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GRAPEVINEが16枚目のアルバムを出してくれる

『ALL THE LIGHT』リリースによせて

GRAPEVINEが16枚目のアルバムを出してくれる。
来年2月にリリースされる『ALL THE RIGHT』が実に16枚目のオリジナルアルバムになり、もう16枚も・・・・・・と思う。そこには感謝の念しかなく、その念の赴くままに書いていこうと思います。

16枚。すごい多いと思う。多すぎるといってもいいと思う。シックスティーンアルバム、なんて発声したことがない。たとえばメジャーデビューしてデビューアルバムをリリースするバンドが100組いるとして、そこからアルバムを16枚リリースできるバンドはたぶん1組もいないと思う。音楽の話に量を持ち出してどうするんだ? 続けることが偉いのか? 偉いです。そういう話を、延々とするつもりです。

まず前提としてアルバムを16枚リリースするためにはバンドを維持しつつファンの支持を得続けなくてはならない。前提というか、この二つの要素がすべてで、ただの至難の技だ。

バインは1997年デビューで今年がデビューから21年、で次のアルバムが16枚目。あとミニアルバムが3枚とベスト盤が2枚にB面集(『OUTCAST2.0』はぜひCDでも出して下さい)やらライブ盤やらリミックス盤やらを発表。ぱつぱつというか、休んでいない(悲しいメンバーの脱退はあったけど)。リリースとそれに伴うライブをただただ繰り返すだけの21年間。個人的にこのバンドの活動の仕方は逆に”仕事”みたいなんだよなとよく思う。ロックバンド幻想にありがちな刹那性とは無縁に、淡々とリリースとライブを繰り返すだけ。変わったことは一切しない。それだけでいつの間にか、まわりに誰もいないとても特別なところに立ってしまった。

ちょっと脱線して他の日本のベテランたちが何枚アルバムを残したか数えてみる(例示バンドは思いつきです、あと数え方変なところがあるかもしれない)。TRICERATOPSが11枚、奥田民生が13枚(数え方が難しい)、くるりが12枚、SUPERCARが5枚、THE YELLOW MONKEYが8枚、LUNA SEAが9枚、GLAYが14枚、L’Arc-en-Cielが11枚、BUMP OF CHICKENが8枚(少ない)、syrup16gが10枚、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが9枚、ストレイテナーが10枚、THE BACK HORNが11枚。16枚は多い。
あ、でもMr.Childrenやスピッツやエレファントカシマシやthe pillowsならそれくらい出していそう(これらのバンドはアルバム全作聴いていないからそらで数えられないし、うまく喋れないのです)。比較対象がさすがどころになるな。16枚は多い。

いま気づいたアルバムを16枚リリースするための要素その三。逆説的に、売れすぎると16枚出すのは難しいんじゃないのかなとも思う。皮肉な仮説だけど、自分なりに見渡すとこの説はけっこう正しそうだ。慎重になるのか身動きが取りづらくなるのか制作以外のタスクが増えるのかリリースしなくても食べていけるからか、リリースペースが開くのは間違いなさそうで、バインはご存じの通り売れすぎてはいないからこそアルバムをこれだけ積み重ねてこれたのかもしれない。まあこのひとたちは”わざと売れてない”みたいなところありますけど・・・・・・(根拠はありません)。

音楽の話をしていない。16枚を経て(16枚目はまだ聴いていませんが)音楽性はどうなっているのかというと、”すごくなっています”みたいなてんで気の利かない言葉しかでてこない。個人的な印象を振りかざして大雑把にたどると『退屈の花』から4枚目の『Circulator』までがいわゆるギターロックで一区切り、『another sky』から8枚目の『From a smalltown』までが表現の深みにずぶずぶ沈んで一区切り、『Sing』から11枚目の『真昼のストレンジランド』で日本のロックを全面クリア、その後の『愚かな者の語ること』から15枚目の『ROADSIDE PROPHET』まではさながら終わったゲームのレベル上げというか神々の遊びというか、遊んでいただいて、それを記録に残していただいてありがとうございます、という思い。曲作りも編曲も演奏も発想もWilcoごっこも肩の力は抜けたままよくわからない高いレベルを保ち続けている。

続けることがまず偉いのだけど、しゃかりきになっている風でもなく平熱のままただただ時間を作品に変換しているかのようなGRAPEVINEは、たくさんのロックバンドの中でも逆に不思議で希有なバンドになり終わりのイメージが湧いてこない。だからこれからもふつうにアルバムを出してツアーを回ってというのを続けるんじゃないかなと思う。たまにはお祭り的に武道館で、とか観てみたいとか思うのだけど、やらないかなここは(希代の天の邪鬼だから)。

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