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ライブ恐怖症だった僕が、フラワーカンパニーズに救われた話

フラカンの日本武道館

 ライブってなんか怖い。
 そう思っている人って、じつは結構いると思うんです。わかるわかる。実際僕もそうだった。
 そんな先入観が覆った日。僕の気持ちが180度変わった日。それは2015年12月19日のことでした。そうです、フラワーカンパニーズ日本武道館公演の日です。

 僕とフラカンとの出会いはさらにその数年前。たまたま深夜ラジオで流れる『深夜高速』を耳にして。曲が始まったとたん、身体に電流が走ってそれはもう大変だったのですが、この名曲については語るよりも聴いてもらった方が明らかに早いかと思われます。皆さん速やかにYouTubeで検索してください。一分もかからずに鷲掴みにされることでしょう。
 というわけで、以来すっかりフラカンの楽曲の虜になった僕ですが、けして熱心なファンとはいえませんでした。
 なぜなら、主に聴くのはベスト盤だったし、メンバーのフルネームや年齢、性格もあんまり知らなかったから。そしてなにより、ライブに行ったことがなかったから。

 冒頭の話に戻りますが、僕、ライブって怖いものだと思っていたんです。それまで好んで聴いていたのが、銀杏BOYZとかそもそもライブ激しめのバンドが多かったせいもあるんですが。
 僕、とんでもない運動音痴で。リズム感もなくて。
 曲聴きながらぴょんぴょん跳ねたり、いえーい、ノリノリだぜーっていうやつ、明らかにできないんです。だいたい根暗だし。なにがいえーいだよって思っちゃうわけです。
 で、こんな僕がライブ会場で仏頂面して棒立ちしていたら、周りの観客に嫌がられるでしょ。運が悪ければヤンキーにボコボコにされるでしょ。
 以上のような偏見があって、ライブってほとんど行ったことがなかったんです。
 そんな僕ですが、ある日たまたまフラカンが武道館でライブをやると知って。ふと思ったんです。
 それだけでかい会場で、しかも指定席制なら。僕がひとりくらい地蔵していたって、誰も気にとめないのではないか。
 これなら僕、行けるんじゃないか。
 ナマで『深夜高速』聴いたら、泣いちゃうかもしれないな。
 楽しい想像はどんどん膨らみます。そしてとうとう耐えきれなくなって、我に返ったときにはチケットを購入していました。
 嘘です。
 それでもやっぱり怖いから、某チケットサイトで、目立たないはしっこの席が取れるまで、ねばってねばって、それでようやく、チケット買ったのでした。

 さて当日。
 超緊張してライブに臨んだ僕ですが、結果、はちゃめちゃに楽しかったんです。
 演奏が始まって、ああ、いつもCDで聴いていたあの曲だ! って興奮するんですが、すぐに思い直します。いつも聴いている音源とはぜんぜん違う。迫力が段違いで違う。音が全身にぶつかってくる。すごい、最高だ。
 知らない曲もたくさんあったものの、曲のクオリティふつうに高いし、暴れまわって歌うボーカル鈴木圭介さんを見ているだけでも楽しくて、脳内麻薬がどばどば出ちゃって。
 MCも声が出るほど笑えて。今ではいろんなバンドを観に行くようになった僕が断言します。フラカンのおしゃべり、ダントツでおもしろい。
 懸念していた通りぴょんぴょん跳ねたりはできなかったのですが、せめて、拍手だけはしまくりました。こんなにすばらしいものを見せてくれてありがとう。少しでもその気持ちを表現したくて。
 そしてライブが終わって。
 あまりにも、あまりにも最高すぎて、その後半年間、ライブのことを思い出さない日はないくらいでした。
 まるで恋のよう。
 それからついに禁断症状を起こした僕は、もう一度あの高揚を感じたくて、ライブハウスにもフラカンを観に通うようになりました。味をしめて、いつしか他のバンドのライブにもガンガン参戦する人になりました。
 僕のライブ恐怖症は、気が付いたら、すっかり完治していたのでした。

 ここからは僕が一番伝えたいことなんですが。
 ライブに行くことをためらっている昔の僕みたいな音楽ファンの皆さま。
 思い切ってみてください。一度でいいから、好きなアーティストのライブに、足を運んでみてください。
 生の演奏はCDとは別モノです。アーティストの人柄に触れることで、愛着がものすごい勢いで深まります。代表曲じゃない、いわゆるアルバム曲とかも、これまでちゃんと聴いてこなかったけど、いい曲じゃんって気がついたりします。
 そして、ライブは怖くありません。
 僕もいまだに会場で、ひとりだけ変な動きしていないかな、とか自意識過剰になったりします。そういう性格は簡単には治らないです。だけど会場には様々な人がいます。暴れまわる人もいれば、後ろの方で静かに楽しむ人もいます。
 どんな人でも受け入れられる土壌があります。
 だから大丈夫です。
 騙されたと思ってぜひ一度、ライブを観てください。たとえ不安が拭えなくても、おつりがくるくらいの満足感を持ち帰ることができると、保証します。

 僕は武道館公演の当時、それが、フラカンやファンにとってどれほど特別なライブだったのかを知りませんでした(後追いの僕がいうのもなんですが、長い歴史を重ね、苦労もありながら、満を持しての大規模ライブだったのです!)。
 もともと武道館公演、やるかどうかもけっこう迷われていたみたいです。
 やってくれてありがとう。メンバー、それにスタッフの皆さまに、そう伝えたい気持ちで僕はいっぱいです(ものすごく今更なんですけども)。
 武道館という大きな会場でやってくれたからこそ、ライブ恐怖症だった僕でも踏み出せた。その後、フラカンをより好きになって、ライブハウスに通うようになって、新しいバンドとの出会いもあった。数えきれないほどの最高なライブに参加できた。大げさではなく、あの日、僕の人生は変わったんです。

 武道館のラストで、リーダーのグレートマエカワさんがこんなことをいっていました。
「俺たちはふだんはライブハウスでやっていて、そこではいろんなおもしろいことが起こっている。ぜひ行ってください」
 その通りでした。
 ある日、地元の小さなライブハウスにフラカンがやってきて。物販に立つリーダーに、僕は思わず話しかけたんです。
「あの日、マエカワさんがああいってくれたから来たんです。ライブ最高でした」
「それは嬉しいな」
 そう笑ってくれて。忘れられない思い出だな。

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