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夜の本気ダンス ―ラジオから曲が生まれるということ―

「Magical Feelin'」を聴いて

 新しい音楽との出会いの場はたくさんある。
 それがフェスの人もいれば、テレビから聴こえてきたという人もいれば、友人に薦められたのがきっかけで、と言う人もいるだろう。わたしにとってのそれは、ラジオだった。
 

 学生の頃は通学の時にラジオを聴く習慣があって、基本的に音楽に関する情報はラジオから得ていた。今でもたまに聴いていて、特に大好きなアーティストがナビゲーターを務める月曜日の番組は欠かさず聴いている。その番組の放送が終わってからも何気なくラジオをつけっぱなしにしていて偶然聴いたのが、夜の本気ダンスがナビゲーターを務めるJ-WAVEの「THE KINGS PLACE」(25:00-26:00)だった。

 その時初めて夜の本気ダンスというバンドの存在を知り、初めて曲を聴いた。ポップで、キャッチーで、思わず踊りだしたくなるような曲ばかりで、夜の本気ダンスというバンド名がぴったりだと思った。すぐに曲を好きになった。

 そしてラジオの小洒落た雰囲気とは打って変わって、関西出身の夜の本気ダンスの方言は強烈なインパクトを残した。そして、私はその虜になってしまった。番組の進行もつっこみもクールにこなす米田貴紀(Vo./Gt.)、面白い発言をしてつっこまれる鈴鹿秋斗(Drs.)、番組の為に新たなキャラクターを確立するマイケル(Ba.)、ワイワイした放送の中でも大人の雰囲気を崩さない西田一紀(Gt.)の4人のしゃべりにはそれぞれの個性が滲み出ていて、私が全く知らない4人を理解するのにあまり時間はかからなかった。そしてすぐにこの時間は私にとって週に1度の楽しみに変わっていった。

 私は積極的にライブに行くタイプではないし、フェスにもほとんど行ったことがない。好きな曲はCDで聴くだけで満足してしまう。ただ、夜の本気ダンスの曲は生で聴いてみたいと思ったし、何といっても生であのトークを聞いてみたくてライブに行くことにした。これまではラジオから聴こえる音を耳でしか感じたことが無かったが、夜の本気ダンスが演奏する姿を初めて見て、MCを初めて聞いて、その音を全身で感じることができた。本気でライブを楽しむことができたのだ。夜の本気ダンスのことがもっともっと好きになった。
 

 ただ、ラジオ番組の放送開始から1年半を目前にして、あと数回の放送をもって番組が終了することがメンバーの口から伝えられた。私はショックを隠せなかった。ラジオを聴いている時はいつも一人だからこそ、メンバーが近くにいるような気分にさせてくれる。隣で喋ってくれているような、独特の感覚だ。だから急に親しい友達を失ったような喪失感に襲われた。悲しくて悲しくて仕方が無かった。それから数週間後、番組は終わってしまった。
 

 でも今の私には「Magical Feelin’」がある。この曲はラジオ番組の企画としてリスナーから歌詞のアイデアを募集し、それを基に作られた曲であり、2018年8月8日にシングルとして発売された曲である。ラジオがきっかけで曲を作るということは、自身のラジオ番組を持ったことがある者のみに与えられた特権だ。番組は終わってしまったが、私の手元には曲として思い出が残った。

 私が夜の本気ダンスを好きになるきっかけをくれたラジオ、そしてそのラジオがきっかけで生まれた「Magical Feelin’」。大切な思い出がカタチになって手元に残るこの喜びを、あなたは分かるだろうか。「Magical Feelin’」の冒頭の歌詞、《Ah 夜更かしの月曜》と聴くと、眠い目をこすりながらラジオを聴いていたこととか、トークを聞いて爆笑したこととか、メールを読まれて嬉しかったことなどが次々と思い出される。心なしか、ラジオから生まれた曲はラジオで流れている時が一番輝いて聴こえる。

 夜の本気ダンスの皆さん、大切な曲を残してくれてありがとう。

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