1455 件掲載中 月間賞発表 毎月10日
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

エレファントカシマシは地面を揺らす

宮本浩次に惚れて

 深入りして「あてられて」います。エレファントカシマシというバンドです。

 私はこの度、52歳の宮本浩次さんが、とてつもなくカッコよく感じ、急にエレファントカシマシにはまりだしました。非常にミーハーな動機と、自覚しており先に白状いたします。

 今までも、エレファントカシマシはそれなりに好きでした。声の魅力は勿論、CDもヒットした曲のものを持っていました。しかし、夏フェスでは優先して観に行くバンドですが、単独ライブにはチケットを自分で取ってまではいかない、自分にとってはそのくらいのバンドの一つでありました。

 宮本浩次さんが椎名林檎さんと発表した「獣ゆく細道」。椎名林檎さんのコラボ曲が好きな為、リリース直後に拝聴いたしました。すると、椎名林檎さんの色っぽさと対等にぶつかりながら火花を散らすかのような宮本浩次さんの色気と相変わらずの素晴らしい声色…。宮本浩次さんの声と姿に恋をしてしまった、ざっとこんな感じです。
 

 さてそれから約一カ月。宮本浩次さんを追う毎日。エレファントカシマシの曲を片っ端から聞き直し、雑誌を買い、ネットやSNSで最新の情報を探る、そんな現在進行形な毎日であります。夫は私よりも、しっかりエレファントカシマシファンのため、突然に「カッコいいカッコいい」と騒ぎ始めた私に「何にもわかっていない」「ミーハーだ」など、と苦言を呈しておりました。逆の立場ならばそう思っても仕方ないかと思います。

 しかし、暇さえあれば、エレファントカシマシの音楽を聴いていたので、さすがにミーハーな私もエレファントカシマシというバンドの魅力と凄さがわかってきてしまいました。
 

 何故なのだろう。何なのだろう。心の奥の方で湧く何かを知りたくて、毎日エレファントカシマシを聴いてしまいました。声の良さや曲調だけの話ではありません。気持ちが頭についていかなくなるのです。随分前に、夏フェスで、忌野清志郎さんをステージで初めて見た時も同じ感じを受けたのを思い出しました。忌野清志郎さんは、ぐねぐねと動きながら、ステージにねっ転がって頭床に擦り付けながら歌ってるのに…カッコよくて鳥肌が立ちました。でも、カッコいいという感覚はどこからくるのか、意味がわからなく混乱する感じです。
 
 

『剛者(つわもの)どもの夢のあと 21世紀のこの荒野に 愛と喜びの花を咲かせましょう 神様俺は今人生のどのあたり』
 

今年の新曲「Easy Go」の歌詞の一部です。パンクな熱い曲を勢いよく歌いこなして、シャウトですら美声、聴かせる曲です。拝聴、1回目から度肝を抜かれました。

 間違いなく名曲です。何回か聴いているうちに、(せっかく私今、そんな事やっと忘れて大人になったのに、何で今52歳がそれ歌うか!!)と心がかき乱されてなりませんでした。「ぁあああっっもうっっ!!」と夜中に心がもがきはじめてしまいました。
 

『そうさbaby おまえのハートに この世界中のあらゆる輝き届けるぜ』

今の世の中でツッコミなしに真っ直ぐにこの歌詞を声大にして言える人はいるでしょうか。真っ正面を向いて、世の中に向けて。大真面目に。敵いませんて。聴けば聴くほどに心に汗が滲み出、少し苦しくなります。

 初期衝動と表現するには、厚みを増した年月がバックにあるので軽々しく聞こえてしまいます。私を含め若い時の初期衝動は皆体験していると思いますが、初期衝動は初期だからこそ、いくら事実であろうと、本人にとってまだ見ぬ世界、まだ身近にない現実だから叫べるところがあると思っています。

 エレファントカシマシには 「涙」という曲があります。『悲しいときには涙なんかこぼれない』から始まる、本当にしっとりとした、個人的に大好きな名曲です。『それでいい時間が止まらないで過ぎるだけで』このフレーズを聴いた時に(あ、本当の悲しみを知っているんだな)と思いました。

 本当の悲しみは時間でしか解決できないものだと考えております。昨年弟を亡くしました。結婚して一か月後、仕事での事故で意識のないまま二年間。そして亡くなりました。悲しみは、時間で少しずつ薄めてやっと持ち歩けるようにしてくれるものだと、私自身のつい最近の体験から感じたばかりです。

 なので、単なる初期衝動とは訳が違います。様々な時間を経た上での「Easy Go」だと知って、聴き直したときに、(それでも、まだこれを表現するのか、何故できるんだ)と感動と放心したような気持ちになりました。宮本さんの美しさと声ならば、そこまでしなくても、もっともっと楽に世の中にあるわかりやすい幸せを手に入れられそうなのに。

 エレファントカシマシの音楽は、本当に美しい物を知りたくて、そして本当に誠実なものは何だろうともがいた時間、その眠らせた部分を掘り起こして来ます。今自分は向き合えているだろうかと、ずっと問うてくるのです。『俺はお前に負けないが お前も俺に負けるなよ』と煽られるのです。(「男は行く」の歌詞より)

 沸々とした何かと共に、私は一体何がしたいのかと考えさせられます。子育てや仕事は頑張っているつもりです。でもなんかこう、もっとこう。自分の信念や想いに向き合って、誠実に生きているかと思うと胸を張れないところがあります。もがいて、少し苦しくなったのはそのせいなのだろうと思います。

 カッコいい、の正体は自分に向き合って誠実に真面目に胸を張って表現する姿そのものを感じたからかも知れません。

人生を、地面の上に自分という家を建ててそれを完成させていくこととイメージするならば、感動は家である自分を揺すられることかなと考えております。家自体を直接押して揺らしてくる音楽は多いです。かなり計算され、入り組んだテクニックで揺らす時代のなかで、エレファントカシマシは家には触れずにひたすらに地面を叩き揺らしてくるバンドであると、自分なりに答えを出しました。エレファントカシマシは、私のいつも意識しない心の中のベースの部分そのものを揺らしてきていたのです。そう、ドーン!と。

 だから、何度も聴いていきたいのです。
その、揺れでもブレないとき、自分に胸が張れると思うのです。
 

 やっぱり、どうせ生きるならならカッコよく生きたいですね。
エレファントカシマシのように。
 
 
 
 

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい