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星野源さん、お早うございます、初めまして、

新曲「アイデア」から実感した、私にとって変わらないものについて

念願のBluetoothを買った。
前の有線イヤフォンは断線してしまい、曲を流すも、同じ部分を繰り返したり、
早送りされたりする、始末。
このBluetoothではじめて流したのは、もちろん話題の星野源の「アイデア」。
以前のイヤフォンによる、「おはよう 世の中」以降が高速で早送りされるストレスからの解放。
改めて、じっくりとストレスフリーで聴ける喜びを噛み締めつつ、何度も何度も何度も、聞いた。

いうまでもないけれど、控えめに言って最高である.
1番のメロディから生まれる世の中が思っているイメージの星野源と、
2番のがらりとイメージを変え、過去と、影の部分を彷彿とさせる星野源。
ひとつ前の楽曲が「ドラえもん」なら、今回の楽曲は「ほしのげん」でもいいくらいである。(あくまで個人的な意見です)

ここまで世に名が知られたうえで、「おはよう、はじめまして、僕は星野源です。」と。
 

彼はいつも世の中をいい意味で裏切り、期待以上を超えてくる。
 

私が彼の楽曲に初めて触れたのは、高校1年の終わりであった。
思春期、ど真ん中。
自称進学校に通う私は、何のためにするのかわからない勉強。
教室内に広がる人間関係、、毎日の生活にもやもや、、、
そんなときに出会った、ある映画。

「地獄でなぜ悪い WHY DON’T YOU PLAY IN HELL?」(監督 園子温)

レンタル屋さんで、有名な俳優さんたちがぶっとんだことをしているとDVDの裏面を読み、借りてみた。映画の内容にはまだ16の私にとっては驚くことばかりだったが、すごく、すごくすっきりした。とても好きな映画だと思った。そしてその映画を締めくくる曲に感動した。

“病室 夜が心をそろそろ蝕む
唸る隣の部屋が 開始の合図だ”

“嘘でなにが悪いか 目の前を染めて広がる
ただ地獄を進む者が 悲しい記憶に勝つ
作り物だ世界は 目の前を染めて広がる
動けない場所から君を 同じ地獄で待つ
同じ地獄で待つ“ (地獄でなぜ悪い)
 

ここまでいい意味でぶっとんだ映画をうまく締めくくってしまうすごい曲。
アップテンポながら、歌詞には闇っぽさや苦しみが読み取れた。この毒さに惹かれるものがあった。その曲を作ったのは、映画の中でも他の著名な役者さんに引けを取らない存在感を発していた星野源という人物。
その時から、私の中に星野源という人物の存在が大きなものになっていった。
星野源が見てきた地獄。私にははじめ、この曲を聞いた時には知りえなかったこと。
私には想像もできないくらいの恐怖があった。彼を襲った病魔が彼の楽曲に影響していった計り知れない苦しみをのちに知ることとなった。

星野源の過去の楽曲を聴きあさり、やっとリアルタイムの星野源に追いついたのは、
「YELLOW DANCER」のアルバムが発売される頃であった。
「ベストアルバムですか、これは、」と感じるほどに素晴らしいコンテンツに、高校2年になった私は感銘を受けたのをいまでも覚えている。特にこのアルバムを締めくくる、「Friend Ship」はお気に入りだった。覚えやすいメロディと優しい歌声と歌詞に、少し切なくなるような、それと同時にふわっと温かい気持ちにさせてくれるこの曲が大好きだった。私の高校時代の数少ない思い出の1ページともなる楽曲だ。

“君の手を握るたびに
わからないまま
胸の窓開けるたびに
わからないまま
笑い合うさま“(Friend Ship)

このアルバムリリースの数か月後、私は世にいう受験生となった。
よくわからないけれど、進路をすぐにでも決めなければならない。
よくわからないけれど、勉強しなくちゃ。
必死に勉強した。私なりに。
きっとこの進路が私のやりたいことと信じ込ませて。
塾へ、学校へ、受験会場へ行く道中にはいつも、私の耳には「化物」が流れていた。
言わずと知れた、星野源の代表曲。この曲を収録した後、彼は、くも膜下出血で倒れたのだと知った。彼の復活を予言しているような歌詞に驚かせられた。

