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マテリアルクラブの始まり、始まり。

Base Ball Bear小出祐介が目指す音楽の生成方法

謎が謎を呼ぶ、Base Ball Bearの小出祐介主宰・マテリアルクラブの新曲第2弾「Nicogoly」が10月17日より配信スタートした。まだ全容は見えないが、公式サイトのプロフィールには『ソロでもなくバンドでもなくユニットでもなくグループでもなく新音楽プロジェクト=”マテリアルクラブ”』と記載がある。
制作パートナーは福岡晃子(チャットモンチー済)、楽曲にはボーカル・コーラスでも携わっている。今回の曲にはゲストとして成田ハネダ(パスピエ)がピアノで参加し、メロディに彩りを与えている。

マテリアルクラブ最大の特徴は積極的にDTMで音楽制作を行っている点である。小出は長年頑なにバンドの音に拘っていたように思う。Base Ball Bearメンバーが鳴らす音こそが全て。安易に打ち込みにはせず、人力で演奏することに美意識を持ち、ファンもそれを支持していた。私も同様に彼らの楽曲とライブを追い掛けてきた1人である。

しかし、2016年のギタリスト脱退から変化が見えてきたように感じる。ライブはサポートメンバーで空白を補っていたが、2017年に発表したアルバム「光源」はメンバー3人で制作し、現在の体制を確立させた。収録曲「Low way」に加えられたブラスサウンドがとても新鮮だったのを覚えている。この辺りを起点に福岡がチャットモンチーを完結させるタイミングと重なり、マテリアルクラブへと繋がっていく。

曲調において顕著なのが、小出が主にラップを歌っていることだ。勢い良く、次から次へと言葉を畳み掛けている。RHYMESTERとのコラボレーション曲「The Cut」を3人体制で披露する際、ラップパートを熱唱している姿が記憶に新しい。夏フェス出演時のセットリストにも必ず入っており、4人体制にも劣らぬ演奏に衝撃を受けた人も多いはずだ。マテリアルクラブでも魅力に富んだボーカルを発揮している。

まだはっきりと歌詞は分からないが、ラップ中心のため語数が多く、韻を踏みながら意味深に連なっている。メロディの枠から自由になった言葉達が、どのように散りばめられているのか。そこにはBase Ball Bearの代名詞「青春」を飛び越えた世界が広がっているのだろう。
公式サイトのプロフィールには、こうも書かれている。

『作りたいものを、作りたいときに、作りたいだけ作ります。』

この一文を読み、2018年7月に開催された「チャットモンチーのこなそんフェス」で、Base Ball Bearライブ中に小出が発した言葉を思い浮かべた。彼女達のラストイベントで、完結を労うMCをしながらも、自身のバンドを「絶対(ぜってぇ)辞めないからな!」と強く宣言したのだ。チャットモンチーが終わりを迎えるステージで、続けていく覚悟を貫いた名場面である。舞台袖でライブを観ていただろう福岡が、今後の音楽人生をいかに歩んで行くのかも気になるところだ。最後の変身となった打ち込み主体のチャットモンチー・メカで培った経験が、存分に還元されるに違いない。

Base Ball Bearの活動を全力で続けながらも、そこからこぼれ落ちた原料(マテリアル)から、いったい何を生成しようとしているのか。ゲストミュージシャンとの化学反応を経て、全容が明らかになる11月7日発売・ファーストアルバム「マテリアルクラブ」を心待ちにしている。

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