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BUMP OF CHICKENへ心からの感謝を

あなたのお陰で向き合えました。

BUMP OF CHICKENの【ギルド】は、<人間という仕事>という言葉で始まる。
この曲を初めて聴いたときの衝撃は忘れられない。(以下、<>内は全てBUMP OF CHICKENの【ギルド】の歌詞である)

<人間という仕事を与えられて どれくらいだ 相応しいだけの給料 貰った気は少しもしない>
<それが全て 気が狂う程 まともな日常>
<腹を空かせた抜け殻 動かないで 餌を待って 誰か構ってくれないか 喋らないで 思っているだけ>
<とりあえず汗流して 努力をしたつもりでいただけ>

生きる喜びが全てそぎ落とされたような歌詞。生きることに疲れ世間を傍観する主人公。一定のリズムで刻まれ続けるカンッカンッという無機質な金属音。

白状しよう。「こんな歌、ありなんだ…」というのが最初に浮かんだ感想だった。

その頃はBUMP OF CHICKENのことはよく知らなかった。

当時聴いていた音楽は、J-popやアニソンやボカロ。その多くが、明るい明日を歌い、諦めないでとドリーマーの背中を押し、大切な友人との絶対的な絆を描いていた。そこには、苦しくても精一杯生きようとする人の姿があった。生きるエネルギーに溢れていた。そうして出来上がった私の音楽観に、BUMP OF CHICKENは少しも一致しなかった。
特にこの【ギルド】という曲の世界観は、当時の私にとって全く未知のもので、嫌悪感すら覚えた。

しかし、それから徐々に彼らの世界観に慣れていき、良さに気付き、大好きになり、【ギルド】も微かに違和感は残るものの受け入れられるようになった。
 

それから約2年半が経った頃、私は悩んでいた。

人間関係でトラブルがあった。

どう動いても必ずどこかがほつれる状況。何を選んでも後悔が残る気がして、どうすればいいか分からなくて、毎日ただただ辛かった。自分一人の問題ではないから、少しでも早く解決しないといけなくて、でも怖くて何もできなくて。泣きたくても涙が出ないほどストレスが溜まった。代わりに作り笑いが上手くなった。もう何に悩んでいるのかさえ解らなくなった。
そのうち、消えたいと思うようになった。死にたい、ではなく、消えたい。誰の視界にも入りたくない。自分の存在なんか最初から無かったことにできたら。

逃げてはいけないのは解っていた。ただ、そう思うことが苦しかった。向き合おうとすればするほど心臓は苦しくなり、呼吸は速く浅くなった。

この頃の私にとって唯一の居場所。それが音楽だった。少なくとも音楽を聴けば溜まった涙は出ていくし、ぐちゃぐちゃな気持ちを代弁してくれるのも音楽だけだった。

この時に聴いた【ギルド】に、私は再び衝撃を受ける。
 

<悲しいんじゃなくて 疲れただけ 休みをください 誰に言うつもりだろう>

自分の内側から聞こえてくる感覚。ほんとに、どうするんだよ、自分。と、他人事のように思った。

<汚れちゃったのはどっちだ 世界か自分の方か いずれにせよ その瞳は 開けるべきなんだよ>

ちゃんと向き合えよ。そう言われた気がした。

<愛されたくて吠えて 愛されることに怯えて 逃げ込んだ檻 その隙間から引きずり出してやる>

本当に腕を掴まれて引きずり出された気がした。乱暴だけれど、優しくて温かかった。逃げんな。そう聞こえた。

<汚れたって受け止めろ 世界は自分のモンだ>

背中をバシッと叩かれた気分だった。傍観してる場合じゃない。この状況を動かすのは私だ。
 

涙が止まらなかった。ずっと心のどこかで、背中を押して欲しいと思っていたのだろう。心はぐちゃぐちゃのままだけど、頑張ろう。苦しいけど、辛いけど、それでも頑張って向き合おう。<向き合えるかな 沢山の眩しさと>そう思えた。
 

解決にはかなり時間がかかった。
しかし、【ギルド】に助けられていなかったら、うやむやになって後悔していたかもしれない。

今があるのは、間違いなく【ギルド】のお陰だ。

あの時の私にとって、生きることは仕事同然だった。生かされているような感覚だった。
<人間という仕事>というフレーズに見事に当てはまっていたのだ。
そんな私を助けてくれたのは、一度は拒んだBUMP OF CHICKENで、嫌悪感すら抱いた【ギルド】であった。

彼らに、心からの感謝を伝えたい。

ありがとう、BUMP OF CHICKEN
あなたのお陰で向き合えました。

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