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もう頑張れなかった私を復活させてくれたのは

クリープハイプの『もうすぐ着くから待っててね』によせて

私は今年また受験生になる。高校受験を終え、やっとあの辛い時期を乗り越えたと思ったらまたやってきた忌々しいアレ。頑張って、頑張って、頑張り尽くして、それでも確かな結果は保証されないアレ。大学受験である。今の私は進学校(自称…??)に通っておりどう足掻いてもたくさん勉強をして良い大学に入ることがゴールなので、きっとこれから茨の道だろう。しかし私には頑張りぬける自信がある。なぜならクリープハイプがいてくれるからだ。
2年前、私は1度目の受験を迎えた。直前になっても中々志望校が決まらず、ここだ!と絶対ここに行きたい!と最終的に志願したのは難関の大学付属の高校。急いで推薦入試に向けて準備をし、より勉強に励んだ。雪の日も台風の日もいかなるときも塾に足を運んだ。私ひとりしか来ていないときもあった。そのくらい命をかけたと言っても過言ではないくらいに取り組んだ結果、不合格。胃が落ちていくようだった。これまで支えてくれた先生や、両親、友達に申し訳なくなって、それでも1ヶ月後には同じ高校の一般入試がある。なんとか気持ちを切り替えて望んだ。死ぬほど勉強した。寝る間も惜しみ学校の休み時間もひたすら過去問を解いた。結果は、また不合格。申し訳ないのと不甲斐ないので消えてしまいたくなった。気を使って労ってくれる両親に合わす顔がなかった。こうして私の高校受験は失敗に終わった。しかしこの二週間後には公立受験が待っていた。もう耐えられなかった。なんにもできない自分とどんどん進路が決まっていく友人の嬉しそうな顔とそれを心から祝福できない自分に虚しさを覚えた。その後私は情けないことに塾の補講をすっぽかし「もう受験なんてやりたくない、公立なんて行かなくていい、もう終わりでいい」と今までたくさん応援してくれた母に言い放ったのだ。
泣きながら眠る夜が続いた。もうだめだと思った。何もしたくないなと思った。その頃丁度クリープハイプの『もうすぐ着くから待っててね』が発売された頃で、私ももちろん購入していた。何気なく手に取り受験が終わってしまったから、聞くかとCDを入れ歌詞カードを見る。
1曲目の『ただ』という曲が一番先に目に耳に飛び込んできた。
《もうやめた もうやめた もうこんなことやってられるかよ
もう決めた もう疲れた 今日でやめてやるよ クソ クソ クソ
あっ、嘘 こっちみて
ねぇ、ただ好きなんだ》
の文字が心を締め付けた。きっとこれは恋愛のことについて書いてある歌詞なんだろうけど、今の私にもぴったり当てはまった。最後のあっ、嘘も、だ。これで気づいた。私はやめたくなかったんだ。まだ可能性があるならやってみたいんだ。
《どこにでもある物が どこにもない物になる瞬間》
どこにでもある不合格という結果を私だけのものに、糧にして前に進みたいんだ。と思った。そしてまた、泣いた。
次に流れてきたのは『陽』だった。
《もうじゅうぶん悲しんで 今から何をしようかな
シーツに包まって消えた

今日はアタリ 今日はハズレ そんな毎日でも
明日も進んでいかなきゃいけないから
大好きになる 大好きになる 今を大好きになる
催眠術でもいいからかけてよ
明日も進んでいかなきゃいけないから》
そうなのだ、私は私が過ごした今日を自分で無下にしてはいけないのだ。自分で無下にしてしまったら誰が私を慰めて、立ち直らせるんだ?私のことは私しか大切にできないし、前に進むのも私自身だ。泣きながら進んでいくことを誓った。明かりもつけず真っ暗な部屋で泣いていた自分に、クリープハイプが太陽の光をくれたようだった。
決して全肯定してくれる歌詞なわけではない。尾崎世界観はひねくれている、とよく言われるがそのとおりであると私も思う。だけど尾崎さんには優しさがひねくれた先にある。曲がりくねった道を抜けた先には彼のあたたかさがあると思う。バンド全体のサウンドだってそうだ。れっきとしたロックでかっこよく、またその中にあたたかみがあるように感じる。彼らの楽曲が私達の背中をグイグイ押すのではなく、私が私自身を認めて、歩き出せるように光を灯してくれるのだ。だから私はクリープハイプが好きだ。そしてクリープハイプによっかかってしまう。何もない私でもクリープハイプがあれば何でもできるような気がするのだ。結果私は最後まで勉強をやめず、公立高校に無事合格し、今ではバンドをやっている。とっても楽しい高校生活が待っていた。彼らが火を灯して導いてくれた先には素敵な未来が待っていたのであった。
もうすぐ2度目の受験がやってくる。きっと辛いだろう、苦しいだろう、逃げたくなるときも、消えてしまいたくなるときも、投げ出したくなるときもあるだろう。そんなとき私はクリープハイプのどの曲に支えてもらうのだろうか。少し楽しみでもある。自分なりに、不規則でも、前に進んでいきたいと思う。彼らが導いてくれると信じて。

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