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泣きたくなるほど嬉しい日々に

クリープハイプと誕生日

先日、誕生日を迎えて24歳になった。
誕生日は過ごしにくくて苦手だった。20歳になってから、その気持ちはより一層強くなった。23歳と24歳の間には何もない。その日は朝から上手くいかなかった。奇跡的な確率で道路の排水溝に家の鍵を落として、雨にまで降られて、自分の鈍臭さを恨んだ。
朝から”百八円の恋”と”ねがいり”を何度も聴いた。
15分くらい遅れてやって来たバスのなかで【今日は何にもないただの日だ】というフレーズが頭のなかで繰り返し再生される。
そんな日の夜、大切な人が好きな人たちを集めてくれて誕生日会を開いてくれた。楽しくて嬉しくて飲み過ぎてしまってあっけなく幸せになった。二日酔いの気持ち悪さが、前日の気持ち良さを教えてくれる。
それから何日後、『泣きたくなるほど嬉しい日々に』が発売。
発表された武道館の日から待ちに待って、待った分だけちゃんと満たしてくれるアルバムだった。遊園地のお土産みたいな可愛い箱は、学生の頃に好きな子から貰ったお土産みたいで愛おしくてくすぐったい気持ちになった。
“今今ここに君とあたし”から”イト”までの疾走感に『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』を連想して、時が経っても変わらないクリープハイプを嬉しく思った。”今今ここに君とあたし”、早くライブで聴きたくてウズウズする。
アルバムバージョンの”陽”は作品集『もうすぐ着くから待っててね』よりも泥酔してる感じがした。作品集の”陽”は2、3杯飲んでちょっと愚痴を吐いているイメージだったけど、今回の”陽”は飲み過ぎて泥酔して「ちくしょう」とか言いながらも今を噛み締めてるようなアレンジで【明日も進んでいかなきゃいけないから】の歌詞がより強く刺さった。
“禁煙”では禁煙って言葉にこんな捉え方があるのかと驚いた。ストリングも相まって、2人の終わりの切なさが生々して辛かった。
正反対に”一生のお願い”は今までにないくらいポップでメロディーが可愛い。その2曲が同じアルバムで括られているのが、可笑しくてクセになる。
夕方、真っ赤な空を見ながら聴いた”ゆっくり行こう”はとても優しかった。この曲は自分が1人じゃないことを教えてくれる。”だからなに うるせーよ”なんて言えるのは1人じゃない証拠だ。それでも上手く飲み込めなくて強がって吐き捨ててしまうところもクリープハイプらしくて好き。
14曲どれも違う色をしてるから、どんな感情にもちゃんと寄り添ってくれる。側にいてくれる優しさに嬉しくなる。

今まで苦手だった誕生日は、今では人生のハイライトになった。それは周りに愛してくれる人がいるからなんだと、”泣き笑い”が教えてくれた。誕生日にリアルタイムで聴いたわけではないのに、記憶を見透かされたように自分の歌として聴こえる。
泣きたくなるほど嬉しい日々なんて、早々こない。そんな日がまた訪れる保証もない。それでも”泣き笑い”を聴いてると、なんとなく泣きたくなるほど嬉しい日々がまた訪れるような気がしてくる。紆余曲折あって”泣き笑い”まで辿りついたクリープハイプだからこそ説得力がある。
彼らの不器用だけどひたむきなところが大好きだ。クリープハイプの真っ直ぐなところに惹かれる。
苦しい日も悲しい日も越えて、泣きたくなるほど嬉しい日々が、誰にでもちゃんと訪れることをクリープハイプが証明してくれる。
欲しがりな僕はその日がまた待ち遠しくなってしまうけど、今はこのアルバムが聴ける喜びを味がしなくなってしまいそうなほど噛み締めていたい。

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