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ウルフルズが歩む本気の「人生」

ウルフルズは本気だ。だから好きだ。

ウルフルズは人間臭い。かっこ悪い。だから好きだ。
ウルフルズは弱い。ダサい。でも本気だ。だから好きだ。

2009年8月、僕は最後のウルフルズのライブをしっかりと見届けようと、万博の広場へ向かっていた。
蝉が喧しく、本当に暑い夏だった。

初めて買ったCDはウルフルズだった。実家近くの小さな本屋さんで、シングルCDの並ぶレジ前のかごの中に「それが答えだ!」を見つけた。母に買ってもらった短冊形のCDは、それから僕の宝物になった。

なぜウルフルズを好きになったのかは忘れてしまった。それでも、トータス松本と誕生日が同じで、ジョン・B・チョッパーとは苗字が同じで、なんとなく親しみを覚えていた。
かっこいいようで、かっこ悪い。それでもがむしゃら。そんなウルフルズが大好きになっていた。

最後の野外ライブ「ヤッサ!」のMCで、トータス松本はこう言った。

「続けていけないんですよ」

ショックだった。あんなに笑顔が素敵だったウルフルズがいなくなる。
悲壮感とも焦燥感とも言えない、なんとも言えない空気が会場を包み、蝉の声だけが大きく響いていた。

観客の声が飛んだ。

「なんでー!?」

大阪弁のその声の主は本気でそう思ったのだろう。寂しかったのだろう。
もしかしたらいつものように、ウルフルズなら笑ってくれると思ったのかもしれない。

しかし、トータスは叫んだ。

「なんでじゃないんじゃ!ボケ!」

トータス松本はものすごく怒っていた。
会場が静まり返った。その瞬間をしっかりと覚えている。

「ああ、本気なんだな」

僕はそう感じた。ウルフルズは本気なんだ。と。

今思えば、ああいう瞬間でさえ、ウルフルズは自分たちの心を隠さない。いや、隠せない。
嘘でもいいから、「また戻ってくるよ。今日は楽しくやろう」なんて言えるバンドだったらどうだっただろうか。きっと僕はウルフルズを嫌いになっていたと思う。

「ウルフルズが帰ってくる時まで、なんとかがむしゃらに生きよう」

大げさだが、本気でそう思ったのである。本気で。

ウルフルズは帰ってきた。
そして25年目を迎えて発売するアルバムのタイトルが「人生」だ。

彼らの人生は、僕の人生の一つでもある。
かっこ悪いけど、弱いけど、大好きな人生、そんな人生を笑えれば。
本気でそう思っている。

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