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odolだけは自由に売れてほしい

時代を生きないバンドに懇願するマイノリティの叫び

先日、odolのライブに行った。福岡です。

これが本当に良かった。ただそれだけを伝えたい。

なんというかLIVEの感想というより、odolというバンドが如何に良いかという話になっちゃうんですけど、書きたい事を書きます。

アンコールで披露された曲に1stアルバムの「生活」って曲があってですね。まぁ聴いてほしいんですけど。

これ良いですよね。題名が「生活」って。なんだそれ。いくらなんでも普通すぎる。売れる気あんのかって思う。悪い意味で言ってないですよ。

でもバンドって売れる為にやるもんだと思うし、好きなバンドにはやっぱ売れて欲しい。けど「自分たちのやりたい音楽=売れる音楽」とはいかないのが現実なわけで。皆、その狭間で揺れながら、試行錯誤していった結果、奇を衒うような歌詞にしたり、分かりやすく消費される曲に終始してしまう。そんなことが多々あると思っています。

そんな中でこのバンドは異彩を放っている。

歌詞を読んでほしい。

「手紙の中身に 君なりの個性があって
並べたその文字に見惚れた
君の住む街に四月の花が咲いて
黒く染めた髪が舞う 季節を数えた」

素晴らしい。歌詞とはこうあるべきだと思う。
椎名林檎やteto小池のように、強烈なワードセンスで圧倒するような歌詞も好きです。好きだけど、やはりこういった日本語独特の憂いを宿した歌詞も好き。この曲の歌詞はいくらでも解釈のしようがある。なんなら意味なんかよくわからなくても良いんです。少なくとも自分はそう思っています。メロディと共に歌になった時、意味のわからなかった歌詞が初めて意味を持つ。自分の中で。エゴスティックに。そんな歌詞の普遍性をミゾベリョウが紡ぐ言葉は持っている。あえて余白を残す事で聴き手に自由を与える。

さらにミゾベリョウはボーカリストとしても良い。高音だけど決して突き抜けるような感覚ではなく、もがき苦しむような曇った高音。物静かなMCも印象深かった。全てが作用してバンド全体に憂いを与える。良い意味でね。

メンバーが6人と多いのに全く窮屈さを感じさせなかったのも見事だった。作曲を務める森山公稀のバランス感覚はどうなってる。絶対良い上司になる。ベースのソフィアンはビジュアルが最高で人気も出そうなのに、ひたすら端でベース弾いてたのも最高だった。マジで一言も喋ってないと思う。完璧に徹してた。ギターの二人もキーボード弾いたりドラム叩いたりと忙しそうだったし、本当器用だなこのバンド。

珍しいです。こんなバンド。おそらく多くの人はこのバンドを聴いても右から左に流しちゃうような気がする。本質が見えぬまま。ちょっと失礼ですかね。派手なものばかりが消費されていく世の中。娯楽なんて死ぬほどあるんだし、そういうものに目を奪われるのも分かる。そういったコンテンツに罪があるとは決して言えない。でもそんな世の中をつまらないって思う捻くれ者もいるんですよ。自分みたいな。そういったマイノリティ(?)の欲求に応える素敵なバンドです。

でも彼らは僕ら捻くれ者だけを相手にしていくつもりはないでしょう。本気で国民的バンドを目指してるはず。そう言ってた。素質はあると思います。どの口が言ってんだって思うかもしれませんが。

最新アルバム「往来するもの」聴きましたか。進化してます。マジ驚きます。僕は作曲の知識がゼロなので小難しい事はわかりませんが、odolの色が出てきたなって思います。

自由に売れてほしい。これが売れそうだなとかわざとらしくリスナーの目線に立ってアイデンティティを捨てるような事をしないでほしい。彼らなりのやり方で世の中を驚かしてほしい。

応援してます。そしてこういった音楽を皆で共有し、批評できる世の中が来たらいい。そう願うばかりです。

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