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2017年5月18日

SF (19歳)

JAPAN JAM 新天地で迎えた開催初日

GWに彼らが集う理由

 2017年、千葉県の幕張海浜公園から千葉県の蘇我スポーツ公園に開催場所を移し、ゴールデンウィークのど真ん中、5月4・5・6日の三日間でJAPAN JAMが開催された。
 都心からは少し離れた場所での開催となったが、電車のアクセスは良く、最寄り駅からも10分程度で行けるため、かなり交通の便がよいと言えるだろう。会場は3ステージあり、うち2ステージは足元が人工芝なので、砂埃が気にならないし、疲れにくい。また、1ステージごとにかなり広々と作られているため、人工芝に寝転びながら音楽に酔いしれることも(混雑状況によるが)できる。ステージもそれぞれ近くにあるので移動で苦労することは皆無だと思う。
 そんな新転地で開催初日から熱いライブが行われた。
 まず、SUNSET STAGEのトップバッターを務めたのはsumika。1曲目に披露されたのは、Lovers。トップバッターの1曲目にもかかわらず、アットホームな空間が自然と出来上がっていく。そして掴んだ流れをそのままに、2曲目に披露されたのはMAGIC。曲が終わるとボーカルの片岡健太は「JAPAN JAMは三日間開催されるからたぶんたくさんのアーティストさんが出演すると思う。その中で7位入賞狙いに来ました!sumikaです!」と話し、3曲目にソーダが披露される。サビの1フレーズをアカペラで歌い上げ、「みんなの顔を見てたら気が変わりました!一等賞取りにきました!sumikaです!」と言い、そこからバンドサウンドが会場全体に響き渡る。そして、その言葉で客席のボルテージはさらに高まり、4曲目のカルチャーショッカーではオーディエンスが手を叩いて、振って、各々が自由に踊り出していた。その勢いのまま5曲目にはふっかつのじゅもんがかき鳴らされる。客席はもちろん、ステージ上で演奏する彼らも最高潮の盛り上がりを見せたまま、ライブはラストへ。片岡は「−こんなことを言うのはバンドマンとしてどうなんだろうって思うけど、ここにこうやって来てくれた人と画面越しじゃなくて、顔を突き合わせてライブをする意味が知りたくて、今日ここに来ました。みんなの力を貸してください。」そういって最後に披露されたのは「伝言歌」「1番はバンドの歌かもしれないけど、2番からはあなたの歌になって欲しいとそう願う歌です。」曲中にそう叫ぶと2番のサビで大合唱が起きる。片岡はこんな言葉でライブを締めくくった「長い間バンドをやっていると何が生きがいなのかわからなくなる時があるけど、僕は今ここで歌うために生きてきたんだと思う。−今日、間違いなく生きがいはここにあったと思います。あなたにとってもそうであればと思います。愛しています。」<伝えたい/全部あなたに−>歌声が響き渡り、そのエネルギーがどんどん広がって、照らす太陽にも負けないようなキラキラな時間を作って全ての観客を魅了した。
 SKY STAGEに登場したのはNICO Touches the Walls。1曲目に披露されたのは夏の大三角形。ボーカルの光村龍哉の声がどこまでも響き渡り、目の前の観客に向けて一音一音丁寧に音を飛ばしてくれるバンドの雰囲気に応えるように会場全体が優しい雰囲気に包まれていく。2曲目は野外の空気感にぴったりなバイシクル。光村が「まだお目覚めじゃないんですか?」というと3曲目に手をたたけ。<子供みたいとか言うやつぁ/いつから大人になったんだ?>という歌詞が響きわたり、子供も大人も関係なしに自由に体を揺らしながら音楽を楽しんだ。4曲目のMOROHA IROHAではライブのテンポを加速させる、アグレッシブなパフォーマンスで客席の熱気を自然と高めていく。音数の少ない曲からだんだんとアクセルを踏んでいく彼らのステージは、聴く人のテンションを自然と上げてしまう。気がつけば手を上げて、踊って、笑っているようなそんな空間を彼らは自然と作っていた。5曲目の天地ガエシではそんな空間をさらに開放的にするようなメロディーに加え、だんだんと早くなっていく曲のテンポが観客の熱量をさらに増していく。6曲目のTHE BUNGYでのコールアンドレスポンスで上がりきったように思えたボルテージはさらにぐんぐんと上がっていく。そして7曲目にマシ・マシ。落ち着いた曲調から放たれるエネルギッシュな言葉たちに観客は呑まれていく。「ここにいる俺たちの今日より明日、明日より明後日がマシにマシますように!」<あとはきみしだいです>この言葉が印象的な曲だが、その言葉は決して聴き手を突き放すようなものではなく、肩を組んでお互いに前を向こうよと勇気付けられる、自分の活力になるようなそんな曲だ。<自分次第でマシな方に変えていけるさ>そう声高らかに歌い上げ、彼らはステージを締めくくった。
 日が傾き始める頃、LOTUS STAGEに登場したのは04 Limited Sazabys。昨年、天候の影響によりライブが中止になった彼らは2年越しのJAPAN JAMということもあり、最初からアクセル全開でライブを始めた。1曲目はWarp。<誰か人が書いた物語の中じゃ死ねない>という言葉になぞられて、オーディエンスは各々自由に音を吸収し、踊っている。2曲目はclimb。<死にたくなるほど負けたくないから>といってパワー全開のライブをする彼らに負けじと客席の熱気も上がり続ける。そのあともまくしたてるように曲を鳴らし続け、ボーカルのGENはMCで「僕たちはどうにかしてみんなに生きるパワーをあげたいと思っていて−。君たちのネガティブな感情を爆音で全部ぶち壊して、君たちを武装させるんで、また日常を頑張って生きてください。それでまた、そのエネルギーが足りなくなったらライブハウスに会いにきてください。」そうして演奏されたのはBuster call。もう我慢できない!といったように次々にステージに向かって人が走り出していく。「言葉には強い力がこもっています。」とGENが言ったあとに演奏されたのはswim。「YouTubeじゃ足りなくてここにきたんだろう?」という声に観客はさらに熱を帯び、ここにいる幸せを噛み締めながら曲に合わせて暴れまくる。そして「最後にもう一曲やっちゃってもいいですか?」と言い、両手を握りしめながら「あの頃の気持ちを思い出せ」と言うと最高潮の盛り上がりのままにRemember が爆音で鳴り響く。終始自らのペースのままにライブをやりきった彼ら。落ちていく太陽に向かって吠え続けたステージは<生きたくなるようなトドメのメロディー>で溢れていた。
 日も暮れた頃、登場したのはTOTALFAT。登場から熱気に包まれたオーディエンスに向けて、1曲目に披露されたのは宴の合図。<唄え踊れ泣け笑え/夜行性の太陽たちよ><忘れられない夜を過ごそう>という歌詞そのままに、オーディエンスは肌寒くなってくる時間帯にもかかわらず汗をかきながら踊り狂う。2曲目はライブの勢いそのままに夏のトカゲ、3曲目に演奏されたのはPlace to Try。曲が始まった瞬間会場全体がひとつになり、サビでは会場中に大合唱が響き渡る。そこにいたオーディエンスの青さをめいっぱいに引き出し、あっという間に会場を熱気の渦に巻き込んでしまう。そして4曲目には晴天を披露。<雨のち曇り/そんな心も/今日で全部晴らそう>そう歌う彼らに心も体も預け全力でステージの上の彼らにぶつかっていくオーディエンス。5曲目にスクランブルが演奏されると、このフェスならではのセッションゾーンに突入。彼らがセッション相手として迎い入れたのはRIZEやThe BONEZで活動するJESSE。彼を迎えて1曲目に披露されたのはWe Sing Everyday For Hometown。曲中にまくしたてるように紡がれていくJESSEの言葉たちに会場のボルテージのみならず、ステージ上のアーティストのバチバチとしたバトルにもさらに火がついていく。そのあとにRoom45をやり終え、JESSEは「TOTALFATも俺も音楽をやってきて、俺なんかはRIZEをやってて『あ、The BONEZの人RIZEもやってるんだ』とか『え、金子ノブアキって俳優なのにドラム叩いてるんだ』とかなんかいつの間にか逆になってることがこんだけ長いことやってるとあって。でもそれでも全然良くて、みんなの耳の中に俺の言葉を入れたくて、それで少しでも誰かの心を揺らすことができるならそれで良くて。そう思ってきっとTOTALFATも俺らも音楽を続けてます。」そう言った後に響き渡ったONE FOR THE DREAMSはもう無敵だった。そこにいる人たちが性別、年齢、境遇、アーティスト、リスナーそんな垣根を全て超えて、音楽と一体になっていた。JESSEはこう言ってステージを後にした。「諦めないでください、また会いましょう。」セッションの余韻冷めやらぬまま、最後にTOTALFATが鳴らしたのはPARTY PARTY。LOTUS STAGEのトリ、観客はもう1日中ライブを見続けて疲れているはずだ。それなのに、TOTALFATが音を鳴らすとみんなが全力で歌い出して、踊り出す。みんなが開放的でいられる空間。<Forever/君はひとりじゃない>ひとりにしない、ひとりになんか絶対にさせない。会場全体が音楽とひとつになるような、そんなライブ。少し肌寒い5月の夜空の下、間違いなく会場は<夜空の光に導かれ><夏の始まり>を迎えていた。
 新学期は特にたくさんの出会いがあり、めまぐるしく変わっていく環境の中で、うまくいくこともあれば、そううまくはいかないこともたくさん起きる季節だろう。そんな4月を駆け抜けてやっと一息つけるゴールデンウィーク。なんだか気が沈んで、何も手につかずにダラダラと過ごしている人が少なくないだろう。あなたが自分の部屋の扉を開けて音楽に会いに行ったら、ネガティブな、ぐちゃぐちゃした、ヘドロのようなそんな日々の鬱憤を爆音でぶっ壊してくれるような、見えている景色を変えてくれるようなアーティストと出会えるかもしれない。同じ空の下で同じように毎日毎日どうにか頑張って生きてきた仲間たちと出会えるかもしれない。まだまだ大丈夫だ、負けてられない、一歩ずつでも、そう思えるようなそんな出会いが待っているかもしれない。
 部屋の中で悶々と過ごすあなたにこそ行ってほしい、出会って欲しい。あなたの世界を変えるのはいつだってあなた自身だ。

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