616 件掲載中 月間賞発表 毎月10日

2017年5月15日

なほ (22歳)
8
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

Bob is Sickとバンドエイド

活動終了1年越しのラブレター

“いいカッコしい”の自分が嫌いだった。
八方美人になる度に自分が苦しくなって、いいこぶりっこなんて言われてもどうしたらいいのかわからなくて、心が疲労していく毎日。

そんなとき、ふいにBob is Sickというバンドに出会った。当時マイブームとなっていた「バンド漁り」で発掘した、フォロワー2000弱の小さなバンド。見つけたときの印象はそんなもんだった。無料配信音源を聴くまでは。

-いい人になろうとして嘘つきになりました-
音源をダウンロードして、再生ボタンを押して、一言目の出会いがその詞。息が止まった気がした。心臓がぎゅってなった。言葉では表せられない衝撃が走った。
-優しい君をやめてしまえばいいよ-
-悲しい君もやめてしまえばいいよ-
そうだね。完璧も批判がないのも絶対に無理。自分が成長できるなと思うこと楽しいなと思うことを、自分のためにやればいい。八方美人でもいい。自分の心が苦しくなる芽はつんでしまえ。たった一曲聴いただけなのに妙にすっきりした。
『毛布にくるまって』。その曲のタイトルだった。

それからわたしはBob is Sickの楽曲を朝も昼も夜も貪るように聴き込んだ。通院しながら2回ライブにも行った。案の定、号泣してしまったけれど。
彼らの音楽は心に寄り添い、悲しみも苦しみも全てあたたかく包み込んでくれるバンドエイドのような存在なのだ。頑張らなくてもいいよって聴くと心が落ち着く。自分のペースで頑張ろうって思える。出会えて良かったなぁと心の底から思えた。
もっと彼らの音楽を生で聴きたい。彼らの生まれ故郷でライブを観てみたい。秋までの実習が終わったら名古屋へ行こう、そう心に決めていた。

「【お知らせ】
Bob is Sickは2016.7.16のライブをもって活動を終了します。8年間、本当にありがとうございました。」

忘れもしない2016年6月2日。学生最後の年、学外実習の最中だった。たった3行のツイートを見た瞬間泣き崩れた。嘘だ。あまりに突然すぎる。どうして?どうしてなの?まだわたし、支えてもらいたいのに。
それから活動終了まで3回のライブがあった。実習中でどのライブにも足を運ぶことは叶わなかった。わたしは彼らの最期を見届けることよりも、自分の夢を優先した。彼らの最後のライブ音源を聞きながら、今でも後悔している。
バンドマンにも1人の人間としての人生がある。そんなことはわかっている。今までいろんなバンドの「終わり」を見てきた。何事にも終わりがあることは理解しているつもりなのに、どうしてもBob is Sickというバンドをもう一度観たくてたまらないのだ。

活動終了してそろそろ1年が経つ。Bob is Sickが好きだったのか久世悠喜が紡ぐコトバが好きだったのか今となってはもうわからない。自分自身の新たな1歩を踏み出すために、Bob is Sickの歴史と曲に踏ん切りをつけるために、新幹線の切符を握りしめて名古屋の歌い手の元へ向かう。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい