想像じゃない未来に立って
僕だけの昨日が積み重なっても
その昨日の下の 変わらない景色の中から
ここまで繋がっている」
(記念撮影)

2月11日から半年分の昨日が積み重なっても、たとえこれから先何年分の昨日が積み重なっても、2018.02.11の景色は永遠に変わらず私の、この作品を見たみんなの人生に結ばれ続ける。
全員が輝いていたあの日、あまりにも幸せで楽しかったあの日、
「生きるのは最高だ」
(ray)
と大声を出した日。帰りの電車で「今日が終わってほしくない」と泣いたあの日。

そこからここまで、終わる事なく永遠に繋がっているのだ。

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