1521 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

続く

星野源が教えてくれたこと

 星野源が私たちに体現してくれた「音楽は続いている」は、歌謡曲からJ-POPに至るまで、そして今の音楽に至るまでをライブ「Continues」で物語ってくれた。
 音楽は途切れることなく続いている。彼が実際に細野晴臣に魅了され、木琴を叩き始めたことがよく表している。原始から相互に影響をし合って音楽は現在まで続いてきた。
 今でも忘れない、J-POP君が「音楽は続くんです!」と叫んだこと、そして木琴とともにせり上がってきた星野源が「Firecracker」を演奏したこと。私はあの時、信じられないくらい号泣した。

 私がやっている小規模な音楽活動のなかでも嫌なことはある。主催者の60代くらいの男性に、「今の音楽はだめだ。ビートルズやローリング・ストーンズの真似ばかりじゃないか。そうかと思えば前衛的なことをやって、気を衒って何がしたいのかわからない。」そうおもうだろ?と男性は私の肩をたたくが上手く返事ができなかった。確かにこの年代の人は、若干18の私よりもたくさんのものを見ている。CD全盛期と言われる90年代後半もビートルズが初来日した衝撃も全部知っている。一方、私のテリトリーはほんのわずかなものである。
 なにも言い返せずモヤモヤしたままだった日々をあのライブが解消してくれた。ダメな音楽なんてない。全てに意味があって、そして次へ続いていく。それを音楽で教えてくれたのが星野源だ。彼は、その狭間を生きてきた人だ。それでも自分の音楽を切り開き、今や全てを思い通りにできるくらいの影響力がある人間のうちの一人だ。
 彼が体現してくれたから、今私は私が生まれる前の音楽も、今の音楽も、これからの音楽も愛していけるのだと思う。届かないと思うがここから感謝を伝えたい。

 そして先日、新曲「アイデア」が配信された。なんともズルい楽曲である。初めてフルで聞いた時には思わず「なんでもありかよ!」と叫んでしまった。分析ちっくなことをするが、稚拙な上、もう書き古されていることだと思うが自分の言葉で書きたい。

 まず、全体のビート感、これはアルバム『YELLOW DANCER』いや、もしかしたら『ばかのうた』、いやSAKEROCKの頃からやろうとしていたのかもしれない、最近のダンスミュージックかつモダンなリズム感、これはほとんど『恋』の頃には完成していたのではないかと思う。星野源が各所で言っている通り、「今までの星野源の音楽」が一番でとても描かれている。
 そして二番になると一気に変わる。前作『ドラえもん』のカップリング「The Shower」でやっていたビート感、所謂打ち込み的要素を採用。ここからが「未来の星野源の音楽」である。ストリングスの荘厳さ、ここまで聞いて笑いがこみ上げてきた。音楽を聴いてここまでワクワクしたのはいつぶりだろう。
 間奏に入ると、ギターが暴走。これは流石の長岡亮介、「喋るギター」でこの間奏をいろどっている。
 と、思ったら急なアコースティックギターの音である。まさかの弾き語りである。もう今日までにこの部分について書かれたものは多いはずなので、私からは何も言わないでおこう。
 最後は大団円、ドラの音で締めくくり、これからの星野源に繋がっていく。そしてこれを聴いた誰かにつながっていく。それは別に音楽業界でなくても「誰か」の活力になった。少なくとも私がそうである。

 もうこれ以上はないのではないか。私は星野源が心配である。ほとんど集大成にして最高傑作といっても過言ではない「アイデア」をどうやって超えていくのか。リスナーとしてはこれが楽しみである。
 この楽しみが増幅すればするほど、一番の星野源が輝き、二番の星野源が濃くなっていくのだろう。

「おはよう 真夜中 虚しさとのダンスフロアだ 笑顔の裏側の景色」

そして、「すべて越えて響け」彼はきっとどんなハードルも超えて響かせたい音楽があるのだ。届けたい音楽があるのだ。現実の憂さに寄り添い、生活に寄り添い、すべてを優しいあの声で抱きしめる。その日が来るまできっと新しいものが聞けるのだと思う。さあ、もう次が楽しみだ。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい