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立ち向かうべき明日へ、一歩

Halo at 四畳半がくれた希望

2018年6月22日、家で携帯の画面越しにその曲を聴きながら、多分私は人生で1番心を震わせていた。 Halo at 四畳半が、メジャーデビューを発表した日である。
渋谷クラブクアトロで行われた、cinema staffとの2マンライブの生配信を見ていた私は、MCでvo.の渡井さんから発せられたその事実に、驚きと喜びのあまりひっくり返ってしまった。

私が彼らと出会ったのは、2016年、『innocentpia』がリリースされた頃だ。
Twitterで彼らのグッズの画像を偶然見てとても可愛かったので、どんな音楽をしているのか気になり、YouTubeでMVを見た。多分、初めて見たのは『リバース・デイ』だった。何てきれいな言葉だろう。音も爽やかで美しい。こんな些細なきっかけで、私は私の人生を大きく変えてくれるバンドと出会ってしまった。

そして、メジャーデビュー発表の直後に演奏されたのが、新曲の『悲しみもいつかは』である。その時聴いて感じたのは、歌詞が今までのハロの歌とは少し様子が違うということだ。

“Halo at 四畳半”のバンド名は、
Halo=《銀河の外側を取り巻く球場の領域》
四畳半=《生々しいものや現実の象徴》
この2つの間に位置することを表している。
実際、これまでの彼らの曲は、物語性のある詞の中に現実と通ずるものがあり、生々しすぎず、でも現実離れしていない。それが魅力だと思っていた。
しかし、この曲は、等身大の、現実的な言葉が並んでいてとても新鮮に感じた。
まるで、メジャーデビューへの強い覚悟が込められている様だ。

《悲しみもいつかは 忘れてしまうから たった一瞬の思いを守るように 閉じ込められた君を救い出すのさ この鼓動が止まる日まで 終わりは来ないから》

そして先日、この新曲のMVが解禁されたので改めて聴いてみたら、また驚いた。
ハロには、ファンには”神曲”とも呼ばれる『シャロン』という曲がある。
その『シャロン』とこの曲がどうやら繋がっているらしい。

『シャロン』はライブの最後に演奏することが多く、決まって渡井さんがこう前置きして曲が始まる。
「立ち向かうべき明日へ、シャロンという曲を」
この”立ち向かうべき明日へ”というフレーズが『悲しみもいつかは』に登場している。

《誰もが孤独な詩を詠う詩人だ 日々を綴るように 立ち向かうべき明日へ 幸福の最中で僕らは何を捜している 思い出せるかい》

ハロに出会った頃、私は、やりたい仕事があったため専門学校に通っていた。
そこでは、自分の理想とは違っていたり、人間関係がうまくいかなかったり、好きなことを学んでいるはずなのに、どこか息の詰まる日々を暮らしていた。
苦しくなる時は、ハロの曲を聴く。ライブに行く。地元に来てくれるときは予定を開けて必ず見に行くようにしていた。
私は齋木さんの冴え渡るギターが大好きで、決まって上手側で見る。
でも、白井さんはにこにこしながら、シンプルだけど温かみのあるベースを弾くし、軽やかなドラムを叩きながらメンバーやお客さんを優しく見守り、ときどきかっこよくスティックを回したりなんかしちゃう片山さんにも目が離せない。

しかし、ライブの一番の魅力は、MCだと思う。その日しか聞けないメンバー同士のゆるっとした会話も好きだが、渡井さんの熱いMCはいつもその時にほしい言葉をくれる。バンドマンの長々としたMCはあまり好きではないのだが、何故か渡井さんの言葉はすんなり受け入れることができる。私は密かに”渡井さんのありがたいお言葉”と呼んでいるくらいだ。
私が特に印象に残っている”お言葉”は、『Animaplot』リリースツアーのファイナル公演、TSUTAYA O-EASTで行われたライブでのこんなMCだ。

「心はここにあるだけではだめなんです。心はちゃんと使わないと腐ってしまう。
今日感じた、”楽しかった”、”良かった”、”つまらなかった”、”感動した”全部正解です。」
「俺たちもここまで頑張ってきたけど、あなたも頑張ってきたんだろ?
自分の気持ちに正直になることを忘れないでください。
心が枯れてしまわないように。」

彼らに出会わなければ、私の心は光を失って枯れてしまっていたかもしれない。他にも好きな音楽はたくさんあるが、彼らの音楽は、熱く、温かく、爽やかで、真面目で、優しい。
これほどまでにいろんな感情をくれるものは私にとっては無い。
彼らが明日へ立ち向かうための光をくれたから、専門学校も無事に卒業でき、今本当にしたいことができている。

さらに、シャロンでは、
《降り注ぐ痛みの雨に傘も無く
報われる朝を待ち詫びた意味を
次々落とされるそれらに意味など
求めたところで答えなど無い》
と歌っているが、悲しみもいつかはではこう歌っている。
《空が零した涙が やがて僕らを濡らして
傘も無く立ち尽くした それでも残る希望が》

“シャロン”は悲しみの中に閉じ込められていて、希望を知らなかった。
しかし、そうではなかった。幸福な人ほど幸福を知らない。悲しみがあるからこそ幸福がある。
だからこそ、忘れてはいけないのだ。明日は必ず来るから。立ち向かわなければならないから。
Halo at 四畳半の音楽は、ただ前向きなだけではない。陰があるから光があるように、現実から目をそらさず、立ち向かう勇気と希望をくれる。そしていつだって私たちに寄り添って味方してくれる。

正直、私はインディーズとメジャーの違いをよく分かっていないのだが、メジャーデビューをしてから変わってしまったバンドもいると耳にしたことがある。
でも、あの日『悲しみもいつかは』を聴いたときから確信していた。
Halo at 四畳半はきっとこれからも変わらずに変わり続けてくれるだろう。

2018年10月17日、彼らは飛び立つ。
その行く先をこれからも見届けていきたい。

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