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その世界や如何に

SPARK SPEAKER ニューアルバム「THE WORLD IS MINE」ディスクレビュー

10月8日、SPARK SPEAKERが新譜を発売した
「THE WORLD IS MINE」
そのタイトルは自らに課した高いハードルのように見えた
大きく出たもんだ、否応なしに期待が高まる
前作「Meaning of Life」から僅か半年、全12曲に描かれた今作の「世界」を紐解いていこう
 
 

1曲目の”Intro”からただならぬ空気を作り上げる
どこかに取り残されている、そんな情景を思い起こさせる幕開けだ
始まり、というよりも何かの続きのようにも感じられる
不気味な断続音を合図に本編が始まる

雪崩れ込むように始まるのは”SPARK”
無防備の状態に重低音が襲いかかる
重く、そして動き出したくなるようなイントロ
もたもたしていたら置いて行かれそうだ
歌詞通り踊り狂ってしまいそうなAメロが嘘のように、サビでは前曲”Intro”の絶望的な世界観がフラッシュバックする

休ませるつもりもなく”Once More Burn Fire”が続く
ヘビーさを受け継ぎつつメロディックが顔を覗かせ、狭く重苦しい前曲”SPARK”から拓けるような1曲となっている
随所に織り交ぜられたシンガロングが重厚な曲調にキャッチーさを持たせ、乾いたボーカルが要所を締める

続く”WALK”、きらびやかな電子音と重低音のハイブリッドが実に華々しい
シンガロングがさらに存在感を増し、ボーカルが負けじとつんざく
和気などないガチンコ勝負だ
ヘビーなサウンドを足元にダンサブル、メロディック、エレクトロと様々な要素を見せるここまでの曲群はまるで流線のよう
 
 

一貫したヘビーサウンドが”Realta”では一転する
まるで羽ばたくように、重たい鎧を脱ぎ捨てるように、壮大な音を響かせる
悠々と闊歩するマーチソングのようだ
“SPARK”, “Once More Burn Fire”, “WALK”の3曲で散りばめられてきたシンガロングがここで爆発する
「ありがとう」が際立つ今曲は間違いなくキラーチューンである

“I don’t know”ではまた毛色が変わる
縦ノリが心地よく、パンキッシュな一面も垣間見える
削ぎ落とされたシンプルな構成に小細工なしのギターサウンド、正統派ロックといってもいいのではないか

気持ちのいいロックサウンドに浸っているところに”Hello My Life, Thanks My Life”が殴り込んでくる
呆気にとられるが、フルアルバムともなればこういう曲の一つや二つは欲しくなるものだ
 
 

目一杯フリを効かせた後の”RAIN”には不覚を取られてしまうだろう
溢れ出すメロディック、これぞメロディック
触れたら壊れてしまいそうな繊細なギターが、叙情的なボーカルを添えるように支える
何度も何度も、友に、そして自らに希望を訴えかけるこの歌は今作のリードナンバーだ

感傷に浸る間もなく始まる”paradigm shift”は今作で最も異色な存在である
ツインボーカルが堰を切ったように畳み掛け、砂吹雪のごとく単語が断片となって入り込んでくる
歌詞を見ても、まだ完全には理解できないかもしれない
今はまだ、断片のままなのかもしれない

“One by One”の曲調はこれまでのそれとは明らかに異なる
どこに向かうか分からない不安を孕みながらも、迷いを断とうとしている
SPARK SPEAKERの現在・過去・未来を映しているのだろうか
この1曲を境に、一気にクライマックスへと傾く

“SUNRISE”
“One by One”で見せた弱さを打ち消し、前を向く1曲
平坦なサビのメロディは不思議と耳に残り、発せられた決意の言葉がこびりついて離れない
自らの世界を証明するかのような咆哮を最後に、静かに幕が降りる

12曲目、”Outro”
まるで映画のラストのようだ
どこかで耳にしたメロディと自然音
今はまだ雨、という意味だろうか
 
 
 
 

ラウドをベースに多種多様な音を鳴らした”THE WORLD IS MINE”
ここまで読んでくださった方の中には SPARK SPEAKERを知らない方もいるだろう
果たしてどんなイメージを持っただろうか?

その答え合わせは、ぜひライブハウスでしていただければと思う
 

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