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ハードロック★パラダイスへようこそ

PENGUIN RESEARCHに宿る少年の永遠

 
バンドマンよ、少年たれ。

とは、私が勝手に提唱している持論だが、頷いてくれる方は多いのではないかとこれまた勝手に思う。
「ロック」の解釈は人それぞれ様々あるだろうが、その中でも「童心」や「自由」というキーワードは重要なファクターの一つだと思う。
つまりそれらを突き詰めれば「少年性」と言うワードが浮かび上がってくるのだ。

大の大人が、子供のように純粋に、純真に、楽しそうに音楽に向き合っている姿を見ると、なぜか無性に「ああ、本物だな」と思う。
顔中身体中に汗をキラキラと輝かせ、心底楽しそうに暴れまわりながら演奏、歌唱する姿を見ているだけで、自分も子供時代に戻ったように心がウキウキし、世間体とか年齢とか性別とか、余計なレッテルを剥がして、ただありのまま、ひたすらカッコいいものだけを楽しむことができるのだ。
だからやっぱり私は思う。
バンドマンよ、少年たれ。
 

と、いうことで、ここで私の今イチオシのバンド、PENGUIN RESEARCHを紹介させてほしい。
「今最もライブが観たいバンド」という二つ名を冠し、2017年末から2019年2月現在まで、全てのワンマンライブをソールドアウトさせている。
かつてボカロPとして名を馳せたkemuこと堀江晶太(Ba)と、ボーカル・生田鷹司を中心に組まれたバンドだ。

前置きですでに察してもらっていると思うが、彼らは私がバンドマンに求めている「少年性」をこれでもかというほど携えていて、毎度ライブに行くたび、「次のライブはいつだろう」と首を長くしてしまうほどのバンドだ。
「今最もライブが観たいバンド」、というのはセールスコピーなのだろうとわかってはいるが、ファンの欲目であっても、それでもやっぱり「その通りだ」と強く頷きたい。

何せ彼らのライブはとにかく盛り上がる。なにを基準に?と言われたら筆者の主観で、としか言いようがないが、それこそメンバーそれぞれ「少年」のように、生き生きと、心の底から楽しそうにパフォーマンスをするのが最大の魅力であろうと思う。
そしてそれを支えるハイクオリティな演奏技術が、彼らの無邪気さをさらに際立たせる。
また、楽曲のライブアレンジも多く、ライブでしか見られないソロパートや、ライブでしか聞けないフレーズや煽り、コールアンドレスポンスもあり、同じツアーでも入るたびにワクワクさせてくれるのだ。
そういった新しい挑戦や演出も、彼ら自身がもっともっと楽しみたい!向上したい!という気持ちをみなぎらせて繰り出してくるので、受け取った私たちも無条件に高揚してしまう、そんなライブが魅力だ。

中でもここ最近で私が一番「少年」みを覚え、魅力に取り憑かれてやまない一曲が「ハードロック★パラダイス」だ。
この曲は別にタイアップが付いているわけでもなければシングルの表題曲でもない。最新シングルの通常盤にしか入ってないカップリングの3曲目だ。
しかしだからこそ、何の制約もなく、彼らの余りある「少年性」が炸裂したのかもしれない。

まず、イントロの1秒でもう体温が1度上がる。
破裂するような音の洪水。ゴーサインの出されたF1レースのように最初からフルスロットルで加速する疾走感。たった1秒で、もう笑い出してしまうほどの高揚感。
イントロだけで、一気にオーディエンスをPENGUIN RESEARCHの世界に引き込み塗り替えておきながら、歌い出しはこうだ。

「ピックスクラッチで叫んどきゃ 後はなんとかなる
早弾きだけしてたい 覚えづらいコードばかり使ってすまぬ」

もうこの時点で私はこの曲が大好きだ、と1周目から感服した。
わかるだろうか、この言葉にできないほどの「少年」感。
とにかくカッコいい曲が弾きたい、覚えづらくてもかっこいいからこれがいい、早弾き好き、カッコいい、とりあえず歌詞は今思いついた言葉で。
そんな副音声さえ聞こえてくる。もう愛おしくって堪らない。
にも関わらず、曲は間違いなくカッコいいのだ。本当に。ギュインギュイン鳴るギターにドロドロ響くベース。笑い出したくなるほどカッコいい。

「別に言いたい事ないけど 別に言いたい事ないけど
言いたい事なくても歌ったってええやろ別に」

その通りです、間違いない。
ただただ衝動のままに叫ぶことの何が悪い。格好良さが正義だ、その情熱こそが、正義だろう。
なんて意訳は私の願望なのかもしれないが、そう受け取ってしまったのだから仕方ない。
私には、確かにそこに「ロックスターに憧れる少年」の姿が見えたのだ。

しかもこの曲。ライブで聞くとさらに格段に魅力が上乗せされる。
元々分数の長い楽曲で、ソロパートも多いのだが、ライブでは更にそれが強調される。
メンバーそれぞれが全力を尽くしすぎているきらいがあるほど、ソロパートに全力を込めていて「今この世で一番かっこいい俺を見ろ!!!」と言わんばかりに弾き叫び叩き狂うのだ。

キーボードは定位置で、と言う固定概念をぶち壊し、ショルダーキーボードを携えてセンターへおどり出る柴﨑洋輔(Key)。その瞬間、確実に世界で一番かっこいいに違いない。
ギターソロでは、ステージ中央に設置され、エクスカリバーのごとくスポットライトを当てられたギターを、ギタリスト・神田ジョンがアーサー王よろしく恭しく手にとると、いっそ神々しいまでの超絶エモプレイを披露してくれる。
それはまさしく勇者の武器を手に入れた少年のごとく、ウキウキ爛々と瞳を輝かせて、獣のような眼光で笑いながらステージ上で発火している。そんな幻覚さえ見えるほどだ。

極め付けは最後の銅鑼だ。銅鑼。まさかの銅鑼。開演前から「どうして銅鑼が…」と囁かれていた、銅鑼。
その銅鑼を、新保恵大(Dr)が最後の締めに最高のドヤ顔で意気揚々と打ち鳴らす(いや、表情までは見えていないのでもちろん私の妄想だが)。
はじめは何がおきているのかよくわからなかったが、ここであの、いつ使うのかわからなかった銅鑼が鳴っている…!と気づいた瞬間なんだかもう、かっこよすぎて面白すぎて、一周回って笑ってしまった。
その銅鑼が鳴っている中で、メンバー達は皆、謎のガッツポーズ?を決めている。かっこいいのに、かっこいいのにあまりにも彼らが少年すぎて、悪ガキすぎて、あらゆる感情がシャッフルされてしまった。
笑いながら泣きそうになるくらい、「好き」の感情メーターを振り切ってしまう。

悪だくみが成功した少年のように楽しそうに笑う、メンバーを見つめながら。
ああ、これこそ私が求める「少年」だ、と無意識に手を合わせる。
「好きなものにこそ手を抜かない。悪ふざけこそ全力で」と言わんばかりに燃え焦げるほどの情熱と無邪気さこそが、私がバンドマンに求めている「少年」なのだ、と。心の底から震えた。
彼らは確かに間違いなく、「少年の永遠」を秘めた、私の大好きなバンドマンだ。

もしまだ彼らを知らないバンドファンがいたら、是非ともお勧めしたい。
笑っちゃうほど無邪気で純粋で、純粋ゆえに力強く、美しく。
年齢や常識にとらわれず、いつまでも瑞々しく輝く「少年」、PENGUIN RESEARCHをひとつよろしく、よしなにどうぞ。

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