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ビーチ・ボーイズが60年代後半に蒔いたアヴァンギャルドポップスの種

The Beach Boys

キャメロン・クロウの監督した『あの頃ペニー・レインと』と言う映画は傑作だったが、あの中でラストに使われたビーチ・ボーイズの『Feel Flows』を聴いて『これで良いんだろうか?(この曲で良かったんだろうか?)』と不思議な感慨を覚えたファンは多かったのではないだろうか?

と言うのもこの曲はブライアンの弟カールの作品で『Surf’s Up』と言う70年代初頭の不遇だった時代のBBの作品の中では最もセールス的な成功を収めたレコードの中に収められている。

この『Surf’s Up』と言うアルバム全体の雰囲気もそうなのだが、この曲は特にメンバーがブライアン的な翳りを演出しようとしたそう言う作為の様な物を感じてしまって、それもその模倣もソウルの深い部分での模倣なら良かったのですが、表面的な模倣に終始している様な印象を感じて、まぁ、その軽さも含めてビーチ・ボーイズらしさだし、それが良い方向に出るときもあるんだけど、この曲に関しては前述した様な作為とか態とらしさ不自然さを感じてしまう。

このレコードの中でハイライトを挙げるとすれば『Surf’s Up』『’Til I Die』『Disney Girls』の3曲に尽きるだろう。

『Long Promised Road』アレは素晴らしかった。
カールらしいR&Bと曲の展開構成も凝っててプログレッシブな感じもしたし、スロウな部分でのハーモニーも70年代に入ってから獲得した新たなハーモニーの展開を感じさせるし。作家としてのカールに関して言えばあの曲は最高。
 

『’Til I Die』を初めて聴いた時の感動は忘れられない。
ブルース・ジョントンがドキュメンタリーフィルム『エンドレス・ハーモニー』で語った言葉をそのまま借りれば『歌詞』『メロディ』『サウンド』『ハーモニー』全てが素晴らしかった!

音楽を通して表現してる物の深遠さと言う点で僕はこの曲を超える音楽に今まで出あったことが無い。3分足らずの曲だがポップスでありながらこの曲は一つの芸術作品であり、間違いなくアートの域に達していると思う。

ドキュメンタリーフィルムのサントラであり、未発表作品集『エンドレス・ハーモニー』の中にこの曲の長尺ヴァージョンが収められていたが、アレは当時のエンジニアがブライアンが3分足らずのこの曲の中に込めた物の凄さを絵巻の様に紐解いて解説しているかの様なこれ又凄い内容であった。あのサントラ自体トンデモナイ音源の沢山詰まった傑作であったが、中でもこの音源は白眉であった。

元々ドゥーワップのコーラスを下敷きにして60年代初頭はそれを表現していた彼らが『ペット・サウンズ』『SMILE』の世界を経てそこから吸収した物を又別の次元に持っていってしまったと言うか。

反面セールス的には前述した様に確かに不遇の時代ではある。
原因として考えられることの一つに深化を遂げ続ける彼らの音楽に、最大公約数的なポップスファンのリスナーがもうついていけなくなってしまったのだと思う。

只、地下で起こっている音楽ムーヴメントの中ではニューウェーブの時代もそうだったし、ネオフォークなんて言う私から言わせればアヴァンギャルドポップスの様な世界で彼らがこの時代に生み出した音楽はビートルズがメインストリームで指示され続けるのと同じ様に永遠に支持され続けると私は思う。

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