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わたしを救ってくれたヒーローが目の前に実在した

LUNKHEAD「road to 20th Anniversary」を名古屋で観た

LUNKHEAD 1stアルバム「地図」、わたしが人生でいちばんよく聴いたアルバムである。
ロッキング・オン・ジャパンの裏表紙の広告を偶然見たのが出会いだった。
後にも、きっと先にも、これ以上繰り返し聴くCDは現れないのではないだろうか。

しかしながら、不思議と彼らのLIVEには今年まで行ったことがなかった。
14年前、取り憑かれたようにこのアルバムを聴いていた頃、ドン底にいた自分を救ってくれる唯一無二のその世界は、夜な夜なプレイヤーにCDを入れ再生したときに現れる、わたしだけの“秘密基地”だった。

時は流れ、わたしは別のバンドによって、LIVEに行けば好きな音楽を生で感じられること、その楽しみ、自分にとって何よりの生きる糧になりうるということを教えられた。

14年前に自分を救ってくれたあの曲たちを作ったバンドだったらどんなLIVEをするのだろうかという淡い思いを頭の片隅に抱きつつも、そのまま10年近くの時間が過ぎた。

今年ひょんなことから、贔屓にしている地元ライブハウスの対バンイベントにそのバンドが出ることを知った。
急にあの頃のヒーローに会ってみたくなった。

そのイベントで彼は「ここは秘密基地みたい」と言った。
-“そう、そう!その感覚!”
特徴的な造りのライブハウスの、構造的なことを言ったのかもしれないが、それはまさに自分がLIVEに対して抱いている気持ちだった。
大好きな音楽に出会える、自分だけのとっておきの空間。
わたしにとってLIVEはそんな場所だ。
 

そしてついに彼らのワンマンLIVEに行くことになった。

名古屋。
老若男女、客層の幅広さは彼らの歴史の年輪が築いてきたものだろう。

大変観やすいそのハコで、新参者のわたしは後ろの方で静観しているつもりだった。
甘かった。
1曲目から予定が狂った。
「プリズム」
あの頃CDが擦り切れるほど聴いた曲のひとつである。
無条件に涙が出た。LIVEというもの自体には数え切れないほど行っているが、こんなに泣いたことはあっただろうか。
しかしロックバンドである。音はゴリゴリで、自然と身体が動く。セットリストが進むにつれて汗ダクになったかと思えば不意に涙を誘う。汗と涙で忙しい。

人生とは出会いである、というような言葉はよく耳にするが、この日のMCでは“人生はいろんな別れの繰り返しである。その悲しみ苦しみがあるから僕たちは歌をうたっている。そしてそれに向かっていくことこそが「小さな反逆」なのだ”という旨のことを言っていた。
やはりこの人の感覚はとてもしっくりくる。

約2時間の、自分にとっては初めてのLUNKHEADのワンマンLIVE。
あの頃の自分を救ってくれた曲を作った人が、確かに目の前に存在した。
心臓を直接掴まれたような感覚だった。

彼らの歴史のうち、自分が聴いていなかった数年がある。ゆえに知らない曲もあるのが正直なところだ。
また、もっと早く彼らのにLIVEに行けばよかったと思う気持ちはどうしようもないが、このタイミングで再会したことの意味を、いつか分かる日がくるのかもしれない。
20周年を前に、「バンドはまだまだこれからだ」と言った彼の言葉のように、自分とLUNKHEADの付き合いもまだ始まったばかりなのだと思った。
LIVEで聴きたい曲が山ほどある。
空白は取り返せばいい。

2019年1本目のLIVEは、彼らのワンマンに決まった。
来たる年が楽しみでならない。

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