MVでは、大量の書類にまみれるシーンから一転、マリンバを叩き鳴らす彼と、
ずっと暗闇にいるけれど、生き生きとダンサーたちと踊り、ギターをかき鳴らす彼。
その姿が脳裏から消えない。
今思えば、私の奥底の感情を表現してくれていたのがこの曲の歌詞だったのかもしれない。

“ 誰かこの声を聞いてよ
 今も高鳴る体中で響く
叫び狂う音が明日を連れてきて
奈落の底から化けた僕をせり上げてく”(化物)

結局、私は化けきることはできず、第一、第二志望校には届かず、そのまま地元の大学に進むことになった。その時は結果よりもそこに行きつくまでの通過点が大切だとかなんとか考え、自分の中途半端な努力を正当化していた。

それでもやっぱり、燃え尽き症候群。
まさにその言葉がぴったりだった。
それでも、大学に行かせてもらっている以上、
単位を落とさない程度に勉強して、アルバイトも始めた。
それでも、一人になる時間ができるとやっぱり自分のやるせなさに落ち込むことが多かった。なにか私にとって譲れない、変わらない「なにか」を見つけたかった。
高校時代には見つけきれなかった、「なにか」を。

見つからないもどかしさを発散するには、
ただただ音楽を聴いて自分を奮い立たせる方法しか知らない。
一方彼は、「Family Song」に、「ドラえもん」、彼はどんどんヒット曲を出し続けていた。多忙な中の作曲、CD制作とはいえ、星野源にぬかりはなかった。

そして、この夏、8月20日を迎えた。
「アイデア」が配信、ミュージックビデオが解禁された。

私をふくめ日本中を驚かせた星野源の新曲。

「いい曲だね」の一言では収まらない。

最初にみたミュージックビデオで衝撃をうけた。
冒頭のマリンバに見覚えがあった。SAKEROCKの頃や「化物」を彷彿とさせた。
なんといっても、

「星野源」を世の中に知れ渡らせたアルバムカラー
「YELLOW DANCER」のワインレッドの、

社会現象ともなった「恋」のイエローの、

おげんさんというキュートなキャラを生み出した
家族の温かみを繋ぐ架け橋「Family Song」のピンクの、

星野源という音楽家の力を実感した
「ドラえもん」のブルーのシングルジャケットの色の、

「壁、かべかべ!!!!!(笑)」

源さんが歌う後ろの背景が今までの楽曲を思い起こさせる色になっている。
歌詞にも散りばめられた、過去の楽曲たち。
星野源が凝縮しまくった、SAKEROCKのころまで、さかのぼった色すべてを
混ざりあせた、ブラックと、そして何色にでも染まりうる、ホワイトでこの曲は締めくくられる。
聴くたびに、ミュージックビデオを見るたびに、ツイッターなどSNSでほかの方の見解を知るたびに、何度も何度も何通りにも、感じとれるこの曲。
やっぱり「源さんはすごすぎる」とにやけてしまった。
星野源は今までの自分というものと、
これからのまだ見ぬ自分というものを両立させていた。
これに一番、驚きを隠せなかった。
過去の自分と今の自分、未来の自分すべて別々のものではないということ。
繋がっている。

この事実を、彼は「星野源」という人物を題材にして世に音楽という方法で伝えているように思えてしまった。
星野源はこれからどんな色を世に塗り続けてくるのだろうと期待を膨らませるとともに、星野源の楽曲は、私にとってこれからも大きな存在であり続けるし、何色にでもなって寄り添ってくれる楽曲であり続けてくれると確信した。

この時点で、私にとって変わらない「なにか」は「星野源」だと思った。彼の音楽には、いつも何か与えてくれる、気づかせてくれるものが必ず潜んでいる。
ただのファンの端くれでしかないけど、私の今までの短いその人生で大きな存在になっていたのは紛れもなく「星野源」という人物と彼のつくる「音楽たち」であり、それはこれからも続くものである、と。
 

新しい私の相棒、Bluetoothはなんとなくブラックを選んでみた。

少し前に進めそうな気がしている。

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