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奇跡のヒストリーライブ

[ALEXANDROS] presents, VIP PARTY 2018

毎年ファン感謝祭的ニュアンスで行われるワンマンライブ「(Premium)VIP PARTY」
※今年からタイトルの”Premium”は無くなった。
7年目8回目の今年は青空の下、遂に自身初のスタジアムライブという形で実現した。

何かの作品を引っ提げる訳でも無く突然に行われるワンマンライブは毎年セットリストに強い期待が向けられる。
今年も事前に、公式のInstagramで『最強のセトリです』と公言してしまう程だ。登場するその瞬間から何も予測がつかない。恒例という概念は取り払われる。

開演時刻18:00を5.6分程過ぎ観衆の緊張も高まる中、開演を知らせるアナウンスが響き、BGMが止まってスタジアムは大きな歓声に包まれた。
既にお馴染みとなったストリングス隊、通称「村田一族」がメンバーよりも先にスタンバイし、バンドサウンドとは違う細く美しい音を夏の夕空に刺してゆく。

神聖な空気の中、最初に登場したのは相変わらず奇抜な格好を身に纏った Dr.庄村聡泰。笑顔を見せることもなく、研ぎ澄まされた表情でストリングス隊にパンチを入れてゆく。ローテンポな大きい振動がスタジアムを包む。

続いて登場したのはBa/Cho.磯部寛之。3万5千人のオーディエンスを眩しそうに眺め優しい笑みを浮かべる何とも満足そうな表情にファンからは早くも黄色い声が。

ベースの低音が加わったところで颯爽と現れたのはGt.白井眞輝。無表情でギターを担いだかと思えば[ALEXANDROS]の代表曲 ワタリドリ のリフを原曲の3倍くらいスローテンポでゆったりと壮大に奏で、笑をこぼした。

まさか、SEが ワタリドリ とは!どんな珍しい曲が最初に来るのか、という期待の裏をかいた選曲。ある意味で1番の予想外だったかもしれない。
楽器が揃いストリングス隊もクライマックスを迎えるように音の圧力を増し今までにない”SEのワタリドリ”を最高な形で迎えた。

ファンは今か今かと残りの1人を待ち望む。
すると、アリーナ前方にいた私よりも後ろから驚きの声が飛んできた。
だが、ステージを見ても誰もいない。
まさか?と思い後ろを振り返るとサブステージにフロントマンの姿が。
不意打ちな登場に開いた口が塞がらなかった。

「行くぞ!ZOZOマリンーーーッ!」

遠くまで飛んでいくVo.川上洋平の声に庄村の4カウントが重なり、爽やかに ワタリドリ のリフが響き渡った。イントロ1音目から3万5千人が歓声をあげ、手を挙げる。この曲の桁外れな爆発力はきっと永遠に続くだろう。

アウトロでは川上とファンの素晴らしき掛け合いが披露され一発目からスタジアムに一体感が生まれた。この熱量を次の曲にどう繋げるのかワクワクしていると、突然スモークが焚かれ、ステージは何も見えなくなる。

スクリーンには2012年から今までのPremium V.I.P. Partyのダイジェストがビンテージ加工され、次々に映し出されていった。
渋谷CLUB QUATTROを皮切りに武道館も経て、城ホールにガイシホール、と着々と規模を広げていき、2018年。
[ALEXANDROS]の成長を一瞬にして感じ取れる映像から少しの懐かしさを思い出していると、スモークが晴れた先のメンバーが掻き鳴らした曲は、For Freedom。

…ずるい。

スクリーンには For Freedom が収録されている1st アルバム Where’s My Potato? のジャケ写に加え、羊が群れを成して駆け抜けていく映像が映し出された。
ただ単に For Freedom を演奏するのではなく、
小さいライブハウスで若かりしメンバーが歌っている映像から、大きなホールを駆け回る姿まで、その躍進的な成長を目の当たりにした後の演奏。原点回帰とも言える For Freedom。そんなの、感慨深いに決まっている。ずるい。というか上手い。

曲が終わると直ぐに、庄村のドラムソロが畝る。古参ファンには次の曲が何か分かると同時に大きな驚きがあっただろう。まだ曲が始まってないのにも関わらずあからさまにどよめいていた。私もそのうちの1人だ。え、もうその曲くるの?
案の定”その曲”だった。今も尚代表曲として大事な場面を任される city。美しいアルペジオが爽快な空に飛んでゆく。驚きを溜めていたファンが思う存分に跳ね上がりクラップを重ねる。

For Freedom に引き続き、city、と[Champagne]時代の曲が連続できていると思ったら、その次の曲も同じアルバム、I Wanna Go To Hawaii. から Cat 2。イントロの特徴的な3つずつの音が鳴った瞬間に喜びの余り大きな悲鳴をあげてしまった。普段は寡黙気味な白井がこの曲の間奏でいつも叫ぶのだが、今回はファンにメロイックサインを掲げさせ、観衆を思う存分に煽った。原曲とは違うライブアレンジがロックさを際立て序盤にしてファンのボルテージは相当高まっていた。

続いた曲は、Waitress, Waitress!
3rdアルバム、Schwarzenegger から。
…ここまできて漸く気付いた。
歴史的なライブを目の当たりにしていることを。
セットリストが今までのリリース順を追っている。
所謂バンドのヒストリーライブといったところだろうか。
代表曲 ワタリドリ でオープニングを知らせ、今までのVIP PARTYを振り替えり、1stアルバムから順に[Champagne]時代の曲を畳み掛ける。

だだっ広いZOZOマリンスタジアムを1周見渡せば端から端までビッシリ観客が詰まっていた。初めて[ALEXANDROS]のライブに来る人も沢山いるだろう。最近好きになったファンや、友達に誘われたから来た、等と[ALEXANDROS]の事をよく知らない人もいるかもしれない。
逆に、ずっと昔から好きだとか、[Champagne]時代は好きだったんだけどな、等様々なファンの在り方ライブの見方感じ方があるだろう。どんなファンでも楽しめるセットリスト、今までの軌跡と奇跡をなぞるヒストリーライブ。

For Freedom から Waitress, Waitress! まで熱量を上げ続け完全に沸騰しているスタジアムにアコギのメロウなサウンドが、ポツリポツリとつまみ出された。
Schwarzenegger から、spy。夕日が落ちかけ、オレンジ色と夜の色が混じり合う黄昏時。そこに切なくも遠くまで伸びる川上の声と、優しい磯部のハーモニー、庄村の心地よいビートに、存在感のあるメロディーを連ねていく白井のギター。何ともエモーショナルな空間にこんな歌詞が響き渡る。
 

『少し目を閉じて
想像して
もう一つの人生を
そっとイメージしてみよう』
 

言われた通りに目を閉じると
幕張の海風が頬にあたり、耳からは大好きなサウンドが聴こえた。
私はこうやって音楽と触れ合っている時間が1番幸せだ。
だから、目を閉じて
もっともっと身近に音楽が溢れている人生を想像した。
今の学生生活は音楽から掛け離れているから。
 

『私は
知りたい
昔迷って 迷って
此所に居るけど
果たして本当に此所は
私が望んだ舞台か?
この問いこそ愚問かな?』
 

川上の内から出る切なくも強い歌声が耳に届き涙が溢れた。
目を開けると、ぼやけた世界。
きっと私以外にも、沢山の人が感じた事があるだろう。
今いる場所は、私が望んだ舞台なのか?と。
もっと別の人生を歩めたのではないか?と。
歌は後半戦に差し掛かる。
 

『また何度も妬むだろう
もう一つのlife送れたはずだって
だがいつかこうも歌うだろう
ジャズコにプラグぶっ差して

「我が人生に悔いはない」

ってさ』
 

当時、川上自身のブログで spy についてこう言及していた
『この歌の歌詞にある様に「我が人生に悔いはない」という台詞を死ぬ間際に言う事が目標だ。』
この歌を書いた時、きっと目標の舞台とは掛け離れた生活をしていたのだろう。今の私と同じように。
けれど、発売から6年経ったこの日ZOZOマリンの大きなステージで、昔を振り返り未来を見据え、胸を張り誇らしい笑顔で”我が人生に悔いはない”と歌う川上を見ていたら、
当時の願い通り、悔いのない素晴らしき人生になっている様に感じた。勿論川上自身にそんな事を言ったら”まだまだ。こんなの始まったばかりだ”と言うと思うが。
少なくとも、この歌を書いた頃に比べたら、死ぬ間際の目標達成に近づいているのは確かだと思う。
私も負けてられないと思った。何度も自分の人生を妬み、もう一つのLife送れたはずだ、って思う。けれど私も目の前の彼らの様に、最高の表情で”我が人生に悔いはない”って言えるようになりたい。そう思った。
[ALEXANDROS]は頑張れ、とか負けるな、とか
真っ直ぐ背中を押すような言葉は使わない。
ファンの背中を直接押してくれるような甘い優しさもない。
こうやって、いつも目の前で世界一まで駆け抜けていく姿を見せてくれて、私も頑張らないと!頑張りたい!と、闘志を燃やしてくれる。
どんな言葉より彼等の音楽そのもの、存在そのものが私の人生の原動力になっているのだ。

