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2017年5月24日

ダル (24歳)

CIVILIANワンマンツアーに感じたLyu:Lyuからの進化

名が体を現す改名から一年の成果

名が体を現すとはよく言ったもので、爽やかな名前の人はその名の通り、爽やかな人であったりする。名前の影響は思ったより大きなものなのかもしれない。長年同じ名前を使っていると、名が体を現す…というよりも体が名を現してくるようになってくる。
名前に縛られ始めるのである。そんな閉塞感から脱したのがCIVILIANというバンドである。Lyu:LyuからCIVILIANへと名前を変えて約一年となるタイミングで先日ワンマンを行った。CIVILIANに改名してからライブを見たことがなかった私は、潮時かも知れないと思い心斎橋へと足を運んだ。結論から言うと彼らはもうLyu:LyuではなくCIVILIANになっていた。もちろんLyu:Lyu時代の曲も数多く披露してくれ、変わらない良さがそこにはあった。しかし、明らかに大きく進化していた。人によっては今までとの違いを嫌がる人がいるのではないかというほどに進化していた。ここまで大きく躍進できるのか、と私は目を丸くするばかりだった。

Lyu:Lyuと言えば鬱々とした歌詞とコヤマのどこか影のある声に、ベースが重く響くバンド…というのが私のイメージだった。私はそういった魅力に引き込まれた。他のファンもいくらか共感してくれるかもしれないが、Lyu:Lyuは陰鬱なバンドなのだ。気分が沈んでいる時に聴くと更に深い沼に引きずりこむような曲ばかりだった。だからこそ嫌なことがあった時には決して聴かないようにしていた。もっと暗く沈んでしまいそうだったから。

初めて彼等を知った「カッターナイフと冷たい夜」もそうだ。メロディーライン、ベースライン、そしてコヤマのかっこよさは言うまでもないのだが、どこか影のある曲調で暗闇でもがくような曲だった。思春期だった私はこの曲に強く惹きつけられたが、これがもっと大人だったらどうだったろうか。好きになったか自信はない。他の楽曲もみな多くが陰鬱とした雰囲気を纏ったものばかりだった。

先日ライブでコヤマは「ずっとお客さんを信じていいのか怖かった」と語っていた。バンドとして変わることが怖くて、でも変わらなければいけない。そう感じていたが、なかなか踏み切れずにいたらしい。そうして悩んだ末の引鉄が、CIVILIANへの改名だったのではないかと私は思う。ポルノグラフィティのアキヒトがラジオで「ポルノらしさというものができあがってしまっているから、そのイメージに沿いながらも新しく変化していくのが難しい」と言っていた。Lyu:Lyuにもそんな悩みがあったのではないだろうか。鬱々とした暗い曲調が自分たちの持ち味、その雰囲気を壊すことはしたくないと思いながらも、その殻に籠っていては進めない、ならばどうすればいいのか。そんな悩みが。

改名が発表された時、なんのためにわざわざ名前を捨てるのかと疑問だった。せっかくバンドを認知している人が居るのに名前を捨ててしまえば、今までのつながりも薄れてしまうのではないかというのが個人的な感想だった。名前を改めたところで一体何が変わるのかと。百害あって一利なしなのではと。

しかし、自分たちを変えていかなくては進めない、そんな思いが改名に繋がったのだとしたら合点がいく。Lyu:Lyuのイメージを払拭し、Lyu:Lyuらしさも持ちながら新たなエッセンスを加味していくという前向きな想いが込められているのではとワンマンライブで感じたからだ。だからこそ一般人・市民を意味する「CIVILIAN」というバンド名になったのではないだろうか。

そうした名前ぐらいで何が変わるのか…という私の考えは大きな間違いで、ライブ会場でひときわ盛り上がっていたのはCIVILIANになってからの楽曲たちだった。もちろんLyu:Lyu時代の曲も素晴らしかった。初っ端の「アノニマス」は会場に一体感を生んでいたと思う。だがしかし、CIVILIANの曲とはやはり大きく違う。言葉の使いかたもメロディーも「らしさ」があるにもかかわらず、CIVILIANの方が明るくより万人受けするものになっていると感じた。
この違いが改名したことによるものなのだと会場で肌から感じた。この時ようやく改名から約一年越しに、CIVILIANになった意味が理解できた。もっと多くの人を楽しませたいという気持ちがCIVILIANには込められているのではないだろうか。市民つまり大衆を意味するCIVILIANはこれから更にその名を体現していくはずである。

CIVILIANらしさをこれからどんどん育て、それがLyu:Lyuらしさと融合した時また新たな「らしさ」が生まれるのではないだろうか。CIVILIANはまだまだ変化し続け、ファンを楽しませ続けてくれると感じさせる最高のワンマンだった。

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