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今を生きる

THE BACK HORNの音楽から受け取ったもの

生と死と詞。彼等の歌詞集のタイトルであるが、私は彼等の音楽を表現する時にピッタリの言葉であると感じた。

THE BACK HORNとの出会いは中学生の頃、ちょうどベストアルバムが出た時期だったと思う。たまたま手に取ったアルバムを聴いてとても衝撃を受けたのを今でも覚えている。こんなにも人間クサイ曲を作る人達がいたのかと。それでいて、こんなにも美しい日本語の歌詞で歌うのかと。

ー 電車に乗る真昼頃 橙と青が交わって
  天国を作る時間がある (夕暮れ) ー

ー若き兵士が 愛しき者を守るため
  殺し合うのは 美しい 事だと
  本当に言えるのか(世界樹の下で)ー

当時、地方の田舎に住んでいた中学生が衝動的にライブチケットをとり高速バスに乗って県庁所在地のライブハウスまで行くという冒険をしてしまうほどに、私は彼等の音楽に影響を受け。何より彼等の曲に救われた。

上手くいかない家庭環境や人間関係。将来への不安。漠然とこのまま生きていていい事はあるのだろうかと思春期ど真ん中考えていた。そんな負の感情ややり切れない思いまでも彼等は曲にして歌ってくれるのだ、そして「生きろ」と言ってくれる。

ー ハッピーエンドの物語
  アリエナイなんて捻くれて
  きっと誰よりも信じてた心の奥の方
  (ハッピーエンドに憧れて)ー

春のように暖かく優しい曲があれば、凍てつく冬のように心に刺さる曲もある。感情を音にして歌うのがとても上手いバンドだと思った。

2014年に公開された映画「光の音色」も彼等らしい作品だと感じた。バンドの音楽映画といえば半生や人生を綴ったり、ドキュメンタリーの様なものが多いと思うが、「光の音色」ではセリフなどはなくTHE BACK HORNの音楽で主人公の感情を表現していた。とある外国のお爺さんの物語を彼等の曲で紡いでいくのだ。

当時中学生だった私が社会人になって数年たち月日の流れを感じているのと同じ様に、出会った頃は10周年であった彼等も20周年となった。

社会人になってから、中々タイミングが合わずライブに行けていなかったのだが、ついこの間、2月8日に行われたTHE BACK HORN 20th Anniversary「ALL TIME BESTワンマンツアー」〜KYO-MEI祭り〜ファイナル武道館公演に行ってきた。

楽しかった。

本当に楽しかった。

何よりもメンバーが楽しそうに演奏し、歌って、ステージで暴れまくる姿には年月など感じなかった。彼等は最高のライブバンドであり、表現者である。

新旧入り混じった構成のセットリストは、20年の活動の重みを見せて貰えた気がした。そして、さらに次へと続けていくという彼等の決意がつまったライブでもあったと思う。

今回、私がTHE BACK HORNのライブの中で1番好きな瞬間がある。
何度もライブで行なっていて、定番なのだが毎回心に刻まれるのだ。

無限の荒野と言う曲で、
山田さんが歌う「ここが死に場所なのか?」という歌詞に続き

会場全体で
「否、まだだ、ここでは死ねない」と、
皆んなで叫ぶあの瞬間。

拳を振り上げて彼等に誓うように会場が歌うのだ。

今回も鳥肌がたった。その歌詞の瞬間に武道館の照明もパッと会場全体を照らし、まさに会場が1つになる。この瞬間にいれた事を私は忘れないであろう。

何より、ライブの挨拶の中で何度も「皆んなまた生きて会おうな」と言ってくれていた彼等への返事を、勝手にだが曲にのせて言えた気がしているのである。

ここで、冒頭の生と死と詞である。彼等は曲の中だけではなく常に生きる事と死ぬ事を感じ、それを表現や言葉を変えながら私達聴き手に今の自分達の中の正解を見せてくれるバンドなのだ。

まだまだ20代のひよっ子である私ですら、人生とは長く険しく、厳しいものだと感じる。
私はきっとそんな中これからも「否、まだだ、ここでは死ねない」と口ずさみ、彼等とまた生きて会う為に日々を越えて行くのだろう。

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