spy が終わり、大きな拍手が会場を包む。spy の余韻に上手く乗っかった次の曲は、Forever Young。アウトロでは『light up all the star yeah〜』と Starrrrrrr のフレーズを歌い、そのまま Starrrrrrr へ。完全に日が落ち、照明が煌めくスタジアムにアンセムが響く。天も操るようなタイミングに心が震えた。
Forever Young で、”どんなに苦しい事があっても、それは先を目指すものに現れるもの、僕らは何があっても終わりの先を掴みに、世界一の海の向こうまで目指すんだ”と野望を語り、Starrrrrrr で上手くいかない自分自身と輝く周りを比べ、悔しい想いをした経験から、”それでも私は私だから”と己の道を歌い抜く。
苦しい事が起きても突き進むと歌っていた頃から、実際に壁にあたり、葛藤を抱え、それでも変わらず突き進むまで。成長が手に取るように感じ、ストーリー性が生まれる2曲のライン。spy も含め、彼等のアンビジョンがキラキラ輝いて放たれたこの3曲中、私はずっと涙が止まらなかった。彼等が美しくて、そして自分自身の人生をもっと頑張りたくて、涙が溢れた。

ステージが暗くなり、スクリーンには何度も観た映像と、聞きなれたセリフが。

『バンド名が変わります。』

2014年のPremium V.I.P. Partyの映像。

『ありがとうございました![Champagne]でした!』
 

そして…
 

『初めまして!!![ALEXANDROS]です!!!』
 

武道館ライブの映像の中にいる川上が、”[ALEXANDROS]の新曲やっていいですか!”と Droshky! をコールすると庄村が映る。すると、なんと同じ角度から今目の前にいる庄村に映像が映り変わり、耳に生のカウントが刺さった。心にグッときた演出だった。
蘇らない訳がない。新しい世界が始まる瞬間が。
一見宴のような雰囲気に包まれるが叫んでいることはとても皮肉めいた言葉。面白い。いつまでも大好きなファンファーレ。
「初めまして!![ALEXANDROS]です!!!」
MCまでコピーしてみせた川上。最高の演出に笑みが零れるが、胸の奥はジーンと熱くなった。

Boo! と ワタリドリ のリフが交互に繰り返され、このまま Boo! を演奏するかと思いきやハンドルを180度切るように、突然の Run Away。
きっと誰もが不意をつかれたであろうナンバーに大きな歓声があがる。Key.ROSEの美しいアウトロに清らかな雰囲気が漂う中、突き刺さるサイレン音に照明が真っ赤に一変。
この曲はいつも突然にやってきて私達の意表を突く。Girl A。3分未満という短い間にロックを詰め込んだ様な俊敏な曲を一気に駆け抜けると、またもや曲風が一変、神秘的な旋律に包まれた ムーンソング。ここで、スタジアムにはポツリ、ポツリと雨が降り始めた。だが、この雨こそが ムーンソング の良さを助長した。雨空に綺麗に響き渡った高音の歌声。完全に素晴らしい演出になり、二度とない光景であった。

ムーンソング が終わると画面には”Request”の文字が。
中央のサブステージに移動し、やっと、ここで初めてのMC。立て続けに12曲をやっている事など忘れてしまう程意識を全て操作され夢中になっていた事にやっと気付く。
雨の場合は出来なかったサブステージの演奏だったらしいが、小雨だった事もあり演奏許可が出たという。雨が強くなる前にと足早に5万通ものリクエストから選ばれた上位10曲をメドレー式で披露してくれた。

