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拝啓、少年の僕へ。

PENGUIN RESEARCHから贈られたタイムカプセル

 
《君が出会う 「これから」はね

信じられない程に 楽しくて 悲しくて

素敵な旅になる》

PENGUIN RESEARCHは、挫折や敗北から見上げる大きな光に向かって、地べたから「自分の人生は自分だけのものだ、夢を笑うんじゃねぇ」「敗退者らしく馬鹿みたいに足掻いて叶えてやるよ」と反骨精神を有らん限りのエネルギーで叫ぶような音楽が魅力のロックバンドだ。
でも『少年の僕へ』はちょっと違う。まるで過去からの、そして未来へのタイムカプセルみたいだ。
 

PENGUIN RESEARCH『少年の僕へ』。
この曲を聴いて、生きてきた20年を振り返ってみた。死ぬほど楽しかったことも、死ぬほど悔しかったこともいっぱいあった。

中学最後の夏休み。猛暑の中毎日毎日練習に通って初めて出られた試合は1回戦で負けた。他の子全員が勝ち進んでいく姿を横目に1人で廊下で泣いた。
高校の部活で、2年生の大会ではあと一歩で全国大会に行けたのに3年生では予選落ち。
大学のサークルでは同級生が仲間割れしたのに上手く取りなせなくて仲が良かった友達が大量に退部した。成績が悪くて怒られたのも数え切れないし、高校最後のクラスは半分以上が派手好きなクラスメイトで馬が合わず、修学旅行では仲間はずれにされたりして何一ついい思い出がなかった。

《もし あの時ああしたら そんなことばっかりさ

自分だけ上手くやれなくて

消えてしまいたくなったりもするだろう》

思い返せば人生散々なことだらけな気がする。成績も要領も悪くて、なんでこんな生き方しか出来ないんだと後悔ばかりが募る。
でも何故だろう。この歌を聴いて、それだけじゃなかったとも思えたんだ。

《好きなことがあるだろ 褒められたら嬉しいだろ》

無邪気に好きなことをして、褒められた小さい頃。友達とくだらない話をして盛り上がった時間。必死に練習を重ねて賞を取れた部活。校則破って友達と寄り道した放課後。好きなことに打ち込んで、結果がついてきた瞬間。これに人生を懸けたいと思えるものと出会えた瞬間。
日々の雑踏に隠れてしまっているけど、私の人生も捨てたもんじゃないって思えた。

この曲を作ったPENGUIN RESEARCHのベース担当の堀江晶太さんはライナーノーツに、曲を作る際に実際に書いた、少年時代の自分へ宛てた手紙を載せている。その中にこんな言葉があった。
「これから先、どうして上手く出来ないんだと嫌になることもあるはず。でもそんなどうしようもない日々だからこそ、気づけたり出会えることがある」

他のどんな言葉よりも深く、真っ直ぐ突き刺さった。今までの自分の人生は、決して無価値でも無意味でもないんだと肯定されたような気がした。

《これでよかったんだって思いたいよね》

思いたい。思いたいよ。
今まで散々なことがあったから今の自分がいるんだって、もっと大人になって「ああしてよかった」って、死ぬ時に「素敵な旅だったなぁ」って思いたい。歌を聴いて泣くなんて20年生きてきて初めての経験だ。

誰にでも、しんどくて辛くていっそ辞めちゃえと諦めたくなる経験があるだろう。なんで出来ないんだ、どうして自分だけと情けなくて不甲斐なくて死にたくなる時もたくさんあるはずだ。少なくとも私はある。そして恐らくこれから先、生きている限りそういう瞬間は絶え間なく訪れる。
でもそれと同じくらい、楽しくて嬉しくてこれ以上ないくらい最上級な幸せを感じる瞬間だってきっとある。趣味に没頭したり、友達と馬鹿話で爆笑したり、大好きなアーティストのライブに行ったり、体力も時間も削ってやり遂げた仕事を褒められたり、成績や部活動で努力が報われたり。
タイムカプセルを開けるまでの人生を振り返るとたくさんの挫折や失敗、幸せと成功がある。そんな瞬間がたからものになることを繰り返すのが人生なんだと教わった。
 

今ここで、過去の自分に『少年の僕へ』を聴かせたい。たぶん何の意味もわからないだろうけどそれでいい。今の自分が聴いてやっとわかるものだ、この曲の意味は。
そして大人になった自分から、今の自分へこの曲を届けてほしい。一体どんな人生がこれから先待っているんですか、どんな人と出会いどんな仕事をしてどんな道を歩いていますか。
全部教えてもらったら面白くないけど、「この歌を過去の自分に聴かせたい」と思えるくらい素敵な「これから」を歩いててください。そして出来れば、無邪気な笑顔で「生きててよかった」って思っててください。

《君が出会う 「これから」はね

信じられない程に 楽しくて 悲しくて

素敵な旅になる》

楽しくてわくわくするような、悲しくて大泣きするような人生が待ってるよ。これからもそうだって信じてるよ。
 

「おとぎ話」みたいだって?

うん、私もそう思うよ。
 

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