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odol(オドル)は踊らない?

「four eyes」最高!クラブミュージックの傍観者にぴったり

これを待っていた!という音楽に出会ってしまった。odol(オドル)の「four eyes」。ただし、ご本人たちにとっては異色作という位置づけ。真に受けてはいけないらしい。

たしかに「4つの目」というタイトルどおり、クラブミュージックを俯瞰した歌詞とクラシカルなシンセの和音が加わっている。しかし基本のサウンドはバキバキのダンスミュージック。ギリギリ理性を捨てきらないところが絶妙である。

東京藝術大学生の森山公稀らが初めてクラブに行ったら踊れなかった……という出来事が反映されているらしい。クラブは自分の庭、まさにホームと感じる人もいれば、疎外感やアウェイ感を覚える人もいるだろう。odolは後者だったわけだ。

ダンスミュージックがおもしろいと思っても、家で揺れる程度でじゅうぶんという人も多いはずだ。なぜならクラブで理性のタガを外しまくって踊る集団を見ると引いてしまうから。結果クラブミュージックはパリピのものになってしまいがち……。

とはいえ、いわゆるパリピではないけれどサカナクションやD.A.N.なら踊れる。クラブには行かないけれど、ダンスミュージックが好きという人もたくさんいるだろう。

さらに、クリエイティブなクラブ関係者は案外、踊らない。もはや踊りを卒業していて、指先など体の一部で軽くリズムを刻むだけになっている。「いかに心地よく踊らせるか?(踊ってもらうか?)」とクールに考える側に回っているからだ。

本能と理性、右脳と左脳のバランスがほどよいイメージ。かっこいいサウンドを追求するとテクノになるものの、言葉も捨てきれない、歌があってほしい……という路線。ここにodolの「four eyes」がぴったりとハマる。

歌モノと捉えるとイントロにあたる部分は、完全に四つ打ちである。バスドラが効いていて、キラキラ系のシンセの上物も混ざってくる。はるか昔、本能の赴くまま世界の各地でトランスしまくった私には懐かしくてしょうがないサウンドだ。

ここに真面目な歌詞、ポップな歌が被さってくる。感動の大爆笑。そう、これ!才能のある誰か、やってくれ~!と私が切に願っていたことは。「かつての天才が笑わせたい」という内容の歌詞ともぴったり合致する。

<僕は普通じゃない 今も信じていたい>

ていねいにサウンドを積み上げたところで、繰り返されるフレーズ。この盛り上がり方、得られるカタルシスはダンスミュージックならでは。そこに歌や美しいシンセの和音が共存する。涙が出るほど嬉しい。望んでいた音楽だから。

<今日の僕はどうかしているから 間に受けないでくれないか?>

しかしodolにとっても「four eyes」は本筋の路線ではないらしい。たしかにクラブサウンドを追求する人にとって、この歌の乗せ方は禁じ手ともいえるだろう。逆にバンドを極めるなら、クラブミュージックに振り切ったサウンドは苦手かもしれない。

それでも私はodolの「four eyes」を信じたい。かつて踊り倒した卒業者のみならず、若い世代にもクラブミュージックの傍観者があちこちに潜んでいるはず……そう直感するからだ。

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