スターターは Oblivion。低く綺麗なメロディが鳴り、サビまで歌い終えると次のバトンを受け取ったのは、This is Teenage。世界に希望の歌を知らしめ、巧みなアレンジで Wanna Get Out が続く。私自身もリクエストした聴きたくて堪らなかった曲。サビのみではあったが、大好きな歌に全身の細胞が蠢いた。どこか物寂しさを持っている Famous Day のイントロが鳴り、AメロBメロを飛ばしそのままサビになだれ込む。庄村の手数の多いドラムが刻まれ、爆発的なサビにオーディエンスも狂い、この熱を持ってそのまんまボルテージを上げたのは Kill Me If You Can。そして、今は無き同じCDから Waterdrop。相当レアなナンバーに私自身も本当に驚いた。何度も聴きたいと願っては聴けなかった Waterdrop。しっとりと歌い上げ、ここまで止まらずに繋いできたバトンを一旦止める。豪華すぎるメドレーに湧き上がるファン。そして、仕切り直して奏で始めたのは Thunder。メンバー自身も以前に人気曲だと言っていたこの曲は、オートチューンがかかり一見面白い曲となっているが、どこか切ない歌詞がギャップを生み人気なナンバーとなっている。

『雨が降って 飛び込んでった あの世界に
会いたいって 思って 辿ったけど 誰もいないのです

明け方になって 我に返って 戻った

ほんの少しの間
君の世界にいたかったのです』

続くは Travel。どこか哀愁漂う、孤独を感じるような旋律。紆余曲折を経て、遂にスタジアムライブまで来たけれど、彼等にとってはあくまでも通過点に過ぎない。”俺達は止まらずに旅を続けるから、ついて来たい奴はついてこい。”そう思わせるような演奏だった。Aメロからサビまで演奏し、メドレーは終わった。
怒涛の豪華すぎるメドレーだった。プロならば当たり前かもしれないが、テンポもコードも違う様々な曲を滑らかに繋げてアレンジし、難なくこなしてしまうプレイ自体、抜群のグルーヴに拍手喝采であった。

3位が先程演奏した Starrrrrrr だった為演奏しない事を伝えると、残念がるファン。その反応を見て、「仕方ないな〜」とサビの1フレーズを即興でやってくれたのだが、[ALEXANDROS]らしく、歌の途中で演奏を止める。してやったりのメンバーに、今回はファンがやり返す。3万5千人のシンガロング。
「本当は、えー!って感じで笑いが起きるつもりだったのに、これは凄いです。本当に感動しました!」
と嬉しそうな磯部を見て、私も嬉しく思った。間違いなくファン含め、全員で作り上げているライブだった。

「この曲が遂に1位になる時がきました。正直予想外でした。皆さん、失恋ソングが好きなんですね」
ほろ苦く、且つ甘いバラード。Leaving Grapefruits。ここでこの日1番の強さで雨が降る。肉眼でも見える程の雨がキラキラと降りしきる中、色も変わらない動きもないシンプルな照明に照らされた5人が向き合って奏でる Leaving Grapefruits は非常にエモーショナルで、心に染み渡る史上最高のバラードであった。スタジアムでしか出来ない天候もモノにしてしまう唯一無二の素晴らしいステージに、拍手が鳴り止まなかった。

「皆さんもお気付きだと思いますが、ここまでリリース順に演奏してきました!
ここからはこれからの新しい[ALEXANDROS]をお見せします!」

そう伝え11月発売予定のアルバム収録曲から新曲、LAST MINUTE を披露。繊細でお洒落なベースから始まり、言葉を置いていく。手数は多くもなく美しく引かれていくドラムにギターの旋律が美しく乗り、セクシーな曲調に合うようにスクリーンには凝ったリリックムービーが浮かび上がる。本当にジャンルレスで何でもこなしてしまうバンドだ。ここに新たなドロス年表が刻まれてゆくのを感じた。

横揺れの余韻が収まらぬ中、年越しも任された昨年の代表曲とも言える 明日、また。Cメロの『We’re the light』はサブステージに立つ川上に合わせ、大合唱。私達が光り輝く事を願って。

