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音楽と、人と、時代の関わり

Mr.Childrenのアルバムを手に取った

“▶”
この記号は、今では誰もが毎日のように見ているものであろう。
そう、再生マーク。
これをタップしたり押したりすると、イヤホンから、ヘッドフォンから、スピーカーから、音楽の世界が始まる。
今の時代、電車やバスの中では、イヤホンやヘッドフォンを耳につけ、音楽を楽しむ人がたくさんいることが、普通になってきた。
それはきっと、音楽が、より幅の広い関わり方を持つようになってきたからだろう。

私の両親も音楽が好きで、昔はよく、色んなアルバムをレンタルショップで借りたり友達と折半して買ったりして、オリジナルのカセットテープを作ったとか、聴きたいCDを貸し借りしあったとか、そういう話をよく聞く。
「でも今の若い人達は、そういうことしないよな。」
と言われた。
確かに。
今は音楽をダウンロードできる時代になり、そしてYouTubeなどでプロモーションビデオが無料で見られるようになり、様々な音楽に、いつでも、どんなところでも、触れられる機会が増えたように思える。
実際私も、そういったストリーミング配信の音楽を聴いたりするし、YouTubeで気になるアーティストの音楽を聴いてみたりする。
でも。
私は、音楽が、関わりを広くしたと同時に、その価値が、あまり重視されなくなってしまったのではないだろうか、と思っている。

私は音楽をダウンロードするよりも、CDを買ったり借りたりして音楽に触れる機会が多い。
やはり通学中などはスマートに音楽を楽しみたいので、ウォークマンに入れたりもするが、CDを手に取ったら、まずはオーディオで聴いてみる、というのをポリシーにしている。
個人的な話になるが、私はMr.Childrenのファンで、先月に出たアルバムを、ずっと心待ちにしていた。
アルバム発売が発表された日に予約しに行き、その予約の紙をスケジュール帳に挟んで、スケジュール帳の10月3日の欄に花丸をして、その日を心待ちにしていた。
待ちに待った当日。ではなかったけど。(それも待ちきれずにフラゲ日にフラゲしました。)
授業を終わらせ、わざわざバイトを入れず、意気揚々とお店へ向かった。
会計をして、袋を受け取り、(本当はこの時点でもうとてつもなく開けたい衝動に駆られてる)店を出て、帰りの電車に乗った。
帰りの電車の中で、袋をそっと開けて、綺麗にビニールに包まれたアルバムをしげしげと眺めて、
「へ〜こんなジャケットなんだ」
「こんな色味なんだ」
「今回はこんな曲名なんだ、どんな曲かな」
なんて、外見だけで想像力を膨らませて。
家に帰って、ビニールを綺麗に取って、中身を開けて、まずは歌詞カードをパラパラと眺めて、そしてCDを取り出して、オーディオにセットした。
そして”▶”ボタンを押す。
「ワン、ツー!」
というドラムのジェンさんの掛け声で1曲目が始まった。
1曲目で既に感動、そしてたっぷり10曲を堪能し、一緒に聴いていた兄と感想を言いあった。
アルバムを受け取った時、物理的な重み以上に、手に重みを感じた。
Mr.Childrenが3年半という間行ってきた活動、そしてこのアルバムにかけた情熱、命、熱量、気持ち。とても自分の手では受け止めきれないくらいのものを、1枚のアルバムから感じたのだ。

わたしは、こうした経験は、CDでしか出来ないものなのではないか、と思う。
パッケージを開ける時は、まるでプレゼントの箱を開けるような気持ちで。
大事に大事にCDを持って、トレイに置く。
薄くて軽くて、掌に収まってしまうくらいのCDだけど、何よりも重くて、愛おしい。
彼らの想いが詰まっている、「モノ」だから。そんなわけで私は未だに、音楽に触れ合う時はCD、と決めて、音楽を楽しんでいる。

今やストリーミング配信だけでなく、(日本を代表する雑誌の主催のサイトでこんなこと言っていいのか)違法だが、無料で色々な音楽が聴けるアプリがある。
だから、お金や労力をあまりかけなくても、簡単に音楽を聴くことが出来る時代になってきている。
この前友人にも
「CDとか買わなくなったな〜」と言われた。
もちろんCDを買うのにはお金がかかるし店まで行って、必要あればわざわざ何ヶ月か前から予約して、またそれを取りに行って。借りるときもお金が必要で、しかも期限内に返しに行かなければならない。
そんなお金や労力が必要なCDより、ダウンロードした方が圧倒的に楽だし、効率的である。
ダウンロードすることが悪いと言っている訳では無い。今の時代に合っているやり方だと思うし、よりたくさんの、音楽に触れる機会が広がり、人々と音楽の繋がりが強くなっていくと思うから。
今年は、Mr.Childrenや松任谷由実さんといった大物アーティストが作品のストリーミング配信を開始し、大きな話題となった。
CD時代を生きてきたアーティスト達も、きっと時代と音楽の関わりをちゃんと理解して、そういったことを始めたのだと思う。

実際私も、YouTubeで米津玄師さんのpvを見て、彼のアルバムを借りるようになり、彼の曲にすっかり惚れ込んでしまった。
そんなふうに、新たな世界に出会うこともある。
だから、CDが良くて、ダウンロードが悪いとか、そういう事ではなくて、音楽との関わりを、広げていく、時代と音楽の改革なのではないかと思う。

ただ、その1曲1曲に込められた想いや、苦労は、どんな形であれ、変わらないのだということを、私は多くの人に知って欲しい。

だから私は、これからも少しだけ時代の流れに逆らって、CDとの関わりを続けていくと同時に、様々な音楽に、CDだけに限らずに触れていこうと思う。こんなに音楽との関わりを持てる今の時代に生まれてこれたこと、本当に感謝している。

そんな世の中だからこそ。
 

“▶”ボタンで始まる音楽の世界は、CDもダウンロードも、同じ世界であって欲しい。

私はそう願う。

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