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誰にもなれず俺だった

SAが教えてくれたこと

音楽で泣いたことは、無かったのに、彼等は私を簡単に泣かせた。そのバンドは、SA(エスエー)。17年目に突入した平均年齢49歳のパンクバンド。

本当に言いたかったことや伝えたいことがなかなか相手に伝わらない。「お前は話さない方がいい」と、言葉狩りされたこともある。いくつもの言葉を重ねても、ほんの少しも伝わっていなかったなんてことばかりで毎日何かを飲み込んでいる。反対に、言葉で誰かを傷付けておきながら相手の痛みに気付かないでいることもある。

精一杯の表現でも伝わらないと、自分の拙さと言葉の無力さを厭というくらいに思い知る。数字的には大人と言える年齢になった。大人のカテゴリーに放り込まれても、不安と不満は寄り添うように傍にいる。

所属する組織が学校から会社になっただけで、会社のきまりだとか、職種や役職毎に与えられた演技を押し付けられる。そのことを考えもせずに、無意識のうちに自分の中でそのまま胸の奥に追いやって何も感じないふりをするのが難しくなってきている。

嘘であっても嘘と言わない、言えない。黒いものを白いと言い、偉い人の言うことに頷く同僚やお客様はサイボーグじゃないかと思えてきてしまう。

厭なことは厭だ。おかしいと思うことはおかしいと思うし、笑いたくもないことで笑えない。自分を偽らないことが許されない。でも、もしかしたらそれは自分のせいかもしれない。

『憧れ根性丸出しで服や言葉パクっても
悲しいぜ 心は誰にもなれずオレだった』(『俺は俺』)

私は、私以外の何かになりたくて足掻いている。どうしょうもない自分を好きになれなくて、必要以上に期待して裏切られたような気になって勝手に傷付いている。

自分の心を偽らずに表現して、届けたい。好きなものは、好きだと言いたい。そのままの自分を受け入れてみてもいいのかもしれない。

SAは、大人のふりをしている自分と自分の中にある答えに気付かせてくれた。

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