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夢は叶う、30年間歌い続ける2人に見せてもらう夢

24歳が DREAMS COME TRUE を見て聴いて感じること

現在24歳だが私が産まれるより前から活動しており
今もなお第一線を走るアーティストについて。

今年デビュー30周年を迎えるDREAMS COME TRUEだ。
 

私が初めて彼らのパフォーマンスを見たのは
『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2007』
(以下ワンダーランドと表記)というライブのDVDである。
見た、といってもタイトルの通り2007年に開催されたそのライブは約12年前。
当時小学6年生の私は完全に母親の影響であり
リビングで流れるバラエティ番組と同じ感覚になるはずだった、
という方が正しいだろう。

その当時、私が音楽に接する機会は
父親のお気に入りであったThe Beatlesの自作MDを数枚もらい繰り返し聴いていたくらい。
あとは車で流れるラジオとテレビの音楽番組。

そんな音楽ともライブともほとんど無縁だった私に
そのライブ映像はとてつもない衝撃を与えた。

マーチングの音から始まるステージはとてつもなく華々しくて
これから1秒たりとも目の離せない素晴らしいステージが始まる、
ということをこれでもか!というくらいビシビシと伝えてくる。
国立競技場に集まった約60,000人の歓声と手拍子は、
そこに会した全員の高揚を現すかのように次第に大きくなる。

そしてホーンの音の鳴り響く中、中村正人が登場。

オープニング曲の盛り上がりとともに中村正人が手をあげると
ステージの真ん中に浮かびあがった風船が上に昇る。
そこに吊られ登場したのが、目にいっぱいの涙をためた吉田美和だ。
大歓声の中、吉田美和が息を吸う音が会場に響くと
待ってました、と言わんばかりに会場全体一瞬にして静寂が訪れる。

《きっとそうなんだ 巡り会えたんだ
ずっと探してた国立ワンダーベイビーズに
いつもこんなに幸せな気持ちに してくれてありがとう》
-史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2007

『うれしい!たのしい!大好き!』のサビ部分を
アドリブを交え見事なまでにアカペラで歌い上げ、ライブは開幕する。

《ありがとう》の部分は涙を堪えるがために吉田美和の声がわずかに震えた。

今思えば、メロディにありったけの想いを乗せ
アレンジを交え歌い上げるのは彼女の得意分野だが
当時未だそれを知らない私にとって、
嬉しさも緊張もいろんな溢れ出る感情をそのように歌い
観客に魅せるその姿に心奪われたのは言うまでもない。

幼ながらに言葉を失った瞬間だった。

その後なにかに取り付かれたそれのように
小学6年生の私は3時間越えのワンダーランド2007の映像を
ずっと食い入るように見ていたように記憶している。

今こうして書いているのも完全に頭にインプットされているものだ。
あのDVDは本当に擦り切れるほど見た。
ダンス、シャウト、掛け声、歌い方、アレンジ……
ほぼすべてが頭に入っていると言っても過言ではない。

そのくらい衝撃的で魅了され、惹きつけられたのだ。

こうして私はプロミュージシャンとしての、またパフォーマーとしての
DREAMS COME TRUEの凄さを知ることとなった。

それ以来、12年間DREAMS COME TRUEを聴かなかった日は
1日たりともなかったかもしれない。

聴けば聴くほど、歌詩の世界に惹かれ、
キャッチでポップなメロディに惹かれ、時にダークな曲に惹かれ。

そんな数あるストーリーのなかで特に好きなのが彼らの初期の楽曲によく登場する
強気で自信満々なのにまったく純粋無垢で素直な女の子だ。

《今日はずいぶん目が優しいのね いつもより10倍くらい笑ってる
ふと駅前にある鏡覗けば 髪はぐちゃぐちゃ おでこ全開
まぬけだわ 完全にばれてる》-Ring! Ring! Ring!

《こんなに手応えのない恋は初めてなの
どんなにうまくアプローチ重ねてもダメなんて
いつでもわりとたやすく恋を手に入れてきた
今まで学んだノウ・ハウ
マニュアル通りに進まない》-APPROACH

《はっきり言ってかんたんなサラダ
切って盛るだけのかんたんサラダ
誰でもつくれる それを残さず
食べてくれるあなたが好きよ》-あなたにサラダ

曲の中に登場する彼女たちの
高まる気持ちを隠しきれない“喜”と
聴いてるだけもこっぱずかしい“楽”の描写は
恋愛とはこういうものなのか、と
どこか背伸びをするような感覚で聴いていた。
恋愛ドラマを観ているようでとても心地かった、
と同時にそんな女の子たちに憧れを抱いた。
 

またその一方で

《あなたはすでに誰かのもので
ふざけるか他愛ない電話以外は
思い出も増えていかない 増えるはずもない
会いたい人には ぜったい会えないクリスマス
大人の方が 恋はせつない》-もしも雪なら

《わたしがひとりになった午後も 小さな人形が見ていた
「ふたりのもの」が思ったよりあって
思い出ひとつひとつ 分けるのが
いちばん大変で 悲しいパート
だから さびしそうなジョー
あなたも ふたつには裂けない》-哀愁のGIジョー

《一秒一秒がはてしなく大切だった
あなたがたばこに火をつけると
これでまた何分かはいっしょにいられるって
すこしほっとしたりしていた
ooh la la 信じる気持ちと 思う強さは 別だったんだ
どうして学べるの? 必死なだけの毎日
他には何にもなくて良かった
でも 好きだけじゃだめなんだ》-好きだけじゃだめなんだ

先程とは反対にやり場のない怒や
抱えきれない溢れ出る哀が人生には伴うことを教えてくれた。

そんな歌詩を歌う吉田美和の透き通るような伸びやかで美しくて力強い歌声も、
30年の月日が経ってもまったく色褪せない現代の音楽シーンに馴染むほど緻密に作り上げられた音楽も、
中村正人のベースラインも、
なにもかもが飽きるどころか私の日常を彩る大事な要素の1つとなっていったのだ。
 

そうして12年が経った。

今年は私が彼らを知るきっかけとなった
『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND』が開催される。

ワンダーランドは1991年より4年に1度必ず行われているため、今年8回目となる。
ファンのリクエストを募り順位の高かった有名曲ばかりで構成されるそのライブは
4,5回の衣装替えがあったり、吉田美和がシルクドソレイユの技術を初めて日本に持ち込みドームを縦横無尽に宙を飛んで歌ったり、ステージが生き物のようにどんどん変形したり。
まさに移動遊園地のようなライブなのだ。

そんなワンダーランドの開催とデビュー30周年が重なった。
周年で行われるライブが特別なものになることは音楽ファン、
ライブファンの皆様にはお分りいただけるだろうが
そこにワンダーランドも重なるとなると
居ても立っても居られない、どうもそわそわしてしまう。

そしてそれを勢い付けるかのように2018年から2019年にかけて
ワンダーランドの前夜祭と銘打ったライブイベントが行われた。

その際、吉田美和ははっきりとこう言った。
「ワンダーランドは“今”だからこそ伝えたい私達の曲を届けるライブにする」

シングルCDに特典などなくても300万枚売れる時代ではない今、
サブスクリプションが音楽の主流となりあまりに手軽に音楽を楽しめる今、
売り上げではなく誰でも見れるYouTubeの再生回数で測られるようになった今、
配信のみになり歌詞カードを手に取る機会が少なくなった今。

それは音楽のみならず様々なものがあまりに便利になりすぎたが故に
忘れてはいけないことまで目を向けれなくなった今だ。

この30年間どんな世の中に対しても
何も変わらない人間の感情を、生き様を歌い続けた
DREAMS COME TRUEは“今”をどのように感じているのだろう。
この時代に対してどんな事を伝え、どんな歌を歌い、どんな音を奏でたいのだろう。
 

そして、どんな夢を叶えたいのだろう。
 

前夜祭として開催されたライブイベントが終了し
会場中にワンダーランドのオープニングテーマ曲が流れる。
そして客席の手拍子を背にステージを去る2人はいつもどおり肩を組み、手を力強く空へ掲げた。
それはとても力強く、何の迷いもない二人の決意を感じた。

そんな二人の背中をみて
初めてDREAMS COME TRUEをみた2007年12歳のあの日、あの瞬間を
フラッシュバックしたように思い出した。

さあ、DREAMS COME TRUEのスペシャルな一年が始まった
もちろん、こちらもついていく用意は万端だ
一秒一瞬たりとも逃すまいと目を開き耳を澄ませている。
 

彼らが見せてくれる夢を31年目の景色を、そしてその先も
ずっと一緒に見続けていきたい。

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