264 件掲載中 月間賞発表 毎月10日

2017年5月24日

まにじ (20歳)

目に見えるほどの愛を持つバンド

Rockin' Radio!に春風を吹かせたsumikaのステージ

5月21日(日)大阪城野外音楽堂は様々なバンドのグッズを身に纏った人たちで溢れていた。
Rockin’ Radio! 2017
FM802という音楽愛に溢れたラジオ番組が主催のフェスである。
私も大好きなバンドが沢山出演するため、胸を高鳴らせながら会場へ足を運んだ。
この日は快晴。まだ5月だと言うのに体感では30度を超えているような暑さの中、開演を待った。
オープニングアクトから始まり、好きなバンドが最高の演奏を披露していく。
日も落ちてきて少し涼しくなった頃、残り2組となった。
残すバンドはフジファブリックとsumikaだ。
次はsumikaかな、と思いながら待っていると、見たことのない機材が運ばれてくる。
フジファブリックの機材だった。
次がフジファブリックということは、言わずもがな大トリはsumikaである。
正直驚いた。
sumikaも敬愛しているフジファブリックがトリだろうと勝手に思い込んでいたからである。
夕方5時台、夕日に照らされたフジファブリックは大阪城野外音楽堂にいる全ての人を魅了していた。私もその中の1人だ。
フジファブリックのステージが終わり、余韻に包まれながらも、sumikaを見る心の準備を始めた。
機材が運ばれ、メンバーがリハのためにステージに出てくる。いつも通りのsumikaだ。
「本気のリハ始めます!」ボーカル片岡健太がいつも通り、リハを始める。
リハではあるが、”本気のリハ”である。
お客さんもそれに応えるかのように皆立ち始める。
sumikaのファンとして、なんとなく誇らしかった。
リハでは、その日Czecho No Republicとコラボしていた、牧 達弥のバンドgo!go!vanillasの”マジック”を披露し、続けて”グライダースライダー”の前半部分を演奏した。
「もう少ししたら出てくるので、しばしお待ちを」と言ってはけていくメンバーを見送り、本番を待つ。
本番までの待ち時間、短いはずが、ものすごく長い時間を待っていたような気持ちに支配された。
SEがかかった瞬間、会場が手拍子に包まれる。
そしてメンバーが登場。
1曲目、Lovers
FM802のヘビーローテーションにも選ばれたこの曲から始まったsumikaのステージは、やはりFM802への愛で溢れかえっていた。

彼らは5月18日にDress farm #3 を発売していた。このCDは価格設定自由で、買う人自身が価格を設定し、自分で価値を考えて買うというものであった。
ボーカルの片岡健太は「FM802とsumikaの関係、スタッフとsumikaの関係、お客さんとsumikaの関係。その関係に価値はつけられないと思う。お金じゃ決められない価値だってある。」と話し、価格設定自由という方式を取った思いを語った。
そしてその直後に披露された新曲”春風”。
あたりは日が落ち、薄暗くなり、冷たさを含んだまさに春風が私たちを包む中、照明に照らされるsumikaはひたすらに美しかった。
“春風”をもたらしたステージでボーカルの片岡健太が語る。「僕たち晴れバンドなんですよ!今日も快晴で。だから、てるてる坊主を作るような気持ちで作った、お守りのような曲をやります」
そういって始まった最後の曲は”雨天決行”
sumikaのメンバーが皆愛を持って音を鳴らし、全身全霊で音を鳴らしていることが目に見えて分かった。
涙で霞む視界の中、フジファブリックの後、大トリというプレッシャーにさえ打ち勝ち、自分たちのステージをこれでもかと見せつけたsumikaの大きな姿を目に焼き付けた。

演奏が終わり、袖にはけていくメンバー。拍手は鳴り止まない。皆気持ちは同じだ。アンコールで出てくるメンバーを待っている。
だんだん速くなる手拍子、誰かがゆっくりにし始め、バラバラになったかと思うとまた自然と合わさる、そんなアンコールの期待がこもった手拍子を続けていると、ステージが照明で照らされ、sumikaのメンバーが元気よく登場した。

アンコールで披露されたのは”「伝言歌」”だった。
『つたえたい』という5文字に乗せて、sumikaは私たちに愛を伝えてくれた。
私たちもそれに応えようと、皆で合唱する。

“伝えたい 全部あなたに 全部伝えて この言葉よ 迷わないように”

届いただろうか、私の愛は。
sumikaへの愛を、全身全霊で伝えた。

曲が終わり、ギターをかき鳴らすボーカルの片岡健太は、ステージ上で仰向けに寝そべり、今持っている全てをおとにのせて出し切っていた。
こんなに全身全霊で音楽を鳴らし、愛が溢れているステージを見たのは初めてだった。
心を動かされるステージを見ることができた嬉しさと、感動、そして大阪への少しの嫉妬は涙となって私の頬を流れていった。

これほどまでに愛を表現できるバンドが他にいただろうか。どのバンドにも、そして、sumika自身にも打ち勝とうとするその姿はまさにロックバンドだった。
これからも、私はsumikaについていくだろう。
何度もライブに足を運ぶだろう。
もっと大きくなって、この日を超える程の愛を表現するsumikaに会える日に期待しながら、今日もsumikaの愛を聴く。

  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
音楽について書きたい、読みたい