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死んでくれるなよマイヒーロー

Shout it Outと曇り空の日々

大好きなバンドが解散した。

私がShout it Outに出会ったのは、高校2年の17歳のときだ。彼らの音楽は、勉強も部活も思うようにいかず、高校を辞めたいと思っていた私の真っ暗な日々を、確かに照らしてくれた。

彼らの鳴らす音楽は私の心にあまりにもぴったりで、これほどまでに自分の気持ちを表現してくれる音楽があるのかと、感動を覚えると同時に、彼らのかっこよさに悔しさすら感じた。
どうしようもなく辛くて、Shout it Outの音楽を聞きながら枕を濡らす夜は数え切れないほどあった。どこにもいけない私の気持ちを、彼らの音楽は救ってくれたのだ。

青空のような輝かしい青春ではなかったが、曇り空のような私の10代の日々には、いつも彼らの音楽があった。
Shout it Outの音楽をイヤホンで聞きながら、憂鬱な気持ちを抱えて通学した高校時代。センター試験の当日、試験開始の直前まで彼らの音楽を聞いていた。Shout it Outのコーナー展開がしたくて始めたCDショップのアルバイト。

気に入らないことは沢山あったが、それを乗り越えて、ライブハウスで思いきり拳をあげる瞬間は最高だった。曇り空のような日々でも、確かに美しかったのだ。

そんな私も、彼らが解散を発表した6月に、ちょうど20歳になった。
山内彰馬がずっと恐れていた20歳になること、大人になること。私もずっと、大人になることが怖かった。大人になりたくなかった。
17歳で彼らに出会い、20歳になったらお別れだなんて、なんだかタイミングまでばっちりで笑えてしまう。まるでShout it Outの音楽に頼らずとも生きて行けるように、大人になれと言われているように感じた。

もう2回目なんてないくせに1stワンマンツアーという名前にするところも、ライブ中に「解散」だとか「最後」なんて言葉を1度も使わないところも、Shout it Outらしくて悔しかった。最後の最後に1番美しいライブを見せられて解散なんて、そんなにずるいことがあるか。
やっぱり私は最後まで、Shout it Outには敵わなかった。やられっぱなしだ。

なかなか思うように大人にはなれないが、別に大人になんてなれなくてもいいし、僕らの春はいつまでも青いままでいい。悔しいけれどこれからもきっと、眠れない夜にはShout it Outの音楽に頼ってしまうだろう。

Shout it Outというバンドに出会ったあの日から、私の人生は彼らに狂わされた。しかしそのお陰で、死ぬまで忘れられない思い出ができた。私の人生を狂わせたロックバンドを、私は一生忘れない。Shout it Outは解散しても、彼らの鳴らしたロックンロールが鳴り止むことはないのだ。いつまでも、死んでくれるなよマイヒーロー。

「君は1人じゃないよ」なんてことを平気で言ってのける奴がいるけど、僕らはいつだって1人で、ひとりぼっちの僕らの間には本当の意味でのお別れなんて存在しないらしい。山内彰馬がそう言っていた。だからきっと、そういうことなんだろう。
そのときはまた、ライブハウスで。

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