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2017年5月8日

トッシー (24歳)
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僕の生命力

When I was 16, chatmonchy has come!

僕がチャットモンチーと出会ったのは16歳の頃だった。当時の僕は消えることばかり考えていた。
僕には身体障がいがある。車椅子で生活している。高校進学と共に田舎から都会に住処を移転した。健常者、都会人、僕にとって周りはアイデンティティも何もかも違う異質物のように見え、上手に馴染めなかった。身体の体調を崩し、入院した。親や医師からの「頑張れ」の声が鬱陶しかった。頑張ったその先はどこまでも真っ白に見えた。そんなとき病室のラジオから彼女たちの音楽が流れてきた。
「はっきり言って努力は嫌いさ」そんな風吹けば恋の出だしに全てが吹き飛ばされた。努力を賛美する詞が街中に溢れてる中、Mステのスーパーライブにも出る程メジャーを位置付けられていた彼女達が投げかけた言葉、それは挑発的だった。だからといって負け惜しみではない。ウダウダ言いつつ負けたくなくないから頑張ってしまう、という人間らしさが描かれている。それは努力を押しつけない、他のアーティストとは異質の応援歌のように感じられた。この曲を聴いて、負けたくないと思った。これから楽しいことがきっと待っている、掴み取ってやる、と思った。病気の克服、弱音を吐けない空気、周りから頑張ることを強いられてた僕にとって一番の味方だった。

僕にとってチャットモンチーは憧れであり、同一視してしまう存在になった。彼女たちは普通の女の子。しかし、それが彼女達のいる世界では普通ではなかった。徳島から東京に、男性社会であるバンド界に乗り込んできた。なめられたくないという意思を貫き、女性歌手にありがちな色っぽさを出さず、ヒットチャートを賑わすまで上り詰めたにもかかわらず、周りのポップ歌手とは一線を画した音楽を貫く。ブレイクしても全ての音は基本的に自分達だけで鳴らし、ライブも自分達だけで鳴らしてきた。「女の子だけ」という枕詞なしでも通用する臨場感を目指し、実際そうなった。彼女達にとってアウェイ的な世界で、個性を隠さない方法で強さを目指し音を鳴らし続ける。正真正銘のロックバンド、そんな姿に僕は憧れた。障がいという隠しきれない個性を持って生きる僕にとって励みになったし、自分もアウェーの世界で生きていこうと思った。それがかっこいいと思えた。辛い時は彼女達の音を聴いてもがいた。チャットモンチーファンとして名に恥じない生き方をしようと決意した。

二人体制になったときと僕の大学進学のタイミングがちょうど重なった。彼女達は避けられない変化に立ち向かった。新メンバーやサポートを入れず二人で鳴らすことを決めたことは、まさに良い意味での裏切りのサプライズだった。女性二人という不利だと思えるような状況を、工夫を張り巡らし人々を魅了する作品を創り上げた。それでいて作品はこれまでのチャットモンチーの芯は残したままであった。逃れられないハンデを個性として輝かせた。
そんな姿を見て僕は大学入学時、障がいというハンデのある自分も輝きを残したい、スポットライトを浴びてステージに立ちたいと思いバンドを組むことにした。ライブ中は障がいがあることを忘れた。音楽をやってるときだけは皆と同じになれた。高校時代はバンドなんて自分には無理と諦めていたけれど、やろうと思えばできた。
今でも僕は挫けそうになることはある。悩み、絶望は絶えない。でもチャットモンチーのおかげで、音楽という本気で好きなものができた。音楽を通して大切な仲間もできた。希望の光なんてないけど、幸せな人生だと胸を張れる。人生いろいろあるけど楽しみ忘れず変化して行こうよ!と彼女達の姿を見るだけで前向きになれる。
3月から行われている全国ツアーにも僕は参加する予定だ。果たして今回はどんな姿を見せてくれるだろう。わくわくする。

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