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「風吹けば恋」私的解剖書

終わりなき変身、チャットモンチー

「風吹けば恋」
わたしはこの曲が大好きだ。チャットモンチーファンならずとも、この名曲を知っている人は多いのではないだろうか。なぜなら、青春を謳歌している若者が使う(偏見)、”あれ”のCMに起用されていたからだ。商品名を出していいのか分からないので、伏せておく。
実際、ロックを聞かない友人もこの曲だけは知っていた。そんな名曲、「風吹けば恋」を、わたしの個人的目線から解剖してみようと思う。

「風吹けば恋」私的解剖書

目的:大好きな「風吹けば恋」を、解剖することでもっと知りたいから

方法:音源を聴きまくる、ライブ映像を徹底的に見直す

考察:まずは、歌詞について。人は人、と思いつつやっぱり気にしてしまう乙女心。恋をしてまもない頃、自分でもその心に気づいているのか曖昧な時。「何だか近頃おかしいんだ」な恋のはじまりの、胸が高鳴るあの瞬間。そこから展開されるサビの疾走感あふれる、というか走ってる、あのときめく歌詞。
恋に気づいて走り出す、というストーリーが1番を聴くだけで分かる。簡潔でありながらも、ぎゅっと凝縮された恋の輝き。

ここで「余談」だが、「恋をする瞬間を知ってる? 私は知らない」というフレーズがある。「風吹けば恋」もその瞬間は描かれていない。きっと、この曲が愛される理由はそこにあるのだと思う。この曲で歌われているのは、一瞬で恋に落ちる、ドラマチックな物語ではなく、日々悩み葛藤する乙女が、ときめくあまり走り出したくなるような恋をするという、多くの人が経験したであろう物語なのだ。だからこそ多くの人が共感し、恋をしたときに鳴り出す音楽として、それぞれの心に残り続けているのだろう。

それは、ライブでの「風吹けば恋」についての話にもつながる。ドラムから始まるこの曲は、そのビートが刻まれだすと、観客は大いに沸くのである。この曲の人気をまさに表している。
……なんだかこの文章、異様に客観的すぎる気はしないだろうか。読んでくださっている皆様、それにはこういう訳があるのだ。

わたしがチャットモンチーに出会ったのは高校2年生のとき。地方に住んでいる貧乏学生ということもあり、ライブには一度しか行ったことがない。そのためここでの話は、過去のライブ映像を観た限りで、わたしが感じたことをお話ししようと思う。ライブにたくさん行かれている方は、この文章に違和感を感じるかもしれないがどうかご勘弁願いたい。

そんなこんなで見返したライブ映像は、完結後にリリースされた、「CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~」「BEST MONCHY 2 -Viewing-」より「風吹けば恋」である。
前者の「風吹けば恋」は、2018年7月4日に行われたラストワンマンライブでの映像である。
後者の「風吹けば恋」は、2010年8月8日、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2010でのライブである。
わたしは、くみこんのいるチャットモンチーを知らないため、この映像はとても新鮮に感じられた。それに加えて、わたしの知っているチャットモンチーより、とても尖って見えた。なぜだろう、と何度も観ているうちに、少しだけ理由がわかった気がした。

まず違うのは、えっちゃんの声。後者のフェスでの歌声は、まるで思春期の少女の心のよう。純粋さと強気が混じりあっている。野外ということもあるのかもしれないが、それだけではない気がする。
前者のラストワンマンライブの歌声は、その少女が成長したかのように聞こえる。

それに、メンバーの表情も大きく違う。後者のフェスでは、時折笑顔は見せるが、表情は豊かではない。一言でまとめると、かっこいいという印象を受ける。
反対に、前者のラストワンマンライブでは、客席を見渡しながら笑顔を見せたり、メンバー同士で(サポートドラマーも含め)アイコンタクトをとりあい、暖かな雰囲気を感じられる。
両者を比べてどちらがいいか、ということではない。どちらも最高なのである。2010年のフェスで見せた「風吹けば恋」の主人公の少女を、2018年のラストワンマンライブでの「風吹けば恋」の主人公が、自分自身を振り返っているように感じた。

つまりこの少女は、幾度となく変身してきたチャットモンチーとともに、変身していたのである。曲の主人公さえも変身させてしまうチャットモンチーはやっぱりすごい。
 

結論:「風吹けば恋」がただ好きだったわたし。だが、歌詞を深く読み込み、ライブ映像を見返すことによって、新たな魅力を発見できた。これは、前述した目的を達成できたとしていいだろう。

もう、チャットモンチーは完結した。もっともっと変身した「風吹けば恋」を聴いたり、観たりすることはできない。
しかし、ライブやリリースがなくたって、わたしたちの心で「風吹けば恋」を変身させることはできるはずだ。
だって、わたしたちも変身する。年齢、状態、環境などなど。それらが変われば、曲の聞こえ方も変わってくる。それは、「風吹けば恋」に限ったことではない。
終わりのない変身をチャットモンチーはわたしたちに見せ続けてくれる。だから好きだ。これからもずっとずっと。

ありがとうチャットモンチー。
 
 

Forever my Chatmonchy!!!

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