そのままサブステージに立っている川上が、英語をペラペラと叫び、ステージ下手を指差し磯部に注目を集めると、なんと磯部がボンゴを華麗に叩き始めた。相当速いリズムを的確に叩き切り直ぐベースに手を移して弾くという玄人技を披露。音作りに遊び心を詰めた一方で、大きなパワーを持っている I Don’t Believe In You。そして最後は最新曲。この様に作品を追っていくと、ライブとはいえ、”遂にここまできたのか…”という謎のフィナーレ感が生まれた。楽曲と共に自分の人生も思い出し、長い月日が過ぎたことを感じる。私の人生にいつも[ALEXANDROS]の音楽は寄り添っていた。

Mosquito Bite の最強なリフと長めにアレンジされたグルーヴ感満載の堂々のアウトロを圧倒的に鳴らしきり、本編を終えた。
 
 

何も言わずとも自然にファンの手で光らせたスマートフォンの光が揺れ、煌びやかに迎えられたアンコール。
ステージから見る景色は極上のものであっただろう。なぜなら、アンコールで出てきたメンバーが少年のように喜び、驚いてくれたから。
あまりの綺麗さに照明を落とし、ファンのライトのみで演奏することになった、ハナウタ。
スクリーンに映るメンバーの表情は感動が手に取るように伝わってとても嬉しく、目にはキラキラと私達の光りが映り、潤んでいるようにも見えた。不思議な程にマッチしている『ひかりのなかに恋をしてる』という歌詞。ストリングスとアコギが綺麗に溶け合い、どこか切ない声が夏の夜空に吸い込まれていく。詩人の 最果タヒ によって綴られた神秘的で濃い世界観の言葉達が、無数の光と共に揺れ、美しすぎる空間を生み出した。
幸せ過ぎて涙が落ちた。

『晴れ渡る8月の亜麻色に染まったZOZOマリンは』と替え歌をしてくれた Adventure。『いつだって僕達は 君を連れて行く』という言葉の通り、最後の最後まで私達に最高を見せてくれて、新しい道を開拓してくれた。
後は自分の足で踏み歩いていく。

ハナウタ、Adventure と地に染みるように、大切に鳴らされた曲達。Adventure をシンガロングし、最高に美しいフィナーレを迎える、ライブが終わってしまう…。
その瞬間だった。

シンガロングを切り裂くように庄村のシンバルが4つ跡を残し、フライングVを抱えた白井がサブステージまで颯爽と現れる。至高のロックチューン、Kick&Spin が最後に待ち構えていた。完全に殺られた。
いつもはハイハットを細かく鳴らす庄村もバスドラをずんずんと鳴らし、鼓動を速める。


路上ライブも沢山した。
お客さんが0人でも、誰かに届けと音を鳴らし続け。
デビューの道には一見程遠いサラリーマン生活を選び
4人暮らしもした。
きっと、沢山馬鹿にされて笑われた事だろう。

私の居た場所からサブステージに立つ彼等の向こうには、米粒の様なファンが踊り狂っているのが見える。
この光景をあの頃の彼等が見たら、一体どう思うだろう。
 

『笑われたなら
笑い返せば良い
この先何年かかっても果たせば良い

悔しさ味わい
苦味も味わい
粋も甘いも全部飲んで
生きていけーーーーーーーー!!!』
 

全員の人生を、掴み上げるように、力強く天に向かって叫んだ川上洋平。
踊り狂うオーディエンスの中で、顔を覆い大粒の涙を流した。
悔しさも苦しさも、粋も甘いも全部全部のんできて、笑い返してやったんだ。そして全て果たしてきた。彼等は本当に果たして、這い上がってきたんだ、ここまで。
これからもきっと、そうやって生きていく。世界一まで彼等は止まらない。

在り来りな言葉かもしれないけれど、[Champagne]、そして[ALEXANDROS]に出逢えた事を、心の底から幸せに思った。

人生を歩む上で1番シンプルな志
生きよう。
ただただそう思った。
その時に Kick&Spin は終わった。
 
 
 

[ALEXANDROS]とはどんなバンド?

そう聞かれたらこの日のライブを見せたい。
勿論披露されていない中にも違うジャンルの曲や名曲、面白い曲がゴロゴロ転がっているから尽きないのだけれど。
過去も今も未来も全て見せて貰ったこの歴史に残るメモリアルな夜は、一生忘れたくない。
 

あの最高な世界の創造主は紛れもなく世界一のバンドマンだった。

感動をありがとう。
 

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