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「stay with you」

8月11日、back number 東京ドーム公演で私が感じた全て

その文字を見た時に、驚きはなかった。ああ、やっとか。

「back number 東京ドーム公演」

「いつか東京ドームに」。2013年9月初の日本武道館公演で誓ったこの言葉。まだその頃は、まだ楽曲のタイアップも数えるほど。でも、私たちは信じていた。いや、東京ドームに行けなくたって、ずっとあなた達を想っていたけれど。「共感できる女々しさが話題のロックバンド」。口コミでじわじわとファンを獲得し続けていた。それから5年の月日が経った。CMソング、ドラマ主題歌、映画主題歌。「恋愛ソングのカリスマ」「女子高校生のカリスマ」と呼ばれる程に、正に”飛躍”し続けた彼等。そして今日、”約束”が果たされた。

東京ドームの55,000人が息を呑んだ。

「ーーー幸せとは」
清水依与吏の息遣いを、まだ私は覚えている。全ての始まりは、きっと彼がひとり、部屋の隅で口ずさむ歌と、掻き鳴らすギター。そんな始まりに思えた。

「ー星が降る夜と眩しい朝が 繰り返すようなものじゃなくー」
鮮やかな照明。見渡す限りの人。年齢も性別も、生きてきた軌跡も人生も違うのに、back numberを聴くためだけに集まったオーディエンス。まさに”瞬き”をせずにはいられない、眩しい光景だっただろう。

「ー大切な人に降りかかった雨に傘を差せる事だー」
開演前に突然降った雨。寄り添って傘を分け合う人達を思い出した。天候まで、back number を演出してみせるのかと思った。

この光景を一生忘れたくないと思った。

新旧、表題曲、カップリングを織り交ぜたセットリスト。「今も過去も、表題曲もカップリングも愛してくれてありがとう」、そして「こんな俺達も知って欲しいんだ」という意図を感じたのは、私だけだろうか。

哀しい歌も、苦しい歌も、優しい歌も。慈しむように、愛おしそうに。曲中の”あなた”に届けと歌ってくれた。何万人というオーディエンスがいる中で、私達ひとりひとりが、「私のために歌ってくれた」と感じさせてくれるような、熱くまっすぐな叫びだった。

曲によって環境も、感情も、性別も変えてみせるような、清水依与吏の表現力と多面性が好きだ。この東京ドーム公演でも、それが垣間見えた。
ギターをかき鳴らし、きらきらとした瞳で嬉しそうに観客を煽りはしゃぐ様子は、ギターを初めて覚えた少年のようにも見えた。

お気に入りの曲だと言って、「胸触りたい」と陽気に歌ってみせた。

2009年以来だという、サポートメンバーを除いた、「back number」メンバー3人のみの演奏。オーディエンスの為でもある。でもきっと、【俺達の原点は、これからもずっとこの3人なんだ】という3人のための時間にも思えた。そして、その移動は時間をかけゆっくりと、ゆっくりと歩いて行われた。観客達の笑顔に、手を振って応えてくれた。

ライブ終盤、「東京ドームという舞台で演奏できて本当に嬉しい」「ありがとう」と涙ぐんでいた。いつも「再生ボタンを押してくれなきゃ、俺たちはここにいられない」と感謝を伝えてくれた彼等。夢を共有し、約束し、その夢が叶う瞬間を、一緒に味わわせてくれた。ありがとうと伝えるのは、私たちの方なのに。「back numberを聴いたことを後悔して欲しくない」back numberを聴いたことを後悔することなんて、あるのだろうか。(泣いてしまったり、思い出してしまう、という意味で、後悔するCMはあったけれど)。きっと東京ドームでワンマン公演を行えるアーティストは、ごく僅か。どこまでもどこまでも、彼等は傲ることなく、もがき続けるのだろう。

「背中は押してくれなかったけど、隣にいてくれたな、と思ってもらえたら。」back numberは、清水依与吏が隣で泣いている、だからもらい泣きしてしまうのだと。そんな風に感じていた。ああ、通じ合っているんだな、と思った。

今回のツアータイトル「stay with you」は、何年もの月日を経て紡がれたひとつの物語だ。
2010年に発売となったインディーズ時代のアルバム「あとのまつり」収録曲、「stay with me」。「あなたがここにいてくれたら、これ以上の幸せはない」と、想いを綴る歌だった。
2013年、初武道館公演のタイトル「stay with us」は「僕達と一緒にいて欲しい。」というメッセージ。
そして、今回のツアータイトル、「stay with you」。自分達を指す「me」「us」から、「you」に変わったのは、きっと、彼等の成長と自信を表わしている。東京ドーム公演を迎えた彼等の、「私が今度は、あなたのそばにいる。」
 

彼等はきっといつまでも、私たちのそばにいてくれる。

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