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「生きること」を肯定してくれたMrs. GREEN APPLE

〜悩みを抱える人、それを乗り越えた人へ届けたいこと〜

「これはなんの役に立つんだろう」

そんなことを毎日考えていた。

夢は明確にあったのだが、本当にやりたいことなのか?と自問した結果別の夢を持った。
でも、正直その夢は現実的とは言い難いものだった。
夢のために勉強したい、そう強く思う一方で叶う可能性は極めて低いし、叶わなかった場合、時間を費やして学んだことは水の泡だ、そんなことを思った。
そんな葛藤の中で何事にもやる気を見出せずになっていった。

例えば、数学の授業。よくわからない記号を並べて、公式を覚えて、「これはなんの役に立つんだろう」そんなことを思う。
例えば、小説を書く。現実から逃避するように、言葉を綴って、「これはなんの役に立つんだろう」そんなことを思う。
例えば、学校に通う。伸び悩む成績が記された紙を眺めて、劣等感に押しつぶされそうになりながら、「これはなんの役に立つんだろう」そんなことを思う。

答えはきっと探せば見つかるものなのかもしれない。でも、そのどれにも納得することができなくて、ただ、目的もなく惰性でいろんなことをこなす。でも、それもいつしか限界がきて投げ出したくなった。そして、「しない」から「できない」に変わっていった。

悩んだ。
「これはなんの役に立つんだろう」
その答えを見つけようとした。でも、見つからないどころか、考えれば考えるほどわからなくなっていく。その問の対象になるものが増えていく。
学校を休みがちになった。
家で1人悶々としている時間ばかり増えた。
時間は誰にも平等に与えられているのに…と、自分が時間を無駄にしている、という実感があった。何かしなければ、置いていかれないように、何か行動に起こさなければ、そう思うのに身体は思うように動いてくれなくて、焦燥感だけが募った。
そしてある日、プツン、と何かが途切れたみたいに焦燥感がなくなって、代わりに「なんで生きているんだろう」そんな考えだけが残った。
自分でも気付かないうちに限界がきていたのかもしれない。既にボロボロだったのかもしれない。

そんな時に出逢った、Mrs. GREEN APPLEの『僕のこと』という曲。それは生きることの意味を見つけられずにいた私にとっての「光」だった。

ゆったりとしたアコギにのせられて、vocal 大森元貴の声が鼓膜を通して心に染み込んでくる感覚。

《僕と君とでは何が違う?/おんなじ生き物さ 分かってる》

冒頭の歌詞。周りと比べて「自分は?自分は?」と追い詰められていた私がよく知っている言葉だった。

《でもね、僕は何かに怯えている/みんなもそうならいいな》

続く歌詞も身に覚えがあった。置いていかれることに怯えていたから。みんなもそうだったらいいのに、そうだったらこんなに苦しくないのに、そう思ったことが何度もあった。

既に泣いていた。優しい声に導かれるように、涙が目の縁から零れて頬を伝っていた。

《ああ なんて素敵な日だ》

この言葉が何度も繰り返される。
力強く、勇ましい声が、宣言するように高らかに響く。

《幸せと思える今日も》
《夢敗れ挫ける今日も》
《誰かを好きでいる今日も》
《頬濡らし眠れる今日も》
《幸せに悩める今日も》
《ボロボロになれている今日も》

彼は、どんな日でも「生きている」ことは素晴らしいことだと唄う。
嬉しいと、悲しいと、楽しいと、苦しいと、感じられることは幸せなことだと、そう言うのだ。
焦りながらもがいて、答えが出ないと悩んだ日々を、私自身が「無駄だ」と切り捨てていた日々を肯定してくれた。

嬉しかった。生きていていいと言って貰えた気がした。嗚咽のせいか、息が上手くできなくて、胸が苦しくて、でも幸せだった。

思えば私は自分に自信を持つのが苦手で、人と比べては自分に落胆して、焦ってばかりいた。
成功した人を妬んで、何も手にできない自分を憎んでばかりだった。
人と自分を比べることはときに残酷なことだ。自分を追い詰めるだけだと分かっていながらもやめられなかった。
でも、この曲は「それでもいい」と言ってくれている。
《全て僕のこと》
だから。

「これはなんの役に立つんだろう」

意味を、目的を問うてみたが答えは見つからない。でも、1つだけ確かなことがある。

《今日まで歩いてきた/日々を人は呼ぶ/それがね、軌跡だと》

直接何に役に立つかなんてわからない。
でも、それは私の足跡として残り、経験になる。大切な、そして唯一無二の『僕のこと』になる。

いつか。
いつの日か、今日の日を懐かしく思える日が来るのだろうか。何事にも目的と意味を見出せずに悩んで、人と比べては焦り、苦しみ、生きることにすら理由を求めた日々が何かに繋がる日が来るのだろうか。あれも青春の1ページだな、なんて笑える日が来るのだろうか。
今はまだ不安だらけだ。それでもそう信じて1歩踏み出すことに意味がある気がしている。

良くも悪くも私は私にしかなれない。でもそれでいい。私にしか残せない「軌跡」があるのだから。唯一無二の私になるために、「軌跡」を残すために、1歩を踏み出さなくては。

今もどこかに、私と同じように何かに悩んで、立ち止まっていると感じている人がいるかもしれない。いや、同年代の「思春期」を迎えた人たちならきっと誰もが悩みを抱えているのだろう。
そんな人たちに、そしてそんな日々を乗りこえた人たちに1人でも多く届いて欲しいと思った。

この歌と共に歩いていくことを────生きていくことを────私は誓う。

《僕は僕として、いまを生きてゆく/とても愛しい事だ》

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