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2ヵ月遅れのラルクリスマス

確かに存在した奇跡の時間 L'Arc〜en〜Ciel LIVE 2018 L'ArChristmas

 L’Arc~en~Cielのファンクラブに入会してから15年が過ぎた。入会したのは少し遅い方かもしれない。ミリオンセラーCDが当たり前のようにヒットチャートを賑わしていた90年代後半、その中にはもちろんL’Arc~en~Cielの存在があった。意識せずとも、リアルタイムでラルクを聞いていた中高生時代。それから少し遅れてのファンクラブ入会だった。
 大学生になって、自由にライブに行けるかもしれないと思い、ファンクラブに入会した。行けた公演の数は多い方ではないけれど、学校の友人や知り合った同じラルクファンの友人とライブを楽しんでいた。

 それから数年が過ぎた2011年、L’Arc~en~Ciel 20th L’Anniversary TOURが開催された。東日本大震災が起きた年のことだ。私は20周年ライブに行きたいと思っていた。きっと仙台公演もあるだろうと期待していた。けれど、3月11日、あの悪夢のような震災が起きてしまった。宮城を始めとする東北地方はライブどころではなくなってしまった。その年の秋からラルクのツアーはスタートしたが、残念ながらその中に仙台公演はなかった。震災が起きる前までは仙台もツアーに含まれていたことを知ったのは、しばらくしてからのことだった。私は幻のライブに思いを馳せながら、ラルクの楽曲を聞いていた。
 その後も、ラルクは海外ライブや国内ライブを開催し続けている。私はいつかまたラルクのライブに行きたいと思いつつ、なかなか都合が合わず、行けず仕舞いになっていた。

 前置きが長くなってしまったが、去年2018年12月、なんとL’Arc~en~Ciel LIVE 2018 L’ArChristmasというクリスマスライブが東京ドームで2DAYS開催されることを知った。ラルクリスマスなんて、駄洒落グッズを多く作っているラルクなら、とっくに開催していても不自然ではなかったが、実はクリスマスライブは初めての試みだった。ラルクには冬やクリスマスに関する楽曲が多い。まさにクリスマスライブなんてぴったりじゃないか、行こうかなと思った。ファンクラブに入っているのだから、チケットは取れるかもしれない。しかし1日目は仕事の都合で、2日目は知人との約束で、東京まで行く時間はなかった。せめて全国の映画館でライブをリアルタイムで中継するというライブビューイングなら仙台で見られるんじゃないかと密かに企んでいたが、それさえ時間がなく無理だった。

 ラルクにどっぷりハマっていた頃の私なら、仕事や知人との約束を何とかしてでも、ライブに行ったかもしれない。けれど、数年間ラルクのライブから遠ざかっているせいか、いつの間にか優先順位が変わってしまっていた。でもその優先順位が変わってしまったことは、悲しむべきものではなかった。むしろラルクとの距離感がほどよくなっていて、ラルク漬けになっていた頃よりも、他の趣味にも時間を使えるようになったし、今のラルクとの距離感が最適だと思っていたからだ。ラルクの活動も以前までよりはそう多くはなく、メンバーはそれぞれソロ活動もしている。ソロ活動を追いかけていれば、寂しくはなかったし、時々サプライズのようにラルクが新曲を発表したり、ライブを開催してくれていれば、それだけで私は満足だった。無理して休みなく活動し続けて、解散なんて道に進むよりは、マイペースに活動してくれた方が、ファンとして安心もできた。ラルクが存在し続けてくれているだけで、私の心は満たされていた。マイペースな活動のラルクと、他のことにも目を向けられるようになった私の心は一致していて、ここ数年間は気楽に過ごせていたのだ。

 しかし、なぜかラルクリスマスの行方が気になって仕方がなかった。ライブが開催された2日間は深夜にセットリストがアップされるのをひたすら心待ちにしていた。さすがクリスマスライブ。冬の名曲、クリスマスの曲がずらりと並んでいる。しかもラルク結成初期の楽曲や、最新の楽曲まで年代の幅も広かった。こんなセットリスト見たことがない。せめてライブビューイングには行くべきだったんじゃないかと深夜スマホで神セットリストを見ながら、ひとり後悔していた。とても寒い夜のことだった。

 今年になって、ラルクリスマスライブの模様がWOWOWで放送されることを知った。ライブDVDがいつかは発売されるだろうけれど、それがいつになるかは見当がつかない。有料放送で見ようと決心した。ラルクのことで熱くなったのはいつ以来だろう。まさかラルクのために有料放送に加入するとは、まるでラルク漬けの当時みたいだと笑えた。

 そして2月23日、ついに見ることができた。2ヵ月遅れのラルクリスマスをこの目で確かめることができた。まるでアナと雪の女王のような美しい氷の世界。CGを駆使し、クリスマスらしいファンタジーな世界を見せつけてくれた後、メンバー4人が登場した。
 当然のことながら、正確なリズムを黙々と刻むアンドロイドのようなyukihiroのドラム、飛び跳ねているのに安定感のある重厚なtetsuyaのベース、楽しそうにギターと対話しながら、歌声にも負けない官能的なメロディを奏でるkenのギター、そして唯一無二の存在としての洗練されたhydeのボーカル。hydeはソロ活動を経て、さらに歌声に磨きがかかった気がする。過去の曲も磨かれた歌声で、さらに味わい深い曲に生まれ変わっていた気がする。基本的には変わっていないように見えるけれど、メンバーはそれぞれソロ活動で培った技術をそれぞれのパートでバンドにも反映してくれている。それがひしひしと感じられて、とても聞き応えのあるライブだった。

 winter fall、snow drop、Hurry Xmas、White Feathers、I Wish、雪の足跡などラルクにはこんなにもクリスマスや冬にぴったりの楽曲が多い。hydeさんは寒いけれど、誰かと温め合える冬が好きだと常々語っている。ラルクは七色だと思い込んでいたけれど、今回のラルクリスマスを見て気付いた。ラルクの色は白かもしれないと。雪や羽など白い色の演出がこれほど似合うバンドは他にいないかもしれない。2日目のhydeさんの真っ白な衣装なんて天使かと見間違えるほどだった。
 そして一番印象深かったのはhydeさんの最後のMC。2日目は朝から喉の調子が悪かったらしい。いろいろな人たちに支えられて、本番までに何とか歌える状態になったという。あえてMCの内容は書かないとして、ノーカットで放送された最後のhydeさんの言葉に対して、もしも言葉を返せるとしたら、伝えたいことがある。

 たとえ神さまがいないとしても、ラルクが存在してくれているのは確かなことだし、ラルクがクリスマスライブを開催してくれた時間が存在することも確かなことだから、それだけで私たちファンは十分幸せですと伝えたい。出会えた奇跡、愛し合えた時間は確かに存在するから、神さまを信じられないとしても、ラルクのことは信じられる。ラルクとクリスマスがこの世に存在していること自体が奇跡的で幸福なことだと実感した。

 もういっそのこと、毎年でもラルクリスマスを開催してほしい。せっかくほどよい距離感で過ごせていたのに、またラルク熱が再燃しそうで怖い。ラルクリスマスを見て、ラルクが好きだったことを思い出したし、思い知らされた。いつかまたライブが開催されたら、久しぶりに会場に足を運ぼうと思う。近いうちに奇跡の4人の演奏を生で見届けたい気持ちになった。

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